【剛毛で毛量が多い男性へ】シャンプーを変えれば、髪はもっと扱いやすくなる。プロが教える選び方の新常識
硬く、多く、そして分厚い。シャンプーをするだけでも一苦労で、しっかりと洗えているのか、すすぎ残しはないかと、常に不安がつきまとう。そして、苦労して乾かした後の、あの爆発的なボリュームに、毎日のように頭を悩ませてはいませんか。ご自身の「剛毛」で「毛量が多い」という髪質を、もはやコントロール不能な存在だと諦めてしまうのは、まだ早計です。その悩みの多くが、実は、お客様が毎日使っている「シャンプー」を見直すことで、大きく改善される可能性があるのです。この記事では、プロの理容師の視点から、その力強い髪をしなやかに、そして扱いやすくするための、シャンプー選びの新常識について詳しく解説してまいります。
なぜ「剛毛で毛量が多い」髪は、シャンプーが合わないと悲惨なことになるのか
剛毛で毛量が多い髪質の方が、ご自身に合わないシャンプーを使い続けることには、いくつかの深刻なリスクが伴います。まず、剛毛は元来、乾燥しやすく、乾燥すると一本一本が膨張して広がる性質を持っています。毛量が多ければ多いほど、その広がりは手に負えないほどのボリュームとなって現れます。洗浄力の強すぎるシャンプーは、この乾燥をさらに助長し、ごわつきと広がりを悪化させる悪循環を生み出してしまうのです。また、髪が密集していることで頭皮が蒸れやすく、皮脂や汚れが残りやすい状態にあります。シャンプーが合っていないと、この頭皮環境が悪化し、フケやかゆみ、べたつきといった、新たな悩みの原因となることも少なくありません。
ボリュームを抑えるシャンプー選び、3つの鉄則
それでは、その力強い髪を、しなやかにまとまる髪へと導くためには、どのような基準でシャンプーを選べば良いのでしょうか。ぜひ、以下の三つの鉄則を覚えておいてください。
鉄則1:「優しく洗う」が絶対条件。アミノ酸系洗浄成分を選ぶ
まず最も重要なのが、シャンプーの基本性能である洗浄成分です。髪と頭皮の潤いを守りながら、余分な皮脂や汚れをマイルドに洗い上げる「アミノ酸系」の洗浄成分が、ボリュームダウンを目指す上での絶対条件となります。
鉄則2:「潤いを与える」保湿・柔軟成分で髪をしなやかに
髪の内部に水分を補給し、硬い髪を柔らかくする成分に注目しましょう。セラミドやヒアルロン酸といった高保湿成分や、シアバター、アルガンオイルといった植物性のオイルは、髪にしっとりとした潤いとしなやかさを与え、まとまりやすい状態へと導いてくれます。
鉄則3:「まとまりを与える」補修成分で髪の芯を強く
日々のダメージも、髪の広がりやごわつきの一因です。髪の主成分であるケラチン(加水分解ケラチンなど)が配合された製品は、髪の内部を補修し、芯から強くすることで、髪全体のまとまり感を向上させる効果が期待できます。
毛量が多くても大丈夫。頭皮まで届く、正しいシャンプー術
最高のシャンプーを選んだとしても、その洗い方が間違っていては意味がありません。特に毛量の多い方は、以下の手順を意識してください。まず、シャンプー前にお湯だけで2〜3分かけて、指で髪をかき分けながら、頭皮までしっかりとすすぐ「予洗い」を念入りに行います。シャンプーは、手のひらでよく泡立ててから、頭皮をマッサージするように優しく洗いましょう。そして、最も重要なのが「すすぎ」です。すすぎ残しは、毛量が多い方にとって最大のリスクです。シャンプーにかかった時間の3倍以上を目安に、髪の内側や襟足、生え際まで、完璧に洗い流すことを心がけてください。
シャンプー後のケアが、翌朝のボリュームを決める
シャンプーで潤いを補給した後は、その潤いを逃さないためのケアが不可欠です。必ずトリートメントで髪のキューティクルを整え、お風呂上がりには、洗い流さないトリートメントで髪を保護してから、ドライヤーで根元から完全に乾かしましょう。特に、膨らみが気になるサイドの部分は、上から風を当てて、手のひらで押さえつけながら乾かすことで、物理的にボリュームダウンさせることができます。
最高のシャンプーは、最高の「カット」と共に
どんなに優れたシャンプーを使っても、コントロールしきれないほどの物理的な毛量が存在していては、その効果にも限界がございます。お客様の骨格と髪質を見極め、デザインを損なうことなく、しかし確実にボリュームをコントロールする「毛量調整カット」こそが、プロの理容師にしかできない、最も根本的な解決策です。私たち誠実な理容師は、お客様に最適なシャンプーをご提案できるだけでなく、そのシャンプーの効果が最大限に発揮されるヘアスタイルの土台を創り出す、髪の専門家です。その手に負えないほどの髪の悩み、ぜひ一度、私たちにご相談ください。