グリースはパリパリになる?ならない?ジェルのような質感との違いと使い方
ヘアスタイリング剤を選ぶ際、仕上がりの質感が「パリパリ」になるかどうかは、多くの方にとって好みが分かれる、非常に重要なポイントです。特に、ウェットな見た目が似ているヘアジェルとヘアグリースについて、「グリースもジェルのように、時間が経つとパリパリに固まるのでは?」という疑問やイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
この記事では、ヘアグリースと「パリパリ感」の関係性について、その真実と、もしパリパリすると感じた場合の意外な原因、そしてグリース本来のしなやかな質感を最大限に活かすための方法について、詳しく解説していきます。
結論:ヘアグリースは基本的に「パリパリにならない」
まず、皆様が最も知りたいであろう結論から明確にお伝えします。ヘアグリースは、ヘアジェルのように、乾燥して髪を「パリパリ」に固めてしまうタイプのスタイリング剤では、基本的にありません。
むしろ、時間が経過しても、付けたてのような潤いとしなやかさを保ち続け、手ぐしが通るほどの柔軟な質感を維持することが、ヘアグリースの最大の特徴であり、他のスタイリング剤にはない大きなメリットなのです。
なぜジェルは「パリパリ」になり、グリースはならないのか
では、なぜ見た目が似ているジェルとグリースで、これほどまでに仕上がりの質感が異なるのでしょうか。その答えは、それぞれの主成分の違いにあります。
ジェルがパリパリになる理由
ヘアジェルの主成分は「水分」です。髪に塗布された後、時間と共に水分が蒸発していくことで、配合されているセット成分(樹脂など)が髪の表面で硬化し、あの独特のパリパリとした硬い質感が生まれるのです。
グリースがパリパリにならない理由
一方で、ヘアグリースの主成分は、水飴のように蒸発しにくい「糖分」や「油分」、そして「保湿成分」で構成されています。そのため、時間が経過しても成分が乾燥して固まることがなく、潤いのあるしなやかな質感がそのまま維持されるのです。
グリースを使ったのに「パリパリする」と感じる場合の例外
「基本的にはパリパリにならない」と解説しましたが、それでも「グリースを使ったら、パリパリした気がする」と感じた経験がある方もいるかもしれません。その場合、以下のような原因が考えられます。
原因1:他のスタイリング剤と併用している
最もよくある原因が、仕上げに使用した「ヘアスプレー」の影響です。グリースでスタイリングした後、キープ力を高めるためにハードタイプのスプレーを多めに使うと、そのスプレーの樹脂成分が固まり、結果として髪がパリパリとした感触になることがあります。
原因2:髪がひどくダメージを受けている
髪自体が、カラーやパーマ、日々の熱などでひどく乾燥・ダメージを受けていると、グリースの潤い成分だけが髪の内部に吸収され、表面に残ったセット成分がごわついて感じられたり、パリパリに似た硬い手触りになったりすることがあります。
「パリパリさせない」ためのグリースの正しい使い方
グリース本来の、しなやかで艶やかな質感を最大限に活かすためには、いくつかのポイントを意識することが大切です。まず、つけすぎてしまうと、乾いた際に表面が硬く感じられることがあるため、適量を守ること。そして、髪が少し湿った「ハーフウェット」の状態で付けることで、より潤いに満ちた、柔らかな仕上がりになります。
上質な「しなやかさ」を追求したサロン専売グリース
本当に質の高いグリースは、「高いセット力」と「パリパリしない、しなやかな質感」という、一見すると相反するような性能を、完璧なバランスで両立させています。サロンで私たちプロが使用する製品は、スタイリストが求める繊細な質感表現を実現するために、ベタつきや不要な硬化を抑え、あくまで自然で上質な仕上がりになるよう、成分レベルで徹底的にこだわって開発されています。
まとめ
ヘアグリースは、ヘアジェルとは全く異なり、基本的には「パリパリにならない」スタイリング剤です。その「しなやかさ」と「手直しのしやすさ」こそが、グリースが持つ最大の魅力であり、多くの男性に選ばれる理由なのです。もし、これまでパリパリになるというイメージからグリースを敬遠していたのであれば、ぜひ一度、その本当の質感を体験してみてください。あなたのスタイリングの幅が、きっと大きく広がるはずです。