【剛毛で広がる髪へ】毎日のヘアケアで変わる。プロが教える究極のまとまり術
硬くて多く、少しでも湿気を感じると、まるでライオンのたてがみのように広がってしまう。そんな「剛毛」特有の悩みを、ご自身の髪質のせいだと諦めてしまってはいませんか。確かに、剛毛には広がりやすいという性質がございます。しかし、その広がりは、お客様が毎日行っている「ヘアケア」の習慣を見直すことで、驚くほど改善することが可能です。この記事では、広がる剛毛を、しなやかでまとまりのある髪へと導くための、プロの理容師が実践する究極のヘアケア術を、一日の流れに沿って詳しく解説してまいります。
なぜ剛毛は広がるのか?全てのヘアケアは原因理解から
効果的なヘアケアを行うためには、まずその原因を正しく理解することが不可欠です。剛毛が広がる主な原因は、髪の「乾燥」と、髪一本一本が持つ強い「反発力」にあります。剛毛は、髪の内部に水分を保持しにくく、乾燥しやすいという特徴を持っています。乾燥した髪は、空気中の水分を吸収して膨張し、これが広がりの直接的な原因となります。また、髪自体が持つハリの強さが、スタイルを外側へと押し広げてしまうのです。したがって、私たちのヘアケアの目的は、髪に十分な潤いを与えて乾燥を防ぎ、しなやかにすること。そして、キューティクルを整えて湿気の影響を受けにくくすることにあります。
【バスタイム編】潤いを守り、与えるための洗髪術
一日のヘアケアの基本となるのが、バスタイムでの洗髪です。まず、シャンプーは、洗浄力がマイルドで、髪に必要な潤いを守りながら洗える「アミノ酸系」の製品をお選びください。そして、髪を洗う前には、お湯だけで地肌と髪を十分にすすぐ「予洗い」を必ず行いましょう。シャンプーは手のひらでよく泡立て、指の腹で頭皮を優しくマッサージするように洗います。髪をゴシゴシと擦り合わせるのは、ダメージと広がりの原因となるため厳禁です。シャンプーを丁寧に洗い流した後は、保湿・補修効果の高いトリートメントを、毛先を中心に馴染ませ、数分間置いてからすすぐことで、髪の内部に栄養をしっかりと届けます。
【ドライヤー編】まとまりを記憶させる正しい髪の乾かし方
お風呂上がりのドライヤーの工程は、翌朝の髪のまとまりを左右する最も重要な時間です。まず、タオルで髪を拭く際は、決して擦らず、頭皮と髪を優しく押さえるようにして、できるだけ水分を吸い取ってください。次に、ドライヤーの熱から髪を守り、まとまりを良くするために、「洗い流さないトリートメント」を髪全体に馴染ませます。髪を乾かす際は、必ず根元から乾かし始め、最も広がりが気になるサイドの部分は、ドライヤーの風を上から下に当てながら、手のひらでボリュームを潰すようにして乾かすのがポイントです。最後に、髪全体に冷風を当てることでキューティクルが引き締まり、まとまりとツヤが生まれます。
【日中ケア編】美髪を一日中キープする習慣
日中のケアも、広がりを防ぐためには重要です。スタイリングの際は、髪に潤いと適度な重さを与えてくれる、グリースやオイル、ヘアクリームといったスタイリング剤が、剛毛の広がりを抑えるのに適しています。また、髪も肌と同じように紫外線を浴びることで乾燥し、ダメージを受けます。日差しの強い日には、帽子を被ったり、髪用のUVカットスプレーを使用したりすることも、長い目で見れば広がりにくい髪質を育てることに繋がります。
最高のヘアケアは、あなたに合った「ヘアカット」から始まる
これまで、ご自宅で実践できる様々なヘアケア方法をご紹介いたしましたが、これらの効果を最大限に引き出し、そして日々のケアそのものを楽にするための、全ての土台となるのが「ヘアカット」です。お客様一人ひとりの骨格や髪の生えグセ、そして広がりやすい部分を正確に見極め、髪が自然に内側に収まるように緻密に計算してカットを施すこと。これこそが、プロの理容師にしかできない、最も根本的な問題解決の方法です。私たち誠実な理容師は、お客様がご自宅に帰られた後も、簡単にまとまりのあるスタイルを再現できるようなカットを常に追求しています。その尽きることのない髪の広がりのお悩み、ぜひ一度、私たち専門家にご相談ください。