猫っ毛メンズのグリース活用術|ボリュームを潰さない選び方とセット方法
髪が細く、柔らかく、そしてコシがない「猫っ毛」。スタイリングをしてもトップのボリュームがすぐに出なくなってしまったり、セットが長時間持たずにへたってしまったりと、その扱いにくさに日々悩んでいる男性は少なくありません。
特に、ウェットで重厚な質感のイメージが強いヘアグリースは、「自分の髪質では、重さでぺたんこになってしまうのでは?」と、敬遠されがちなスタイリング剤かもしれません。しかし、それは大きな誤解です。正しい製品を選び、使い方をマスターすれば、グリースは猫っ毛のスタイリングにおいて、これ以上ないほど頼もしい味方となるのです。この記事では、その誤解を解き、猫っ毛を活かすためのプロのテクニックを詳しく解説していきます。
猫毛のスタイリングにおけるグリースの意外なメリット
まず、なぜグリースが猫っ毛のスタイリングに有効なのでしょうか。そこには、猫っ毛特有の悩みを解消する、グリースならではのメリットがあります。
パサつきを抑え、髪に存在感を与える
髪が細い猫っ毛は、どうしてもパサついて見えたり、貧弱な印象を与えてしまったりすることがあります。グリースが持つ油分と水分は、そんな髪に潤いのある自然な艶を与え、しっかりとした束感を作り出してくれます。これにより、髪一本一本に存在感が生まれ、健康的で力強い印象を演出することができます。
スタイルを維持するコーティング力
湿気などの影響を受けやすく、セットが取れやすい猫っ毛を、グリースのセット成分が髪の表面を薄いヴェールのようにコーティングします。これにより、外部の刺激から髪を守り、スタイルの持続性を高める効果が期待できます。
【最重要】猫っ毛メンズのためのグリースの選び方
猫っ毛のスタイリングを成功させるか否かは、この「製品選び」でそのほとんどが決まると言っても過言ではありません。
選び方1:「軽いテクスチャー」を絶対条件に選ぶ
猫っ毛の方が絶対に避けなければならないのが、重いテクスチャーのスタイリング剤です。グリースを選ぶ際は、手に取った時にずっしりと重たいものではなく、ホイップクリームのように軽やかであったり、少量でもよく伸びるファイバーが配合されていたりするような、「軽い使用感」の製品を絶対条件として選びましょう。
選び方2:セット力は「ハードタイプ」がおすすめ
軽さだけを追求し、セット力が弱い製品を選んでしまうと、結局スタイルを維持することができません。猫っ毛のスタイリングには、「軽い使用感」と「強いセット力」という、一見すると相反する二つの性能を、高いレベルで両立している製品が求められます。
猫っ毛のボリュームを潰さない、グリースのセット方法
選び抜いたグリースの性能を最大限に引き出すためには、セット方法にも特別な工夫が必要です。
ステップ1:【生命線】ドライヤーで徹底的に根元を立ち上げる
猫っ毛のスタイリングは、このドライヤーでのベース作りが全てです。まず髪を濡らした後、頭を下に向けて髪を逆立てるように乾かしたり、立ち上げたい部分の髪を指で持ち上げ、その根元に集中的に温風を当てたりと、あらゆるテクニックを駆使して、根元に最大限のボリュームを作っておきましょう。そして、根元が乾いたら、必ず冷風を当てて形を記憶させることが重要です。
ステップ2:グリースは「米粒大」のごく少量から
適量は、他の髪質の方よりもさらに少なく見積もる必要があります。まずは「米粒大」ほどのごく少量から試し、足りなければ足す、という使い方を徹底してください。
ステップ3:根元を絶対に避け、中間から毛先に付ける
ドライヤーで命がけで立ち上げた根元を、グリースの重さで潰してしまっては元も子もありません。適量を手のひらでよく伸ばしたら、根元部分は絶対に避け、髪の中間から毛先のみに付けることを徹底してください。指先で毛束をつまむようにして、毛先に動きと束感を加えるイメージです。
猫っ毛の悩みに応えるサロン専売品という選択肢
「軽い使用感」と「強いセット力」。猫っ毛のスタイリングに求められる、この非常に難しい要求を、高い次元で両立させているのが、私たちプロが使用するサロン専売品です。市販品では見つけるのが難しい、猫っ毛のスタイリングに特化して開発されたような、高機能なグリースも存在します。ご自身の髪質では無理だと諦めてしまう前に、ぜひ一度、私たちスタイリストにご相談ください。
まとめ
これまで猫っ毛とは相性が悪いと思われがちだったヘアグリースも、「軽い製品を選び」「付け方を工夫する」ことで、ボリュームダウンを避けつつ、艶と束感を加える非常に有効なツールとなります。特に「ドライヤーでの根元の立ち上げ」は、全ての基本として、ぜひマスターしてください。髪質のせいで諦めていたヘアスタイルも、正しい方法と製品を知れば、きっと実現できるはずです。