【剛毛で前髪が浮く男性へ】もう悩まない。プロが教える、根元から抑える最終手段
毎朝、鏡の前で必死にドライヤーやスタイリング剤で押さえつけても、まるで重力に逆らうかのように、根元から力強く浮き上がってくる前髪。その頑固な浮きグセに、ほとほと嫌気がさしてはいませんか。顔の印象を大きく左右する重要なパーツだからこそ、前髪が一日中、気になって仕方がない。そんな「剛毛」の髪質を持つ男性特有の深刻なお悩みは、実は、髪質のせいだけではなく、日々の「乾かし方」と「ヘアカット」に大きな原因が隠されているのかもしれません。この記事では、その悩みに終止符を打つための、プロが実践する最終手段を詳しく解説いたします。
なぜ、あなたの前髪は頑固に浮き上がってしまうのか
剛毛の前髪が浮いてしまう現象の根本的な原因は、毛先のハネではなく、髪の「根元」にあります。髪が生えてくる方向は、頭皮の下にある毛根の向き、つまり「生えグセ」によって生まれつき決まっています。剛毛の髪は、一本一本に非常に強いハリとコシがあるため、この生えグセの力を何倍にも増幅させ、根元から髪を力強く押し上げてしまうのです。これが、軟毛の方よりも浮きが強く、一度浮いてしまうと、なかなか元に戻らない頑固なクセの正体です。
これがプロの常識。浮く前髪を抑える「ドライヤー術」の全て
この頑固な浮きグセをリセットし、前髪を意のままにコントロールするためには、ドライヤーのかけ方が全てを決めると言っても過言ではございません。明日からの朝、ぜひこの手順を試してみてください。
準備:まず「根元」を完璧に濡らすこと
最も重要な工程が、この準備です。霧吹き(スプレーボトル)を使い、浮いている前髪の毛先ではなく、その根元、つまり「地肌(頭皮)」を狙って、地肌までしっかりと濡れるように水分を与えてください。これが、頑固なクセをリセットするための絶対条件です。
手順1:「生えグセを破壊する」左右への揺さぶり
根元が十分に濡れたら、浮いている部分の根元に指の腹を当て、左右に小刻みに揺さぶりながら、ドライヤーの温風を当てます。地肌をこするようにして、あらゆる方向から風を送ることで、一方向に固まっていた生えグセがリセットされ、髪が素直な状態に戻ります。
手順2:「上からの力で押さえつける」
根元のクセがある程度ニュートラルな状態に戻ったら、今度はドライヤーの風を、必ず「上から下へ」と当てながら、もう片方の手のひらや指で、前髪の根元を頭皮にピタッと押さえつけるようにして乾かしてください。この「潰す」作業が、物理的に浮きを抑え込みます。
手順3:「冷風で形状を完全ロック」
前髪が完全に乾いたら、仕上げにドライヤーの冷風を根元に数秒間当てます。これにより、キューティクルが引き締まり、抑え込んだ形が髪に記憶され、一日中浮きにくい、安定した状態をキープすることができます。
「浮かない前髪」は、カット技術で創り出す
日々の正しいスタイリングは非常に効果的ですが、その悩みを根本から解決し、毎朝のスタイリングそのものを楽にするためには、「そもそも浮きにくいようにカットする」ことが最も重要です。例えば、前髪の表面にあえて少し長さを残し、その「重さ」で内側の浮きやすい髪を押さえつけるようにデザインしたり、浮きの原因となる部分の毛量を、根元が立ち上がらないように計算して、緻密に調整したりします。また、どうしても言うことを聞かない頑固な浮きグセには、根元だけを抑える部分的なパーマ(ダウンパーマ)を施すという、積極的な解決策もございます。
前髪は、理容師の腕が最も試される場所です
前髪は、お客様一人ひとりの生えグセ、骨格、そしてミリ単位の長さ設定が、お顔全体の印象を決定づける、最も繊細で重要なパーツです。私たち誠実な理容師は、お客様が毎朝のスタイリングで悩む時間を少しでも減らし、その方自身の魅力が最大限に引き出されるように、持てる全ての知識と技術を、この前髪のデザインに注ぎ込んでいます。その頑固な浮きグセは、もう仕方のないことではございません。ぜひ一度、私たち髪の専門家にご相談ください。