グリースは髪を濡らさないで使える?乾いた髪への上手な使い方
ヘアグリースの基本的な使い方として、多くのメディアやスタイリストが「髪を一度濡らしてから使う」ことを推奨しています。しかし、朝の忙しい時間帯など、「できれば髪を濡らさずに、乾いたままセットしたい」と考える方も少なくないのではないでしょうか。
結論から申し上げますと、ヘアグリースは髪を濡らさないで、乾いた状態のまま使うことも可能です。そして、その使い方には、濡らして使うのとはまた違った仕上がりとメリットが存在します。この記事では、髪を濡らさないでグリースを使う場合の上手な使い方と、その際の仕上がりの違いについて、詳しく解説していきます。
なぜグリースは「髪を濡らして使う」のが基本なのか
まず、なぜ一般的に髪を濡らしてから使うことが推奨されているのか、その理由を理解することが大切です。髪を濡らすことには、主に二つの目的があります。一つは、寝癖や髪のうねりをリセットし、スタイリングしやすい素直な状態に戻すこと。そしてもう一つは、髪が水分を含むことでスタイリング剤の伸びが良くなり、髪全体にムラなく均一に馴染ませやすくなることです。
特にヘアグリースの場合、髪の水分と製品の油分が混ざり合うことで、その最大の特徴である「ウェットなツヤ感」が最も美しく引き出されるため、この方法が基本とされています。
髪を「濡らさないで」グリースを使った場合の仕上がり
では、髪を濡らさずに、乾いた状態のままグリースを使うと、どのような仕上がりになるのでしょうか。髪に水分が含まれていないため、ウェット感はかなり控えめになります。その代わり、ワックスでスタイリングしたようなドライな質感の中に、グリースならではの「ナチュラルなツヤ感」と、髪の毛一本一本が際立つ「はっきりとした束感」が生まれます。ギラギラとした強い光沢ではなく、あくまで自然で上品な仕上がりを目指したい場合に有効な方法です。
髪を濡らさないでセットする際のメリットと注意点
乾いた髪に直接グリースを使うことには、メリットと、気をつけるべき注意点の両方があります。最大のメリットは、言うまでもなく「スタイリング時間の短縮」です。また、作り込みすぎていない、さりげないお洒落を演出できるのも魅力です。
ただし、注意点として、寝癖がひどい場合は、一度濡らさないと綺麗にまとめるのは困難です。また、乾いた髪はグリースが伸びにくいため、使い方を誤るとムラになったり、つけすぎてベタつきが目立ったりする可能性があります。
髪を濡らさないでグリースを上手に付けるコツ
乾いた髪へのスタイリングを成功させるためには、いくつかの重要なコツがあります。
手のひらで徹底的に伸ばし、温める
乾いた髪に付ける場合、この工程が通常以上に重要になります。手に取ったグリースは、両方の手のひらと指の間まで使い、透明になるまでしっかりと擦り合わせましょう。体温で十分に温め、グリースを限りなく液体状に近づけることが、ムラを防ぐための最大の秘訣です。
ごく少量を意識し、薄く伸ばす
一度に多くの量を付けると、修正が非常に困難になります。必ず小豆一粒大以下のごく少量から始め、髪全体に薄いヴェールをかけるようなイメージで、優しく馴染ませてください。
どんな使い方にも対応できる高品質なグリース
髪を濡らさないで使う場合、製品自体の「伸びの良さ」や「髪への馴染みやすさ」といった、いわゆる「操作性」の高さが、仕上がりの質を大きく左右します。サロンで私たちが扱うプロ仕様のグリースは、どんな髪の状態でもスムーズにスタイリングできるよう、テクスチャーが緻密に計算されており、少量でも驚くほどよく伸びる製品が数多くあります。ご自身の髪質やライフスタイルに合った最適な使い方を知りたい方は、ぜひ一度、私たちプロにご相談ください。
まとめ
ヘアグリースは、基本的には髪を濡らして使うことで、その特性を最大限に引き出すことができます。しかし、時間がない時や、よりナチュラルな質感で仕上げたい時には、「濡らさないで」乾いた髪に直接使うことも非常に有効なテクニックです。「手のひらで完全に伸ばす」「ごく少量を意識する」という二つのコツさえ守れば、失敗することなくスタイリングできるでしょう。その日の気分やTPOに合わせて使い方を工夫し、グリーススタイリングの幅広い可能性をぜひお楽しみください。