なぜ、海外の“フェード×パーマ”は格好いいのか?日本人が本場のスタイルを手に入れる方法
Instagramで、あるいは海外の映画や音楽の世界で、彼らのヘアスタイルを見て、思わず心を奪われた経験はありませんか?
サイドは、シャープに、そして潔く刈り上げた「フェードカット」。
そして、トップは、作り込みすぎていないのに、どこかラフで、立体的に動く「パーマ」。
「この、力の抜けた、こなれた雰囲気を、自分も手に入れたい」
「でも、日本人の自分の髪質や骨格では、あのスタイルは無理だろう…」
そんな、憧れと、ほんの少しの諦め。
この記事は、その諦めを、揺るぎない自信へと変えるための、プロの理容師からのメッセージです。結論から言えば、あなたも、本場のスタイルを手に入れることは、十分に可能です。
海外の“フェード×パーマ”が持つ、独特の魅力
まず、私たちが無意識に「格好いい」と感じる、その魅力の正体を、解き明かしてみましょう。
- 計算され尽くした“無造作感”彼らのパーマは、決して、くるくると均一に巻かれたものではありません。まるで生まれつきのクセ毛のように、ランダムで、ラフで、それでいて完璧なバランスを保っています。この**「計算された無造作感」**こそが、力の抜けた、大人の色気を生み出すのです。
- 質感の“ギャップ”が生む、圧倒的なメリハリ極限までシャープで、クリーンな、静的な印象のフェード部分。それとは対照的に、トップで自由に、そして有機的に動く、動的な印象のパーマ部分。この質感のギャップが、互いを引き立て合い、ヘアスタイル全体に、強烈なメリハリと立体感を与えます。
- 骨格を活かす“立体感”欧米人に多い、奥行きのある立体的な骨格。その骨格を、パーマの動きが、さらに強調し、どの角度から見ても美しいシルエットを創り出しているのです。
【スタイル別】海外で人気のフェード×パーマデザイン
海外のストリートで、リアルに支持されている人気のスタイルをご紹介します。
- カーリークロップ × ハイフェードトップを短めにカットし、そこに強めのカール(カーリー)を加えたスタイル。サイドは、高い位置まで刈り上げるハイフェードで、シャープに。コンパクトなシルエットの中に、強い個性が凝縮された、人気のストリートスタイルです。
- ウェイビーサイドパート × ローフェードクラシックな七三分け(サイドパート)を、カチッと固めるのではなく、柔らかなウェーブ(ウェイビー)で、自然に流すスタイル。サイドは、やりすぎ感のないローフェードで、品良くまとめるのがポイント。知性と色気が同居する、大人のためのスタイルです。
- テクスチャーショート × ミドルフェードごく自然な、かけたことが分からないほどのパーマ(ニュアンスパーマ)で、髪に「質感(テクスチャー)」だけを与えるスタイル。スタイリングが非常に楽になり、さりげないお洒落感を演出できます。
【最重要】日本人が“本場のスタイル”を手に入れるための、プロの技術
さて、ここからが本題です。
「じゃあ、同じようにパーマをかければいいのか?」——答えは、NOです。
なぜなら、私たち日本人と、欧米人とでは、**「髪質」と「骨格」**という、根本的な素材が違うからです。
【日本人が越えるべき“壁”】
- 髪質:多くは、パーマがかかりにくい、あるいは柔らかなカールが出にくい、硬く、真っ直ぐな髪質。
- 骨格:サイドが張りやすく(ハチ張り)、後頭部が平坦(絶壁)に見えやすい。
この「違い」を理解せず、ただ表面だけを真似しようとすると、全く違う、不格好なスタイルになってしまいます。
しかし、私たちプロの理容師は、この**“壁”を乗り越えるための、専門的な技術**を持っています。
- 1. 骨格補正カットまず、カットの段階で、あなたの骨格を、より西洋人のような立体的なシルエットへと近づけます。ハチが張っている部分は、フェードでしっかりと削り、絶壁に見える後頭部には、カットで丸みが生まれるようにデザインします。
- 2. 髪質に合わせた、オーダーメイドのパーマ技術あなたの硬い髪質に、柔らかな外国人のような質感を宿らせるために、私たちは、パーマの薬剤選定、ロッドの太さや巻き方、そして放置時間を、ミリ単位、秒単位で、完璧にコントロールします。「ツイストスパイラルパーマ」などの特殊な技術を駆使し、あなたの髪に、理想の動きを“刻み込む”のです。
“国境”を超える、本物の技術
私たちプロの理容師の仕事は、単に日本の流行を追うことではありません。
世界中の、あらゆる時代の、あらゆるカルチャーから生まれた、最高のヘアスタイルを研究し、その本質を理解すること。
そして、その海外のトレンドやスタイルを、日本に住む、あなたという、世界に一人しかいない個人に、最高の形で“翻訳”し、提供すること。
それこそが、私たちの使命であり、誇りです。
オーダー方法|憧れを、あなたの“似合う”に変える伝え方
サロンでは、ぜひ、あなたの憧れる海外の俳優や、アーティストの写真をお持ちください。そして、こう伝えてください。
「この海外の人のような雰囲気にしたいんですが、僕の髪質と骨格で、似合うようにできますか?」
その一言が、私たちプロの技術と経験を、最大限に引き出すための、最高の合言葉になります。
まとめ
あなたが画面の向こうで見て、憧れた、あのクールなヘアスタイル。
それは、決して、手の届かないものではありません。
重要なのは、ただ表面を模倣するのではなく、プロの技術によって、**あなたという素材に合わせて、完璧に“再構築”**すること。
国境を越えて、本物の格好良さを、あなたの髪に。
ぜひ一度、私たちプロに、そのお手伝いをさせてください。