ベタつかないグリースの選び方|サラッと仕上げるプロのテクニック
ヘアグリースがもたらす、濡れたような艶やかな仕上がり。その魅力に惹かれながらも、「髪や手がベタつくのが苦手で、使うのをためらってしまう」と感じている方は、決して少なくありません。スタイリング剤の不快なベタつきは、一日を通しての気分さえも左右してしまいます。
しかし、「グリース=ベタつく」というイメージは、もはや過去のものです。現代のヘアグリースは飛躍的な進化を遂げており、正しい製品を選び、使い方をマスターすれば、驚くほどサラッと快適なスタイリングが可能です。この記事では、グリースのベタつきを解消し、清潔感のあるスタイルを実現するための、プロの選び方と使い方について詳しく解説していきます。
「ベタつかない」は、グリース選びから始まる
まず、快適なスタイリングを実現するための最も簡単で効果的な方法は、購入する製品の選び方を意識することです。
軽やかなテクスチャーの製品を選ぶ
グリースと一言で言っても、そのテクスチャーは、重く粘度の高いものから、ホイップクリームやジェルのように軽やかで瑞々しいものまで様々です。ベタつきを避けたいのであれば、後者のような、手に取った時に軽やかさを感じる「ライトなテクスチャー」のグリースを選ぶことをお勧めします。
「水性(ウォーターベース)」は必須条件
伝統的な油性グリースは、その名の通り油分を主成分とするため、どうしてもベタつきが残りやすい性質があります。一方で、現在主流となっている「水性グリース」は、水をベースに作られているため、使用感が格段に軽く、不快なベタつきがほとんどありません。また、シャンプーで簡単に洗い流せるため、髪や頭皮に余分な成分が残留しにくいというメリットもあります。
プロが実践する、ベタつかないグリースの使い方
たとえ同じ製品を使ったとしても、その使い方一つで、ベタつきの度合いは大きく変わってきます。プロが実践する、サラッと仕上げるための付け方のコツをマスターしましょう。
ルール1:「適量」を厳守する
ベタつきの最も大きな原因は、単純な「つけすぎ」にあります。髪が処理しきれないほどの量を付けてしまえば、どんなに優れた製品でもベタついてしまいます。まずは「小豆一粒大」ほどの少量から始め、足りなければ少しずつ足していく、という使い方を徹底してください。
ルール2:手のひらで「完全に伸ばす」
これが、ベタつきを防ぐための最も重要なテクニックです。手に取ったグリースは、すぐに髪に付けるのではなく、両方の手のひらと指の間まで使い、体温で温めながら、白っぽい固形感がなくなる「透明なオイル状」になるまで、しっかりと擦り合わせましょう。このひと手間で、グリースは髪に薄く均一な膜として付着し、ベタつきの原因となる「塊」がなくなります。
ルール3:髪の「内側」から馴染ませる
髪の表面からベタっと付けてしまうと、その部分だけが重くなり、ベタつきの原因となります。髪の内側から手を入れて、全体に空気を含ませるように馴染ませてから、最後に表面を整えるという手順を守ることで、軽やかでサラッとした仕上がりになります。
なぜグリースはベタついてしまうのか?よくある原因
もし、これらの方法を試してもベタつきを感じる場合、その原因は他に隠されているかもしれません。例えば、時間が経ってからのベタつきは、頭皮から分泌された皮脂や汗とグリースが混ざり合うことで発生している可能性があります。その場合は、根元を避けてスタイリング剤を付ける、頭皮ケアを見直す、といった対策が有効です。
究極の「ベタつかなさ」を叶えるサロン専売品
「強力なセット力を持ちながら、全くベタつかない軽い使用感」。一見すると相反するような、この非常に難しい要求を、高い次元で両立させているのが、私たちプロが使用するサロン専売品です。スタイリストが毎日、何人ものお客様の髪に触れる上で、不快なベタつきは絶対に許されません。そのため、サロン専売品は、その操作性や使用感が徹底的に研究されており、市販品とは次元の違う「サラッとした」上質な仕上がりを実現できる製品が数多く存在します。
まとめ
ヘアグリースの不快な「ベタつき」は、「軽いテクスチャーの水性グリースを選び」「適量を、手のひらで完全に伸ばしてから付ける」という、二つの基本を実践すれば、誰でも簡単に解決することができます。「グリース=ベタつく」というこれまでのイメージを捨て、正しい知識と適切な製品選びで、快適で洗練されたグリーススタイリングをぜひお楽しみください。