外国人風フェードスタイルを徹底解説。日本人が本場の雰囲気を手に入れるオーダー術
映画のスクリーンやSNSで目にする、外国人たちのクールで洗練されたヘアスタイル。その多くが、サイドとバックを精密に刈り上げた「フェードスタイル」をベースにしています。
「なぜ、外国人のフェードスタイルはあんなにもかっこいいのだろう?」
「あのシャープで、こなれた雰囲気を、日本人の自分が再現することは可能なのか?」
多くの男性が抱くであろう、そんな憧れと疑問。結論から言えば、ポイントさえ押さえれば、あの本場の雰囲気をあなたのものにすることは十分に可能です。
この記事では、外国人風フェードのかっこよさの秘密を徹底的に解剖し、それを日本人が手に入れるための具体的なオーダー術まで、詳しく解説していきます。
なぜ外国人のフェードスタイルはかっこいいのか?3つの秘密
彼らのスタイルが放つ、独特で魅力的なオーラ。その源泉は、日本のスタイルとは少し異なる、いくつかの特徴的な要素によって成り立っています。
秘密1:躊躇のない、高いフェード位置
日本のフェードスタイルでは、ビジネスシーンなどにも配慮した、比較的控えめな「ローフェード」や「ミドルフェード」が主流です。それに対し、海外ではこめかみやそれより高い位置から、ためらうことなく潔く刈り上げる**「ハイフェード」**が基本。この大胆さが、シャープで力強い、妥協のない印象を生み出す最大の要因です。
秘密2:輪郭を彫刻する「ラインアップ」という文化
海外のバーバー(理容室)において、カットと同じくらい重要視されるのが**「ラインアップ(またはエッジアップ)」**という技術です。これは、額の生え際、もみあげ、ヒゲとの境目などを、カミソリやトリマーを使って産毛一本なく剃り上げ、直線や曲線でくっきりと縁取る技術を指します。これを単なる産毛処理ではなく、ヘアデザインの一部として捉える文化が、顔の輪郭をまるで彫刻のように際立たせ、究極の清潔感を生み出しているのです。
秘密3:髪質を活かした「質感」の多様な表現
もともとカーリーヘアやウェービーヘアの人が多い欧米では、その髪質を活かした無造作なパーマ風のスタイルが自然に発展してきました。また、直毛の人であっても、スタイリング剤を巧みに使い、ドライな質感や、濡れたようなウェットな質感を大胆に表現することで、スタイルに深みと色気を与えています。
【スタイル別】外国人風フェードスタイルカタログ
これらの特徴をベースに、海外では様々なスタイルが楽しまれています。
- 《ショート・クリーン系》フレンチクロップヨーロッパで特に人気の高いスタイル。トップを短くし、前に流します。シャープなラインアップとの組み合わせが、その魅力を最大限に引き立てます。
- 《クラシック・フォーマル系》ハードパート・サイドパート七三分けの分け目に、カミソリでラインを入れる「ハードパート」を加えたスタイル。クラシックなスタイルに、現代的なシャープさが加わります。
- 《カーリー・ワイルド系》カーリーフェードトップに強めのパーマをかけ、無造作な動きとボリュームを出したスタイル。サイドのタイトなフェードとのコントラストが、圧倒的な個性を放ちます。
- 《ロング・個性派系》マンバンフェード長く伸ばしたトップの髪を結ぶスタイル。サイドをフェードにすることで、長髪でも清潔感を保てるのが最大の魅力です。
日本人が「外国人風」をオーダーするための処方箋
憧れのスタイルを、日本人の私たちが成功させるには、いくつかのコツが必要です。
- 処方箋1:骨格に合わせてフェードの高さを“翻訳”する日本人に多い、サイドが張っている「ハチ張り」の頭の形で、むやみにハイフェードにすると、頭が四角く見えてしまうことがあります。あなたの骨格に合わせて、最適なフェードの高さに「翻訳」してもらう、プロの診断が不可欠です。
- 処方箋2:パーマ技術で髪質を“変換”する外国人のような、柔らかく動きのあるクセ毛風の質感が欲しいなら、**「ツイストスパイラルパーマ」**などの特殊なパーマ技術が有効です。硬く扱いにくい直毛を、理想の質感へと「変換」することができます。
- 処方箋3:スタイリング剤で質感を“再現”するドライな質感を出すなら「シーソルトスプレー」や「マット系クレイワックス」。ウェットなツヤを出したいなら「グリース」など、適切なスタイリング剤を選ぶことで、本場の質感を「再現」しましょう。
本物の外国人風フェードは、理容室(バーバー)でこそ創られる
では、この本格的なスタイルは、どこで手に入れるべきなのでしょうか。その答えは、**「理容室(バーバー)」**以外にはありえません。
- 文化へのリスペクトと深い理解フェードスタイルは、海外の理容室が何十年もの歳月をかけて育んできた「バーバーカルチャー」そのものです。その歴史や背景を深く理解しているプロにしか、本物のスタイルが持つ独特の空気感や格好良さは表現できません。
- カミソリを操る、専門技術外国人風フェードの象徴である、シャープで美しい「ラインアップ」。これを安全かつ正確に行うために必要なカミソリの技術は、日本の法律で国家資格を持つ理容師だけに認められた、専門技術です。
- 日本人への最適な「翻訳力」最も重要なのがこの点です。腕の良い日本の理容師は、海外のスタイルをただコピーするのではありません。海外のトレンドを熟知した上で、それを**日本人の骨格や髪質にどう落とし込めば最も格好良くなるかを計算し、あなただけのスタイルへと「翻訳」**してくれるのです。
まとめ
外国人風フェードスタイルのかっこよさの秘密は、高いフェード、シャープなラインアップ、そして質感の表現にあります。そして、日本人がそのスタイルを手に入れるには、自身の骨格や髪質に合わせてスタイルを「翻訳」するという、プロの視点が不可欠です。
その複雑な翻訳作業を完璧に行い、本物のスタイルを創り出せるのは、海外のカルチャーを深く理解し、卓越したカット技術を持つプロの理容師だけです。
流行を追いかけるだけでなく、その背景にある文化をも含めた「本物」を手に入れたいと願うなら、ぜひ一度、進化した現代の理容室(バーバー)を訪ね、その奥深い世界に触れてみてはいかがでしょうか。