フェードカットはグリースで仕上げる|魅力を引き出すセット方法
サイドとバックを短く、そして滑らかに刈り上げた「フェードカット」。清潔感と男らしさを両立させ、どんなファッションにもマッチするそのスタイルは、今やメンズヘアのトレンドの中心と言っても過言ではありません。このフェードカットの完成度を最終的に決定づけるのが、トップ部分のスタイリングです。そして、その際に最も相性の良いスタイリング剤こそが、「ヘアグリース」なのです。
この記事では、フェードカットの魅力を120%引き出すための、ヘアグリースを使ったプロのセット方法について、基本的な考え方から具体的なテクニックまで詳しく解説していきます。
なぜフェードカットとグリースの相性は抜群なのか
数あるスタイリング剤の中で、なぜ特にフェードカットにはグリースが選ばれるのでしょうか。そこには、この組み合わせならではの、スタイルを格上げする明確な理由が存在します。
刈り上げ部分とのコントラストを際立たせる「艶」
ヘアグリースがもたらす最大の魅力である、ウェットで艶やかな質感。この「艶」が、トップの長さを残した部分にしっかりとした存在感を与え、短く刈り上げたサイドやバックのマットな質感との美しいコントラストを生み出します。このメリハリこそが、フェードカットをよりシャープで、立体的に見せるのです。
美しい毛流れを作る「まとまり」
フェードスタイルでは、トップの髪を七三に分けたり、オールバックに流したりと、美しい毛流れを作ることが非常に重要です。グリースが持つ、髪を「面」として捉え、しなやかにまとめ上げる力は、この整然とした毛流れを作るのに最も適しています。
スタイルを一日中維持する「セット力」
短く刈り上げたサイドの髪が中途半端に伸びてきて浮いてしまったり、トップの毛流れが崩れてしまったりするのを、ハードなセット力で一日中しっかりとキープします。時間が経っても、清潔感のある美しいシルエットを維持することが可能です。
フェードスタイルに最適なグリースの選び方
フェードスタイルのセットを成功させるためには、グリース選びも重要なポイントです。刈り上げ部分との境界線をはっきりとさせ、トップのスタイルを崩さないためには、セット力の強い「ハードタイプ」以上のグリースを選ぶことが必須条件となります。その上で、よりクラシックでドレッシーな印象にしたい場合は艶の強いタイプを、少しカジュアルで現代的な印象にしたい場合は艶が控えめなタイプを選ぶなど、ご自身が与えたい印象で質感をコントロールしましょう。
【スタイル別】グリースを使ったフェードのセット方法
それでは、代表的なフェードスタイルを例に、具体的なセット方法を見ていきましょう。
セット方法1:サイドパート(七三分け)フェード
最も王道の、知的な印象を与えるスタイルです。まず、ドライヤーで分け目と毛流れの土台をしっかりと作ります。その後、グリースを髪全体に均一に馴染ませ、コーム(櫛)を使って、サイドはタイトに、トップは少しボリュームを残しながら、シャープな毛流れを整えていきます。
セット方法2:スリックバック(オールバック)フェード
全ての髪を潔く後ろに流す、男らしいスタイルです。ドライヤーの段階で、根元から全ての髪を後ろ方向へと徹底的に乾かし、クセ付けします。グリースを馴染ませた後、コームを使い、髪の表面を撫でつけるようにして、艶のある美しい面を作りながら後方へと流します。
フェードのセットを格上げするコームの活用術
フェードスタイルをグリースでセットする上で、ぜひ活用していただきたいのが「コーム」です。手ぐしだけでは作ることが難しい、精密な分け目のラインや、均一で乱れのない美しい毛流れは、コームを使うことで初めて実現できます。目の粗いコームで全体の大きな流れを作り、目の細かいコームで表面を整えるといったように、使い分けることで、さらに完成度の高いスタイルを目指せます。
究極のフェードスタイルを創るサロン専売グリース
美しいフェードスタイルを作るためには、強力なセット力と、精密なコームワークを可能にする滑らかな「操作性」という、相反するような性能の両立がスタイリング剤に求められます。サロンで私たちが使用するプロ仕様のグリースは、まさしくバーバースタイルやフェードカットのために開発されたと言っても過言ではないほど、これらの性能が極めて高いレベルで設計されています。
まとめ
フェードカットの持つ、清潔感と男らしさという魅力を最大限に引き出すためには、ヘアグリースが最高のパートナーとなります。「ドライヤーでのベース作り」と「コームの活用」というプロのテクニックをマスターすれば、ご自宅でも誰でも、サロンで仕上げたかのような美しいフェードスタイルを再現することが可能です。ぜひグリースを使いこなし、ワンランク上のスタイリングをお楽しみください。