【剛毛とフケにお悩みの男性へ】シャンプー選びが鍵。健やかな頭皮を取り戻す方法
しっかりとしたハリのある「剛毛」は、男らしく、頼もしい印象を与えてくれる素晴らしい髪質です。しかしその一方で、肩や襟足に落ちる「フケ」が気になり、お気に入りの濃い色の洋服を心から楽しめない、といったデリケートなお悩みを抱えてはいませんか。その尽きることのないフケの問題、実は、お客様の髪質と、毎日お使いになっているシャンプーに、深い関係が隠されているのかもしれません。この記事では、剛毛とフケの関係性を紐解き、健やかな頭皮環境を取り戻すための、正しいシャンプー選びとヘアケアについて、プロの理容師が詳しく解説してまいります。
「剛毛」と「フケ」、その意外な関係性とは
まず、多くの方が疑問に思われる点についてお答えいたします。「剛毛だからフケが出やすい」という、直接的な因果関係はございません。しかし、剛毛の髪質が持つ特性が、間接的にフケを発生させやすい「頭皮環境」を招いてしまう可能性はございます。剛毛の方は、髪一本一本が太く、頭髪全体が密集しているため、頭皮が蒸れやすく、汗や皮脂が溜まりやすい傾向にあります。このような高温多湿な環境は、フケの原因となる菌が繁殖しやすくなるため、結果としてフケの問題に繋がりやすくなるのです。
あなたのフケはどのタイプ?原因を知るためのセルフチェック
効果的なシャンプーを選ぶためには、まずご自身のフケがどのタイプであるかを知ることが重要です。フケには、大きく分けて二つのタイプがございます。一つは、頭皮の乾燥によって起こる、パラパラとした白く細かい「乾燥性フケ」。もう一つは、皮脂の過剰な分泌が原因で起こる、ベタっとして少し黄色みがかった「脂性フケ」です。前述の通り、剛毛の方は頭皮が蒸れやすいため「脂性フケ」に傾きやすい傾向にありますが、洗浄力の強すぎるシャンプーの使いすぎで、逆に頭皮が乾燥し、「乾燥性フケ」を引き起こしているケースも少なくありません。
フケのタイプ別、正しいシャンプーの選び方
ご自身のフケのタイプに合わせて、シャンプーの成分に注目してみましょう。
乾燥性フケの場合
頭皮の潤いを守りながら、優しく洗い上げることが最優先です。洗浄成分がマイルドな「アミノ酸系」のシャンプーを基本とし、「セラミド」や「ヒアルロン酸」といった、高い保湿効果を持つ成分が配合された製品をお選びください。
脂性フケの場合
頭皮を清潔に保ち、菌の繁殖を抑えることが重要です。適度な洗浄力を持ちつつ、「ピロクトンオラミン」や「グリチルリチン酸ジカリウム」といった、フケやかゆみを防ぐ有効成分が配合された、薬用のスカルプシャンプーが有効です。ただし、皮脂を取りすぎると、かえって過剰な分泌を招くこともあるため、洗浄力が強すぎる製品の多用には注意が必要です。
フケを改善に導く、プロが実践するシャンプー術
正しいシャンプーを選んだら、次はその洗い方です。まず、シャンプー前にお湯だけで頭皮と髪を十分にすすぐ「予洗い」を徹底してください。シャンプーは手のひらでよく泡立て、決して爪を立てずに、指の腹で頭皮を丁寧にマッサージするように洗います。そして、最も重要なのが「すすぎ」です。シャンプー剤のすすぎ残しは、フケやかゆみを引き起こす最大の原因の一つです。髪の生え際や耳の後ろなど、洗い残しがちな部分まで、シャワーで時間をかけて、ぬめり感が完全になくなるまで、完璧に洗い流すことを心がけましょう。
本当の原因解決は、プロの頭皮診断から
これまでシャンプーによるケア方法をご紹介してまいりましたが、フケの原因は、食生活やストレス、ホルモンバランスなど、非常に多岐にわたります。ご自身の判断でケアを続けても、もしフケのタイプの見立てが間違っていれば、症状は一向に改善しないばかりか、悪化してしまう可能性さえございます。私たち誠実な理容師は、お客様の頭皮の状態を、マイクロスコープなどを用いて直接、そして詳細に確認し、フケのタイプや原因を正確に診断できる「頭皮の専門家」です。その診断に基づき、お客様に本当に合ったシャンプー選びのお手伝いや、サロンでしかできないヘッドスパなどの頭皮改善メニューをご提案することが可能です。一人で悩まず、ぜひ一度、そのお悩みを私たちにご相談ください。