【剛毛の男性へ】その寝癖直しの常識、間違っているかも?朝が変わる正しいリセット術
毎朝、鏡の前で繰り広げられる、頑固な寝癖との不毛な戦い。特に髪が硬くしっかりとした「剛毛」の髪質をお持ちの方は、一度ついた寝癖がまるで形状記憶されたかのように元に戻らず、時間だけが過ぎていき、結局は諦めて家を出る…というご経験をされているのではないでしょうか。しかし、その毎朝の戦いは、正しい知識を身につけることで、驚くほどあっけなく終止符を打つことができます。この記事では、多くの方が陥りがちな間違った寝癖直しの方法を正し、明日からの朝を劇的に変えるための「正しいリセット術」を、プロの理容師が徹底的に解説いたします。
なぜ剛毛の寝癖は、水だけでは直らないのか
朝、急いでいる時に、跳ねている毛先だけを水で濡らしてドライヤーを当ててみる。これは、ほとんどの方が一度は試したことのある方法かと存じます。しかし、剛毛の方の場合、これではほとんど効果がないことを実感されているはずです。その理由は、寝癖の本当の原因が「毛先」にあるのではなく、「髪の根元」にあるからです。髪の形状は、濡れた状態から乾く瞬間に固定される「水素結合」という働きによって決まります。つまり、寝癖の正体とは、睡眠中に枕などで押し付けられたことによる「髪の根元の折れ曲がり」なのです。毛先だけを濡らしても、その大元である根元の折れ曲がりは直っていないため、乾かせばまた同じ方向へと髪が戻ってしまうのです。
これが正解。頑固な寝癖をリセットする朝の完璧な手順
頑固な寝癖をリセットするための唯一の方法は、原因となっている「根元の水素結合を一度リセットする」ことです。そのための最も効果的で、正しい手順をご紹介いたします。
ステップ1:寝癖の「根元」を狙い撃つ
まず、ご家庭にある霧吹き(スプレーボトル)をご用意ください。そして、跳ねている毛先を濡らすのではなく、その寝癖の根元、つまり「地肌(頭皮)」をめがけて、地肌までしっかりと濡れるように水分を与えます。髪の表面が濡れているだけでは不十分です。「根元を濡らす」という意識が、成功への最大の鍵となります。
ステップ2:ドライヤーで形を再設定する
根元が十分に濡れたら、ドライヤーを使って乾かしていきます。この時、ただ乾かすのではなく、濡らした部分の根元を、指の腹で左右に優しくこするようにしながら温風を当ててください。この動作により、折れ曲がって固まっていた根元のクセがほぐれ、まっすぐな状態にリセットされます。
ステップ3:全体の毛流れを整えて仕上げる
根元のクセが取れたことを確認したら、手ぐしやブラシで全体の毛流れを整え、最後に髪の表面に上から下へと風を当てるようにして完全に乾かします。こうすることでキューティクルが整い、ツヤのある落ち着いた仕上がりになります。
そもそも寝癖をつけないための夜の予防策
毎朝の寝癖直しをさらに楽にするためには、夜のケアが重要です。頑固な寝癖の最大の原因は「生乾き」の状態です。お風呂上がりには、髪の根元から毛先まで、必ず完全に乾かしきってからお休みになる習慣をつけましょう。それだけで、翌朝の髪の状態は大きく変わります。
毎朝の寝癖直しを根本から楽にする「カット」という解決策
日々の正しいケアも大切ですが、その悩みを根本から解消するためには、「寝癖がつきにくい髪型」にしてしまうのが最も賢明な選択です。例えば、潔く短くするベリーショートや、膨らみやすいサイドを刈り上げるツーブロックスタイルは、寝癖の悩みから解放してくれます。また、あえてパーマをかけて、寝癖さえもデザインの一部として活かしてしまうという方法もございます。私たち誠実な理容師は、お客様の髪の生えグセや骨格を正確に計算し、毎朝のスタイリングが少しでも楽になるようにデザインを施す、ヘアスタイルの専門家です。その毎朝の戦いに、プロの技術という終止符を打ちませんか。ぜひ一度、お気軽にご相談ください。