【剛毛の男性へ】トリートメントで変わる。髪を柔らかく、扱いやすくする新習慣
「自分の髪は硬くてゴワゴワしている。これは生まれつきの髪質だから、もうどうしようもない」。そんな風に、滑らかな手触りやまとまりのあるヘアスタイルを諦めてしまってはいませんか。特に男性の場合、「トリートメント」というヘアケアは、まだあまり馴染みがないかもしれません。しかし、その力強い「剛毛」の悩みと真摯に向き合うとき、トリートメントは最も有効で、最も重要な鍵となるのです。この記事では、なぜ剛毛にこそトリートメントが必要なのか、その理由から具体的な方法まで、プロの理容師が詳しく解説してまいります。
なぜ「剛毛」にこそトリートメントが必要なのか
剛毛は、髪一本一本が太く、キューティクルがしっかりしているため、一見すると非常に丈夫な髪質に思えます。しかしその反面、髪が硬いために水分を弾きやすく、内部が乾燥しやすいという弱点を抱えています。髪の内部の水分が不足すると、髪はさらに硬くなり、ごわつきやパさつき、広がりの原因となります。トリートメントの最も重要な役割は、この乾燥した髪の内部に、水分や油分、そして栄養素を直接届け、内側から髪を潤すことにあります。さらに、髪の表面を滑らかにコーティングし、キューティクルを整えることで、手触りを柔らかくし、まとまりやすい状態へと導いてくれるのです。
剛毛のためのトリートメント選びのポイント
トリートメントと一言で申しましても、その種類は様々です。剛毛の髪質を改善するためには、特に「保湿」と「補修」に優れた成分が含まれている製品を選ぶことが重要となります。セラミドやヒアルロン酸、コラーゲンといった保湿成分は髪に潤いを与え、ケラチンなどの補修成分は髪のダメージを内側からケアしてくれます。また、アルガンオイルやシアバターといった植物由来のオイルは、髪をしなやかにし、表面を保護する効果が期待できます。そして、お風呂の中で使用する「インバストリートメント(洗い流すタイプ)」に加えて、タオルドライ後に使用する「アウトバストリートメント(洗い流さないタイプ)」を併用することを強くお勧めいたします。アウトバストリートメントは、ドライヤーの熱や日中の乾燥から髪を守る、いわば髪のための「日焼け止め」や「保湿クリーム」のような役割を果たします。
効果を最大化する正しいトリートメントの使い方
せっかくの良い製品も、使い方が正しくなければその効果を十分に発揮できません。インバストリートメントを使用する際は、シャンプー後に髪の水気を軽くてのひらで絞り、水が滴らない状態にしてから塗布してください。水分が多すぎると、トリートメント成分が薄まってしまいます。毛先など、特にダメージが気になる部分を中心に馴染ませ、すぐに洗い流さずに数分間置いて浸透させるのがコツです。アウトバストリートメントは、タオルで優しく髪を押さえるように拭いた後、手のひらに適量を伸ばし、毛先から中間にかけて揉み込むように馴染ませましょう。
市販品とサロントリートメントの決定的な違い
ご自宅での日々のケアは非常に大切ですが、より根本的な髪質の改善を目指すのであれば、サロンでの専門的なトリートメントが有効です。市販の製品が主に髪の表面的な手触りを良くすることに焦点を当てているのに対し、サロントリートメントは、プロがお客様の髪質やダメージレベルを正確に診断し、髪の内部構造にまで働きかける多種多様な栄養素を、適切な順番で浸透させていきます。その効果は、一度の施術でもはっきりと体感でき、持続性も高いのが特徴です。
最高のヘアケアは、あなたの髪質を知ることから
最終的に、お客様にとって最高のトリートメントとは、ご自身の髪質に完璧に合致したものです。世の中に良い製品は数多くございますが、それがお客様にとって最良であるとは限りません。私たち誠実な理容師は、お客様の髪の状態を専門的な視点から的確に診断し、数ある選択肢の中から、最適なホームケアの方法と、サロンでしかできない本格的なケアプランをご提案する、髪の専門家です。その硬い髪は、正しい潤いを与えることで、必ずや、しなやかで扱いやすい、健康的な髪へと生まれ変わります。諦めてしまう前に、ぜひ一度、私たちにご相談ください。