【剛毛の男性へ】その髪の悩み、ブラシ一本で変わる。プロが教える、正しい選び方と使い方
ヘアブラシは、髪の長い女性が使うためのもの。男性は、手ぐしでさっと整えるだけで十分。もし、お客様がそのようにお考えだとしたら、ご自身の髪が持つ、本来のポテンシャルの半分も引き出せていないのかもしれません。実は、硬く、多く、そして、まとまりにくい「剛毛」の髪質を持つ男性にこそ、ご自身の髪質に合った一本の「ヘアブラシ」を正しく選んでいただくことが、日々のヘアケアとスタイリングを、かつてないほど快適で、質の高いものへと劇的に変える、最も重要な鍵となるのです。
なぜ今、剛毛の男性にこそ「ヘアブラシ」が必要なのか
手ぐしだけでは決して得られない、ヘアブラシがもたらす素晴らしいメリットが三つございます。一つ目は、髪に「圧倒的なまとまり」が生まれることです。手ぐしでは届かない、髪の内部の細かな絡まりを、ブラシは優しく、そして確実に解きほぐしてくれます。これにより、スタイル全体の収まりが良くなり、剛毛特有の広がりを抑制することができます。二つ目は、髪本来の「自然なツヤ」を引き出してくれることです。ブラッシングによって、髪の根元にある健康な皮脂が毛先まで均一に行き渡り、まるで天然のトリートメントのように、パサつきがちな剛毛に、品のある美しいツヤを与えてくれます。そして三つ目は、「健やかな頭皮環境」を育むことです。ブラシの毛先が頭皮に心地よい刺激を与え、血行を促進します。これは、健康な髪を育てるための、非常に重要な土台作りとなります。
剛毛を制する、ヘアブラシの正しい選び方
その効果を最大限に享受するためには、ご自身の目的と髪質に合ったブラシを選ぶことが不可欠です。
デンマンブラシ
主に、ドライヤーで髪を乾かしながらスタイリング(ブロー)をする際に使用するブラシです。髪にしっかりとテンション(張り)をかけやすいため、剛毛の強い髪を根元から立ち上げたり、美しい毛流れを創り出したりするのに最適です。
クッションブラシ
ブラシの面にクッション性があり、頭皮への当たりが柔らかいのが特徴です。その優しい使い心地から、シャンプー前の乾いた髪をとかして、ホコリや汚れを浮かせたり、日常的な髪のもつれを解いたりするのに適しています。頭皮マッサージ効果も高く、リラックスタイムにもおすすめです。
猪毛・豚毛などの天然毛ブラシ
髪のキューティクルを整え、美しいツヤを出す効果が最も高いのが、この天然毛のブラシです。静電気が起きにくいという大きなメリットもあり、スタイリングの仕上げに、髪の表面を優しく撫でるようにブラッシングするだけで、見違えるような輝きが生まれます。
効果を120%引き出す、プロが教える正しいブラッシング術
最高のブラシを手に入れても、その使い方が間違っていては、かえって髪を傷めてしまうこともございます。プロが実践する、正しいブラッシングの基本は、まず、絡まりやすい「毛先」から優しくとかし始めることです。毛先の絡まりが取れたら、次に髪の「中間」、そして最後に「根元」から毛先へと、ブラシを滑らせます。いきなり根元から力任せにとかしてしまうと、切れ毛や枝毛の最大の原因となるため、絶対に避けてください。また、髪が濡れている状態での過度なブラッシングは、キューティクルを傷つけやすいため、基本的には乾いた髪、あるいはブロー時に使用するのが理想的です。
全てのブラッシングは、最高の「カット」のために
どんなに優れたブラシを、正しい方法でお使いいただいたとしても、その土台となるヘアカットがお客様の髪質に合っていなければ、その効果は半減してしまいます。ブラシがスムーズに、そして心地よく髪を通り抜け、ブラッシングだけで美しい毛流れが生まれるように、髪の重さや量を的確にコントロールし、質感を整えること。この「ブラッシングしやすい髪の土台」を創り出すことこそが、私たちプロの理容師がご提供できる、最も価値ある技術なのです。
ヘアブラシは、お客様の剛毛の悩みを解決し、日々のヘアケアを、より楽しく、より豊かなものにするための、強力なパートナーです。そのパートナーを最大限に活かすための完璧なヘアスタイルを手に入れるために、ぜひ一度、私たち髪の専門家にご相談ください。