グリースで髪がぺたんこに?ボリュームを出すプロのセット術と選び方
ヘアグリースを使って艶のあるお洒落なスタイルに挑戦したものの、時間が経つにつれてトップのボリュームがなくなり、髪が「ぺたんこ」になってしまった。そんな、がっかりした経験をお持ちの男性は、少なくないのではないでしょうか。特に、髪が細く柔らかい軟毛(猫っ毛)の方は、この悩みに日々直面しているかもしれません。
「やっぱりグリースは重いから、ボリュームを出すのには向いていないのか」と諦めてしまうのは、まだ早いかもしれません。実は、髪がぺたんこになってしまうのには明確な原因があり、正しい製品選びと使い方をマスターすれば、グリースを使いながらでも、一日中ふんわりとしたボリュームをキープすることは十分に可能です。この記事では、その常識を覆すプロのテクニックを、詳しく解説していきます。
なぜグリースで髪は「ぺたんこ」になってしまうのか
まず、なぜスタイルがぺたんこに潰れてしまうのでしょうか。その原因を正しく理解することが、解決への第一歩です。
原因1:スタイリング剤の「重さ」
これが、ぺたんこになる最も直接的な原因です。ヘアグリースは、製品自体にある程度の重さ(ウェイト)があります。ご自身の髪質に対して重すぎる製品を選んでいたり、あるいは適量以上をつけすぎてしまったりすると、髪の根元がその重さに耐えきれず、時間と共に潰れてきてしまいます。
原因2:ドライヤーでのベース作りが不十分
しかし、最も根本的な原因は、スタイリング剤を付ける前の「ドライヤーのかけ方」にあります。髪の根元がしっかりと立ち上がっていない、いわば脆弱な土台の上にスタイリング剤を乗せても、その重みですぐにへたってしまうのは当然のことなのです。
原因3:グリースを付ける「場所」の間違い
髪にボリュームを与える起点となるのは「根元」です。この最も重要な部分に、重さのあるグリースをべったりと付けてしまうと、自らボリュームを潰してしまっていることになります。
「ぺたんこ」を防ぐためのグリースの選び方
一日中ボリュームをキープするためには、まず製品選びの段階から意識することが重要です。
「軽いテクスチャー」の製品を絶対条件に選ぶ
ボリュームアップの最大の敵は「重さ」です。グリースを選ぶ際は、手に取った時にずっしりと重いものではなく、ホイップクリームのように軽やかであったり、ジェルに近い瑞々しい質感であったりするような、軽い使用感の製品を絶対条件として選びましょう。
セット力は「ハードタイプ」を選ぶ
髪の根元の立ち上がりを一日中、力強く支え続けるためには、軽さだけでなく、しっかりとしたセット力も不可欠です。「軽くて、なおかつセット力が強い」。この、一見すると相反するような性能を高いレベルで両立している製品こそが、ボリュームアップのための理想的なグリースです。
ぺたんこ髪を卒業する、プロのスタイリング手順
選び抜いたグリースの性能を最大限に引き出すためには、セット方法にプロの技を取り入れましょう。
ステップ1:【最重要】ドライヤーで根元に命を吹き込む
ボリュームアップは、このドライヤーでのベース作りで9割が決まります。まず髪を濡らした後、ボリュームを出したいトップ部分の髪を指で持ち上げ、その根元に集中的に温風を当てて、力強く立ち上げます。髪の流れに逆らうように、様々な方向から風を送ることで、根元に空気の層が生まれ、ふんわりとした土台が出来上がります。最後に、冷風を当てて形を記憶させることを忘れないでください。
ステップ2:グリースは「根元を避け」「毛先だけ」が鉄則
ドライヤーで命がけで立ち上げた根元を、グリースの重さで潰してしまわないよう、スタイリング剤は必ず「中間から毛先」にだけ付けることを徹底してください。使用する量も「米粒大」ほどのごく少量を、手のひらで完全に伸ばしてから、指先で毛束をつまむようにして、動きとまとまりを与えます。
ステップ3:最終兵器ヘアスプレーで根元を固定
グリースで毛先の動きを作った後、立ち上げた根元を中心に、キープ用のヘアスプレーを内側から軽く吹きかけます。これが、一日中へたりを防ぐための最強のテクニックです。
「ぺたんこにならない」感動をサロンで
「軽い使用感」と「強いセット力」。ボリュームが出にくい軟毛・猫っ毛の方が求める、この非常に難しい要求を、高い次元で両立させているのが、私たちプロが使用するサロン専売品です。市販品では見つけるのが難しい、ボリュームアップに特化して開発されたような、高機能なグリースも数多く存在します。
まとめ
グリースを使うと髪が「ぺたんこ」になってしまう最大の原因は、「ドライヤーでのベース作り」と「スタイリング剤の重さ」にあります。「軽いグリースを選び、ドライヤーで根元を徹底的に立ち上げ、グリースは毛先に少量だけ」。この正しい方法を実践すれば、あなたの「ぺたんこ」という悩みは、きっと解決できるはずです。髪質のせいで諦めていたヘアスタイルも、正しい知識と製品があれば必ず実現できます。ぜひ一度、私たちにご相談ください。