グリースで作る綺麗な毛流れ|基本のスタイリングとコーム使いのコツ
ヘアスタイルにおいて、髪の「毛流れ」は、その人の印象を大きく左右する重要な要素です。美しく整えられた毛流れは、清潔感や知的な雰囲気、そして大人びた色気を演出し、スタイル全体を格段に洗練させて見せてくれます。七三分けやセンターパート、オールバックといったスタイルを品良く仕上げるには、この毛流れをいかにコントロールするかが鍵となります。
そして、この繊細で美しい毛流れの表現に、最も適したスタイリング剤が「ヘアグリース」です。この記事では、ヘアグリースを使って、誰もが振り返るような綺麗な毛流れを作るための、基本的な考え方と具体的なスタイリング方法を詳しく解説していきます。
なぜグリースは毛流れを作るのに適しているのか
数あるスタイリング剤の中で、なぜ特にグリースが毛流れを作るのに向いているのでしょうか。それには、グリースならではのいくつかの特性が関係しています。
適度なまとまりと粘性
グリースが持つ程よい粘性は、髪の毛一本一本をまとめ、面として整えるのに非常に優れています。ワックスのように毛束が散らばってしまうことなく、またジェルのように固まりすぎて不自然になることもなく、髪をしなやかにまとめ上げ、美しい流れを生み出します。
艶による流れの強調
グリース特有の艶やかな質感は、髪に当たった光を美しく反射させ、作られた毛流れのラインをより立体的でくっきりと見せる効果があります。パサついた髪では表現できない、潤いのあるエレガントな毛流れを演出します。
毛流れを作るためのグリースの選び方
理想の毛流れを実現するためには、製品選びも重要なポイントです。作りたいスタイルを一日中維持するためには、ある程度のセット力を持つ「ミディアム」から「ハード」タイプのグリースを選ぶのが基本となります。また、髪全体に均一に馴染ませ、コームをスムーズに通すためには、手のひらでよく伸びる、滑らかなテクスチャーの製品を選ぶとスタイリングがしやすくなります。
綺麗な毛流れを作るためのスタイリング手順
美しい毛流れは、スタイリング剤を付けるだけで完成するものではありません。その前の下準備から仕上げまで、一連のプロセスが重要となります。
ステップ1:ドライヤーで毛流れの土台を作る
最も重要な工程が、ドライヤーによるベース作りです。まず髪全体を濡らし、タオルドライした後、ご自身が作りたい毛流れの方向を意識しながら、髪の根元から毛先に向かってドライヤーの温風を当てていきます。手ぐしやブラシを使い、髪を優しく引っ張りながら乾かすことで、この段階で大まかな毛流れの「土台」が完成します。ここで約8割の形を決めておくことが、崩れないスタイルへの鍵となります。
ステップ2:グリースを均一に馴染ませる
適量のグリースを手に取り、手のひらで透明になるまでしっかりと伸ばします。そして、髪の表面だけに乗せるのではなく、髪の内側にも指を通すようにして、全体にムラなく均一に馴染ませていきます。根元に付けすぎるとボリュームがなくなるため、髪の中間から毛先を中心につけることを意識しましょう。
ステップ3:コームを使って毛流れを整える
最後に、コーム(櫛)を使って髪全体の流れを精密に整えていきます。まずは目の粗いコームでざっくりと全体の方向性を決め、次に目の細かいコームで前髪の生え際や分け目といった細部を整えると、より完成度の高いスタイルになります。コームを頭皮に強く押し付けず、髪の表面を優しく撫でるようにとかすのが、美しい毛流れを作るコツです。
コームを使わない、ラフな毛流れの作り方
きっちりと整えられたスタイルだけでなく、より自然でラフな毛流れを作りたい場合は、コームの代わりに手ぐしを使います。グリースを馴染ませた後、指を大きく広げて、まるで粗い櫛のように使い、ざっくりと毛流れを作っていきます。これにより、決めすぎない、こなれ感のあるスタイルを演出することができます。
操作性に優れたサロン専売グリースという選択
美しい毛流れを自在にコントロールするためには、セット力だけでなく、髪に均一に伸び、コームがスムーズに通る「操作性」の高さがスタイリング剤に求められます。サロンで私たちが使用するプロ仕様の製品は、まさしくそうした繊細な操作性を高いレベルで実現するために開発されています。ご自身の髪質に合った最適な一品と、より高度なスタイリングテクニックをお求めであれば、ぜひ一度私たちスタイリストにご相談ください。
まとめ
清潔感あふれる美しい毛流れは、「ドライヤーでの土台作り」「グリースの均一な塗布」「コームや手ぐしでの仕上げ」という丁寧なステップを踏むことで、誰でも手に入れることができます。グリースを正しく使いこなし、ワンランク上の洗練されたヘアスタイルをぜひお楽しみください。