伸びがいいグリースが鍵|スタイリングを格上げする選び方と使い方
ヘアグリースを選ぶ際、多くの方は「セット力」の強さや「ツヤ」の質感に注目されることでしょう。もちろん、それらは仕上がりを決定づける非常に重要な要素です。しかし、私たちプロのスタイリストが、それらと同じくらい、あるいはそれ以上に重視しているポイントがあります。それが、スタイリング剤の「伸びの良さ」です。
この「伸びの良さ」こそが、日々のスタイリングのしやすさ、仕上がりの美しさ、そしてストレスのない快適さを大きく左右する、隠れた鍵なのです。この記事では、なぜグリースの伸びの良さが重要なのか、そのメリットと、伸びがいいグリースの特徴について詳しく解説していきます。
なぜグリースの「伸びの良さ」はそれほど重要なのか
「伸びがいい」という特性は、単に「使いやすい」という感覚的なものだけでなく、スタイリングの質を向上させる、多くの具体的なメリットをもたらしてくれます。
メリット1:髪に均一に馴染ませやすい
これが最大のメリットです。伸びがいいグリースは、少量でも手のひら全体、そして髪全体に薄く、ムラなく広げることができます。これにより、スタイリング剤が一部分だけに固まって付いてしまうといった失敗を根本から防ぎ、誰でも簡単に均一で美しい仕上がりを実現できます。
メリット2:スタイリング時間の短縮
髪にスムーズに馴染んでいくため、何度も付け直したり、馴染ませるのに時間をかけたりする必要がありません。結果として、スタイリング全体にかかる時間が短縮され、特に朝の忙しい時間帯において、大きなアドバンテージとなります。
メリット3:繊細なディテール表現がしやすい
指通りが滑らかであるため、毛先をつまんでシャープな束感を作ったり、コームを使って美しい毛流れを整えたりといった、細かなディテールの表現が非常にしやすくなります。思い通りのスタイルを、より高い精度で作り込むことが可能です。
伸びがいいグリースの特徴と見分け方
それでは、伸びがいいグリースにはどのような特徴があるのでしょうか。製品を選ぶ際の参考にしてみてください。
テクスチャーが柔らかい
一般的に、製品自体のテクスチャーが水飴やクリームのように柔らかいものは、手のひらで伸ばしやすく、髪にも馴染みやすい傾向があります。
ファイバー(繊維)が配合されている
製品によっては、糸を引くようなファイバー(繊維)が配合されているグリースがあります。このタイプのものは、非常に伸びが良く、髪への絡みつきも良いため、動きのあるスタイルを作るのに適しています。
伸びがいいグリースが特に活きるヘアスタイル
伸びの良さは、特に以下のようなヘアスタイルでその真価を発揮します。
パーマスタイル
複雑なカールの間にスタイリング剤を均一に行き渡らせる必要があるパーマスタイルでは、グリースの伸びの良さが不可欠です。カールの質感を損なうことなく、スムーズにスタイリングできます。
マッシュやセンターパートなどのナチュラルスタイル
髪全体に薄く馴染ませ、作り込みすぎない自然な艶とまとまりを与えるスタイルにも最適です。重くなりすぎず、軽やかな仕上がりを実現します。
究極の「伸びの良さ」を追求したサロン専売品
ここで一つ、重要なことをお伝えします。それは、「伸びがいいこと」と「セット力がないこと」は、決してイコールではないということです。サロンで私たちが使用するプロ仕様の製品の中には、「驚くほど少量でよく伸びるのに、セット力は非常に高い」という、一見すると矛盾するような性能を、高度な技術で両立させているものが数多く存在します。
スタイリストが毎日、何人ものお客様を、限られた時間の中で最高のスタイルに仕上げるためには、この「操作性(伸びの良さ)」は絶対に妥協できないポイントなのです。だからこそ、サロン専売品は、市販品とは一線を画す、感動的な使い心地を誇ります。
まとめ
ヘアグリース選びにおいて、「伸びの良さ」は、あなたのスタイリングをより快適で、より質の高いものへと導いてくれる、非常に重要な要素です。伸びがいいグリースは、ムラなく、素早く、そして髪に優しくスタイリングすることを可能にします。ストレスフリーなスタイリングライフのために、ぜひ「伸びの良さ」という新しい基準で、次のグリースを選んでみてはいかがでしょうか。