軟毛メンズのグリース活用術|ボリュームを出す選び方とセット方法
髪が細く柔らかい「軟毛」、いわゆる「ねこっ毛」と呼ばれる髪質の方は、日々のスタイリングで多くの悩みを抱えているのではないでしょうか。「トップにボリュームが出ない」「セットしても、時間が経つとすぐにへたってしまう」「スタイリング剤の重さで、かえってぺたんこになってしまう」といった声は、私たちもサロンで頻繁に耳にします。
特に、艶やかでウェットな質感が特徴のヘアグリースは、「重くて軟毛には不向き」というイメージから、敬遠してしまっている方も多いかもしれません。しかし、それは大きな誤解です。選び方と使い方さえマスターすれば、グリースは軟毛のスタイlingにおいて、悩みを解決し、新たな魅力を引き出す強力な味方となるのです。この記事では、その誤解を解き、軟毛を活かすためのプロのテクニックを詳しく解説していきます。
軟毛のスタイリングにおけるグリースの役割
まず、軟毛の人がグリースを使うことで、どのようなメリットが得られるのでしょうか。
パサつきを抑え、艶と束感で力強い印象に
軟毛は、髪一本一本が細いため、パサついて見えたり、どこか頼りない印象を与えてしまったりすることがあります。グリースが持つ油分と水分は、そんな髪に潤いと健康的な艶を与え、しっかりとした束感を作り出してくれます。これにより、髪に存在感が生まれ、貧弱な印象を払拭することができます。
スタイルを維持するコーティング力
セットが取れやすい軟毛を、グリースのセット成分が髪の表面をコーペットすることで、湿気などの外部刺激から守り、スタイルの持続性を高める効果も期待できます。
【重要】軟毛メンズのためのグリースの選び方
軟毛のスタイリングを成功させるか否かは、この「製品選び」で9割が決まると言っても過言ではありません。
選び方1:軽やかな使用感の「ライトなテクスチャー」を選ぶ
軟毛の方が絶対に避けなければならないのが、重いテクスチャーのスタイリング剤です。グリースを選ぶ際は、手に取った時にずっしりと重いものではなく、ホイップのように軽やかであったり、少量でもよく伸びるファイバーが配合されていたりするような、「軽い使用感」の製品を選んでください。
選び方2:セット力は「ハードタイプ」を選ぶ
軽さだけを追求し、セット力が弱い製品を選んでしまうと、結局スタイルを維持することができません。軟毛のスタイリングには、「軽い使用感」と「強いセット力」という、一見すると相反する二つの性能を高いレベルで両立している製品が求められます。
軟毛のボリュームを潰さない、グリースのセット方法
選び抜いたグリースの性能を最大限に引き出すためには、セット方法にも特別な工夫が必要です。
ステップ1:【最重要】ドライヤーで徹底的に根元を立ち上げる
軟毛のスタイリングは、このドライヤーでのベース作りが全てです。まず髪を濡らした後、頭を下に向けて髪を逆立てるように乾かしたり、立ち上げたい部分の髪を指で持ち上げ、その根元に集中的に温風を当てたりと、あらゆるテクニックを駆使して、根元に最大限のボリュームを作ります。そして、根元が乾いたら、必ず冷風を当てて形を記憶させてください。
ステップ2:グリースは根元を「絶対に」避けて付ける
ドライヤーで立ち上げた生命線である根元を、グリースの重さで潰してしまっては元も子もありません。適量(他の髪質の方よりもさらに少ない「米粒大」から試すのがおすすめです)を手のひらでよく伸ばしたら、根元部分は絶対に避け、髪の中間から毛先のみに付けることを徹底してください。指先で毛束をつまむようにして、毛先に動きと束感を加えるイメージです。
ステップ3:仕上げのスプレーで根元をキープ
グリースで毛先の動きを作った後、立ち上げた根元を中心に、キープ用のヘアスプレーを軽く吹きかけます。これにより、ドライヤーで作ったボリュームが物理的に固定され、一日中へたることのないスタイルが完成します。
軟毛の悩みに応えるサロン専売品という選択肢
「軽さ」と「強いセット力」という、軟毛のスタイリングに求められる非常に難しい要求を、高い次元で両立させているのが、私たちプロが使用するサロン専売品です。市販品では見つけるのが難しい、軟毛のスタイリングに特化して開発されたような、高機能なグリースも存在します。ご自身の髪質では無理だと諦めてしまう前に、ぜひ一度、私たちスタイリストにご相談ください。
まとめ
これまで軟毛とは相性が悪いと思われがちだったヘアグリースも、「軽い製品を選び」「付け方を工夫する」ことで、ボリュームダウンを避けつつ、艶と束感を加える非常に有効なツールとなります。特に「ドライヤーでの根元の立ち上げ」は、全ての基本です。髪質のせいでスタイリングを諦めていた方も、正しい方法と製品を知れば、きっと新しい自分に出会えるはずです。