硬めのグリースを使いこなす|セット力の強いタイプの選び方と使い方
朝に作ったヘアスタイルを、一日中しっかりと維持したい。そんな時、スタイリング剤に求められるのは、何と言ってもその「セット力」の強さです。数あるスタイリング剤の中でも、特に強いセット力を持つ製品が多いのが「硬め」のヘアグリースです。しかし、その一方で「テクスチャーが硬くて使いこなすのが難しそう」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
この記事では、そんな「硬めのグリース」が持つ特徴や、どのような方に適しているのか、そしてその性能を最大限に引き出すための上手な使い方について、詳しく解説していきます。
「硬めのグリース」が持つ2つの意味
まず、「硬めのグリース」という言葉には、主に二つの意味合いが含まれています。一つはスタイルの維持力を示す「セット力」、もう一つは製品そのものの物理的な硬さを示す「テクスチャー」です。
意味1:セット力が強い(ハードタイプ)
一般的に「硬めのグリース」と言う時、多くの方がイメージするのはこちらの意味でしょう。これは、作った髪型を維持する力が強い、いわゆる「ハードタイプ」や「スーパーハードタイプ」の製品を指します。髪をしっかりと固定し、湿気や風にも負けないキープ力を発揮します。
意味2:テクスチャーが硬い
これは、容器から指で取る際に感じる、製品自体の物理的な硬さのことです。一般的に、セット力が強いグリースは、配合されている樹脂成分などの影響で、テクスチャーも硬めである傾向があります。
硬めのグリースがおすすめなのはどんな人?
その強力なセット力から、硬めのグリースは特定の髪質やヘアスタイルにおいて、その真価を発揮します。
髪質が硬い・太い・多い方
髪の毛一本一本に力があり、普通のスタイリング剤ではなかなかまとまらない、あるいは時間が経つとすぐに広がってしまうという方に最適です。髪自体の力に負けない強いセット力で、ボリュームをしっかりと抑えつけ、一日中まとまりのあるスタイルを維持します。
崩したくないスタイルを作りたい方
七三分けやオールバック、きっちりとした毛流れが重要なバーバースタイルなど、絶対に崩したくないフォーマルなスタイルやクラシカルなスタイルを作る際には、硬めのグリースが必須アイテムとなります。短い髪を立たせるようなスタイルにも有効です。
硬めのグリースを上手に使うためのコツ
テクスチャーが硬いグリースも、少しのコツを掴むだけで驚くほど扱いやすくなります。
手のひらでしっかり温めて柔らかくする
これが最も重要なポイントです。硬いグリースの扱いにくさは、冷えて固まっていることが原因です。使用する分を指で取ったら、すぐに髪に付けるのではなく、両方の手のひらで包み込むようにして、透明になるまでしっかりと擦り合わせましょう。体温で十分に温められることで、グリースは滑らかなオイル状に変化し、髪への伸びと馴染みが格段に向上します。
少量ずつ馴染ませる
セット力が強力なため、一度に多くの量を付けてしまうと、修正が難しくなったり、一部分だけが重くなりすぎたりします。必ず小豆一粒程度の少量から始め、全体のバランスを見ながら、必要な部分に少しずつ付け足していくようにしましょう。
セット力だけではないサロン専売品の魅力
市販されている硬めのグリースの中には、ただセット力が強いだけで、伸びが悪く扱いにくい製品も少なくありません。一方で、私たちプロがサロンワークで使用する製品は、強いセット力を持ちながらも、「髪への馴染ませやすさ」や「伸びの良さ」といった操作性にも徹底的にこだわって開発されています。硬い髪質でもスムーズにスタイリングできるのは、そうした製品の質の高さに理由があります。ご自身の髪質に本当に合う、質の高い「硬めのグリース」をお探しであれば、ぜひ一度サロンでご相談ください。
まとめ
硬めのグリースは、髪質が硬い方や、スタイルを長時間キープしたい方にとって、非常に頼りになる心強いアイテムです。一見扱いにくそうに感じる硬いテクスチャーも、「手のひらでしっかり温める」という基本のひと手間を実践するだけで、誰でも簡単に使いこなすことができます。あなたに最適な一品を見つけ、日々のスタイリングをより快適なものにしていきましょう。