2025.08.13

【剛毛で毛量が多い男性へ】その悩み、才能です。ボリュームを味方につける髪型の法則

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硬く、そして、どこまでも多い。ドライヤーで髪を乾かすのに時間がかかり、夏場は特に頭が蒸れて暑くて仕方がない。そして何よりも、抑えきれないほどのボリュームで髪が膨らみ、ヘアスタイルが全く決まらない。ご自身の「剛毛」で「毛量が多い」という髪質を前に、ほとほと手を焼いてはいませんか。その手に負えないほどの圧倒的なボリュームを、どうすることもできない悩みの種だと感じているかもしれません。しかし、私たちプロの視点から見れば、その恵まれた髪質は、揺るぎない個性とスタイルを創り出す、最高の「才能」なのです。

Contents

なぜ「剛毛で毛量が多い」髪は、これほどまでに悩ましいのか
「ただ梳くだけ」のカットが、悩みを悪化させるという事実
ボリュームを芸術的にコントロールするヘアカット術
日々の扱いを楽にする、スタイリングとヘアケア
その才能、最高のデザイナーに預けてみませんか

なぜ「剛毛で毛量が多い」髪は、これほどまでに悩ましいのか

お客様が日々のスタイリングで感じる困難は、二つの大きな力が掛け合わさることで生まれています。一つは、髪一本一本が持つ、硬くてしっかりとした「剛毛」ならではの強い反発力。そしてもう一つが、髪の本数そのものがもたらす、文字通りの「毛量の多さ」です。この二つの力が合わさることで、まるで内側から爆発するかのような、コントロールの難しい圧倒的なボリュームが生み出されているのです。また、その髪の重さと厚みによって、ヘアスタイルに動きが出にくく、野暮ったい印象になってしまうのも、この髪質特有のお悩みと言えるでしょう。

「ただ梳くだけ」のカットが、悩みを悪化させるという事実

ボリュームを抑えたい一心で、ヘアサロンで「とにかく量を減らしてください」とオーダーした結果、かえって髪がまとまらなくなってしまった、という苦いご経験はございませんか。それは、髪の特性を理解しないまま、梳きバサミで無計画に毛量を減らしてしまったことが原因かもしれません。特に、髪の内側や根元付近からむやみに梳いてしまうと、残った短い毛が支えとなり、表面の長い毛を押し上げてしまいます。これにより、パサつきが目立ち、以前にも増して髪が膨らんでしまうという、最悪の結果を招くことさえあるのです。

ボリュームを芸術的にコントロールするヘアカット術

この難易度の高い髪質を、魅力的なヘアスタイルへと昇華させるためには、緻密に計算されたプロのカット技術が不可欠です。その代表的な手法が、「ツーブロック」や「フェードカット」です。ボリュームの根源であるサイドと襟足の部分を、デザインとして美しく刈り上げることで、全体のシルエットを劇的に、そしてスマートに改善します。また、髪の表面に長短の段差をつける「レイヤーカット」は、髪の重さを取り除きながら、硬い髪に自然な動きと軽やかさを与えるのに非常に有効な技術です。プロが行う毛量調整は、ただ量を減らすのではなく、お客様の骨格に合わせて、どこに重さを残し、どこを軽くすべきかをミリ単位で判断する、まさにデザイン行為なのです。

日々の扱いを楽にする、スタイリングとヘアケア

日々のケアやスタイリングも、ボリュームをコントロールする上で重要な要素です。スタイリングの際は、剛毛の力強い髪をしっかりと抑え込み、ツヤとまとまりを与えてくれる、グリースやジェル、ポマードといったスタイリング剤が最適です。髪の内側からしっかりと馴染ませ、ボリュームの発生源を根本から抑えるのが、美しいスタイルを一日中キープする秘訣です。また、日々のヘアケアにおいては、髪の乾燥がさらなる広がりを招くため、「保湿」を最も重視してください。しっとり系のシャンプーやトリートメントを選び、お風呂上がりには必ず洗い流さないトリートメントで髪を保護する習慣をつけましょう。

その才能、最高のデザイナーに預けてみませんか

「剛毛で毛量が多い」という髪質は、いわば、彫刻家にとっての、大きく、そして質の良い極上の「原石」のようなものです。経験のない者が扱えば、それはただの重たい岩の塊に過ぎません。しかし、優れたデザイナー（理容師）の手にかかれば、その原石は、力強く、そして美しい、唯一無二の芸術作品へと生まれ変わるのです。私たち誠実な理容師は、お客様の骨格と髪質という名の原石を、最高の技術で彫り上げ、その方にしか似合わない、最高のスタイルを創造するデザイナーでありたいと願っています。

その恵まれた才能を、無計画なカットで台無しにしてしまう前に。ぜひ一度、私たちプロフェッショナルと共に、揺るぎない自信とスタイルへと昇華させてみませんか。

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