ヘアグリースの硬さの選び方|セット力と質感の違いを解説
メンズスタイリングの定番アイテムとなったヘアグリースですが、その種類の豊富さから、どれを選べば良いか迷ってしまうという方も少なくありません。製品を選ぶ上で、仕上がりの印象や使い勝手を左右する非常に重要な指標となるのが、その「硬さ」です。しかし、この「硬さ」という言葉には、実は二つの異なる意味合いが含まれています。
この記事では、ヘアグリースの「硬さ」が示す二つの意味を解き明かし、ご自身の髪質や理想のヘアスタイルに合った、最適な硬さのグリースを見つけるための選び方について詳しく解説していきます。
グリースの「硬さ」が示す2つの意味
まず、グリース選びにおける「硬さ」という言葉が何を指しているのかを正しく理解することが大切です。
意味1:セット力としての硬さ
一つ目は、作ったヘアスタイルを維持する力、すなわち「セット力(ホールド力)」の強弱を表す硬さです。この意味では、「硬いグリース」はセット力が強く、「柔らかいグリース」はセット力が穏やかであると解釈できます。製品パッケージに表示されている「ハード」や「ソフト」といった表記は、このセット力の硬さを示しています。
意味2:テクスチャーとしての硬さ
二つ目は、容器に入っている製品そのものの物理的な硬さ、つまり「テクスチャー」のことです。指で取った時に感じる質感のことで、水飴のように柔らかいものから、固形のロウのように硬いものまで様々です。一般的に、セット力が強い製品ほど、このテクスチャーも硬くなる傾向にあります。
【セット力】硬さのレベルとおすすめのヘアスタイル
セット力としての硬さは、どのようなヘアスタイルを作りたいかによって選ぶべきレベルが変わってきます。
ソフトな硬さ(セット力:弱)
髪を固めすぎず、自然な毛流れやまとまりを与える程度の穏やかなセット力です。パーマの柔らかな動きを活かしたい時や、作り込みすぎないナチュラルなスタイルにおすすめです。
ハードな硬さ(セット力:強)
作ったスタイルを長時間しっかりと維持する強いセット力です。髪質が硬い方や毛量が多い方の髪をしっかりと抑えつけたり、七三分けやバーバースタイルといった、崩したくないきっちりとしたスタイルを作ったりするのに最適です。
【テクスチャー】硬いグリースの扱い方
テクスチャーが硬いグリースは、一見すると扱いにくそうに感じられるかもしれません。しかし、ある簡単なひと手間を加えるだけで、驚くほどスムーズにスタイリングすることが可能になります。その秘訣は、「手のひらでしっかりと温める」ことです。硬いグリースの主成分である油分や樹脂は、熱を加えることで柔らかくなる性質を持っています。適量を手に取ったら、すぐに髪に付けるのではなく、両方の手のひらで擦り合わせ、透明なオイル状になるまで温めてください。これにより、髪への伸びと馴染みが格段に向上し、ムラなく塗布することができます。
ご自身の髪質に合った硬さの選び方
最終的にどの硬さが最適かは、ご自身の髪質によっても左右されます。髪が柔らかく細い方は、重さで髪が潰れてしまわないよう、セット力もテクスチャーも比較的「柔らかめ」のものが良いでしょう。反対に、髪が硬く太い方は、髪の力に負けずにしっかりとスタイリングできるよう、セット力の強い「硬め」のものが適しています。
硬さだけでない、高品質なグリースの条件
本当に優れたグリースは、単にセット力が硬い(強い)というだけでなく、スタイリングのしやすさ、つまり「操作性」も非常に重要です。プロが使用するサロン専売品は、強いセット力を持ちながらも、髪への馴染みが良く、洗い落ちもスムーズであるなど、日々の使いやすさまで考慮して開発されています。ご自身の髪質やライフスタイルに本当に合った、質の高いグリースをお探しであれば、ぜひ一度、私たちプロのスタイリストにご相談ください。
まとめ
ヘアグリースの「硬さ」は、スタイルを維持する「セット力」と、製品自体の「テクスチャー」という二つの側面から考える必要があります。ご自身の髪質や作りたいヘアスタイルに合わせて最適な硬さを選ぶことが、理想のスタイリングへの近道です。この記事を参考に、あなたにとって最高のパートナーとなるグリースを見つけてください。