【剛毛の男性へ】ブリーチを諦める前に。ダメージを制し、理想の色を手に入れる全知識
透明感のあるハイトーンカラーや、個性を主張する鮮やかなデザインカラー。そんな自由なヘアスタイルに心惹かれつつも、ご自身の硬く、しっかりとした「剛毛」の髪質を前に、「ブリーチなんてしたら、髪が取り返しのつかないことになるだろう」と、その一歩を踏み出せずにいるのではないでしょうか。確かに、剛毛の髪へのブリーチは、いくつかの注意すべき点があり、専門的な知識と技術が不可欠です。しかし、それらを正しく理解し、信頼できるプロの手に委ねれば、その力強い髪質を活かした、誰よりも美しく、存在感のあるハイトーンカラーを実現することが可能なのです。
「剛毛」と「ブリーチ」、その相性の真実
まず、剛毛の髪質がブリーチとどのような相性を持つのか、そのメリットとデメリットの両側面から、誠実にお話しいたします。メリットとして、剛毛は髪の芯がしっかりしているため、適切な施術を行えば、ブリーチ後も髪の体力が比較的残りやすく、美しいハイトーンを支えるための、しっかりとした土台となり得ます。その一方で、デメリットとしては、剛毛は髪が太く、内部のメラニン色素が多いため、軟毛の方に比べて色が抜けにくいという特性があります。特に、日本人特有の赤みが強く残りやすく、一度のブリーチでは、オレンジ色や黄色っぽい、いわゆる「ヤンキー色」になりやすいのです。また、一度ダメージを受けると、元々の硬さと相まって、極度のごわつきやパサつきを感じやすくなるというリスクもございます。
失敗を回避する、ブリーチ前の「カウンセリング」という最重要工程
この難しい施術を成功に導くために、最も重要となるのが、施術前の理容師との「カウンセリング」です。まず、お客様がなりたいと願う、理想のヘアカラーのイメージを、写真などをいくつかお見せいただきながら、私たちと共有してください。その上で、私たちプロが、お客様の現在の髪の状態や、過去のカラー履歴を正確に診断し、その理想の色に到達するために、ブリーチが何回必要なのか、どのくらいの時間がかかるのか、そして、それに伴うダメージのリスクはどの程度なのかを、正直にお伝えいたします。髪の状態によっては、お客様の髪の健康を第一に考え、ブリーチ自体をお勧めしない場合もございます。この事前の綿密なすり合わせこそが、失敗を回避するための絶対条件なのです。
美しいハイトーンを維持するための、ブリーチ後の絶対的ヘアケア
無事に理想のハイトーンを手に入れた後、その美しさを一日でも長く維持するためには、ご自宅でのヘアケアが何よりも重要となります。ブリーチ後の髪は、非常にデリケートで、色が抜けやすく、そして乾燥しやすい状態にあります。シャンプーは、洗浄力がマイルドなカラーケア専用のものをお選びください。特に、ブリーチ後の黄ばみを抑えてくれる紫シャンプー(通称ムラシャン)の使用は、美しい色味を保つ上で非常に効果的です。そして、毎日のトリートメントによる「徹底的な保湿」は、もはや義務とお考えください。インバストリートメントとアウトバストリートメントの両方を駆使し、髪に潤いと栄養を絶えず補給し続けることが、ごわつきやパサつきを防ぎ、美しい髪質を維持するための鍵となります。
なぜ、剛毛のブリーチは専門家に任せるべきなのか
これまで述べてきたように、剛毛へのブリーチは、非常に繊細な判断と、高度な技術が求められる施術です。髪質を正確に見極め、無数にある薬剤の中から最適なものを選定し、塗布する順番や放置時間を秒単位でコントロールする技術。ダメージを最小限に抑えるためのケア剤に関する深い知識。そして、ブリーチ後に残った赤みや黄ばみを、専門的な色彩学の知識(カラー理論)を駆使して打ち消し、透明感のある美しい色を創り出す感性。これら全ては、厳しいトレーニングを積んだ、プロの理容師だけが持つ専門技術なのです。
剛毛という、その力強く、しっかりとした髪質は、最高の技術と知識に出会うことで、誰よりも美しい色を描き出すことができる、素晴らしいキャンバスです。その可能性を、諦めてしまう前に、ぜひ一度、私たち髪の専門家にご相談ください。