グリースを使っても前髪が割れる原因とは?プロが教える直し方とセット術
ヘアスタイル全体の印象を決定づける、最も重要なパーツである「前髪」。朝、時間をかけてセットしたにもかかわらず、気がつくとぱっくりと割れてしまい、思うようなスタイリングが一日中維持できない。そんな「前髪割れ」の悩みを抱えている男性は、実は非常に多くいらっしゃいます。
スタイリング剤にヘアグリースを使っても、この問題が解決しない、あるいはかえって割れ目が強調されてしまうと感じている方もいるかもしれません。その原因は、スタイリング剤そのものではなく、日々の「スタイリング方法」に隠されていることがほとんどです。この記事では、頑固な前髪割れを防ぎ、一日中理想のスタイルをキープするための、プロの技を詳しく解説していきます。
なぜあなたの前髪は割れてしまうのか?
対策を講じる前に、まずなぜ前髪が意図せず割れてしまうのか、その根本的な原因を理解することが大切です。
原因1:根元の「生え癖」
多くの場合、前髪が割れる最も根本的な原因は、つむじの流れや、髪が生えてくる方向によって生まれる「生え癖」にあります。これは誰にでもある自然なものですが、この根元のクセが、前髪を特定の場所で分かれさせてしまうのです。
原因2:ドライヤーのかけ方が間違っている
そして、スタイリングにおける最大の原因が、この生え癖をリセットできていない、間違ったドライヤーのかけ方にあります。濡れた髪をただ乾かしているだけでは、根元のクセはそのまま残り、どんなに強力なスタイリング剤を使っても、時間と共に必ず元の割れ目に戻ろうとしてしまいます。
原因3:グリースの付け方が不適切
グリースをつけすぎたり、根元にべったりと付けてしまったりすると、その重さで髪が不自然な束になり、かえって割れ目を悪目立ちさせてしまうことがあります。
【最重要】前髪割れを防ぐ、ドライヤーの正しいかけ方
頑固な前髪割れを解消するための鍵は、スタイリング剤を付ける前の「ドライヤー」の工程にあります。この一手間で、仕上がりは劇的に変わります。
ステップ1:前髪の根元を地肌からしっかり濡らす
まずは、割れてしまう部分の前髪の根元を、霧吹きなどを使って地肌からしっかりと濡らしてください。中途半端に濡らすのではなく、根元の生え癖を一度完全にリセットさせることが目的です。
ステップ2:根元を擦りながら、左右から風を当てる
ドライヤーの風を当てながら、割れグセがある部分の根元を、指の腹でシャンプーするように優しく左右に擦ります。様々な方向から根元に風を送り込むことで、生え癖の方向性がリセットされ、髪が素直な状態になります。
ステップ3:毛流れを作り、冷風で固定する
根元のクセが取れたら、あなたが作りたい毛流れの方向(例えば、右に流したいなら左から右へ)に髪をとかしながら乾かします。そして、形が決まったら、最後にドライヤーの冷風を根元に数秒間当てることで、その形を髪に記憶させます。これが、一日中スタイルを維持するための重要なプロセスです。
前髪割れを防ぐ、グリースの選び方と付け方
完璧な土台ができたら、グリースで仕上げていきましょう。前髪のスタイリングには、ベタつきが少なく、軽やかなテクスチャーのグリースがおすすめです。そして、付け方は「最後に、ごく少量を、毛先にだけ」という鉄則を必ず守ってください。指先に取ったごく少量のグリースで、割れ目をまたぐように左右の髪の毛先を繋げたり、毛流れの表面を優しく撫でてまとまりを与えたりします。
根本的な解決を目指すなら、サロンでの相談を
セルフケアで改善しない頑固な前髪割れは、カットの技術で劇的に解消できる場合があります。私たちプロのスタイリストは、お客様一人ひとりの毛流れや生え癖を見極め、前髪が自然に割れにくくなるように、緻密に計算してカットを施す専門家です。また、サロン専売品の中には、繊細な前髪のスタイリングに特化した、操作性に優れた高品質なグリースもございます。
まとめ
グリースを使っても前髪が割れてしまう最大の原因は、スタイリング剤を付ける前の「ドライヤーのかけ方」にあります。「根元を濡らして、擦りながら乾かし、冷風で固める」という正しいドライ方法をマスターすれば、これまで悩み続けてきた頑固な前髪割れも、きっと解消できるはずです。正しい知識とテクニックを身につけ、一日中自信の持てる理想の前髪スタイルを手に入れましょう。