プロが教えるフェードカットのセット術!自宅でサロン帰りのスタイルを再現するコツ
男らしく、清潔感あふれるヘアスタイルとして絶大な人気を誇る「フェードカット」。サイドを大胆に刈り上げたそのシャープなデザインは、多くの男性を魅了しています。
しかし、サロンで完璧に仕上げてもらったものの、「翌日自分でセットしようとしたら、どうしてもうまくいかない…」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、そんなあなたのために、フェードカットの基本的なセット方法から、理想のスタイルを叶えるためのコツまで、プロの理容師が徹底的に解説します。毎日のスタイリングをマスターして、いつでも最高の自分を演出しませんか?
フェードカットのセットに必須!揃えておきたい基本アイテム
まずは、フェードカットのスタイリングを始める前に、最低限揃えておきたい道具をご紹介します。これらがあるだけで、セットのしやすさと仕上がりが格段に変わります。
- ドライヤー髪の根元を立ち上げたり、毛流れを作ったりするための最重要アイテムです。ただ乾かすだけでなく、「形を作る」という意識で使いましょう。
- コーム(櫛)クラシカルなスタイルできっちりとした毛流れを作ったり、スタイリング剤を均一になじませたりする際に活躍します。目の細かいものと粗いものの両方があると便利です。
- スタイリング剤なりたいスタイルに合わせて選ぶのがポイントです。代表的なものをいくつかご紹介します。
- ポマード:強いホールド力と美しいツヤ感が特徴。七三分け(サイドパート)などのクラシカルなスタイルに最適です。水性と油性があり、扱いやすいのは水性ポマードです。
- ジェル:非常に強いセット力とウェットな質感が特徴。髪をパリッと固めることができ、スタイルを一日中キープしたい方におすすめです。
- グリース:ポマードのようなツヤと、ジェルのようなセット力を持ち合わせながら、再整髪しやすいのが特徴。ウェットな質感で、動きのあるスタイルも作れます。
【基本編】明日からできる!フェードカットのセット手順
ここからは、実際にセットを行う際の基本的な手順をステップごとに解説します。このベースとなる乾かし方さえマスターすれば、どんなスタイルにも応用できます。
STEP1:髪をしっかりと濡らし、タオルドライする
まずは髪全体を根元からしっかりと濡らします。寝癖がついたままスタイリングを始めても、うまくいきません。シャワーを浴びるのが理想ですが、時間がない場合はスプレイヤーなどで根元から濡らしましょう。
その後、タオルでゴシゴシと拭くのではなく、頭皮をマッサージするように優しく水分を拭き取ります。髪がポタポタと滴らない、8割程度乾いた状態がベストです。
STEP2:ドライヤーで乾かしながらベースを作る
ここが最も重要な工程です。スタイリングはドライヤーで8割決まると言っても過言ではありません。
- トップにボリュームを出すまず、髪を流したい方向とは逆の方向からドライヤーの温風を当て、根元を立ち上げます。指で根元を少し持ち上げるようにして乾かすと、自然なボリュームが生まれます。
- 毛流れを作るトップの根元が乾いたら、次に髪を流したい方向に風を当てて、全体の毛流れを整えていきます。手ぐしやコームを使いながら、理想の形をイメージして乾かしましょう。
- サイドとバックは抑えるフェード部分との境目となるサイドや、後頭部の髪は、ボリュームが出すぎないように上から下に風を当てて、タイトに抑えながら乾かします。
STEP3:スタイリング剤を髪全体になじませる
ドライヤーで髪の土台ができたら、スタイリング剤をつけていきます。
適量(製品によりますが、最初は小指の第一関節程度)を手に取り、手のひら、指の間までもしっかりと透明になるまで薄く伸ばします。このひと手間が、付けムラを防ぐポイントです。
そして、髪の表面だけにつけるのではなく、根元からしっかりと、髪の内側からなじませていきます。「バック→サイド→トップ」の順でつけていくと、全体に均一になじませやすくなります。
STEP4:コームや手ぐしでシルエットを整える
最後に、コームや手ぐしを使って全体の形を整えます。
クラシカルなスタイルにしたい場合は、コームを使ってきっちりと分け目を作り、毛流れを美しく見せます。ラフなスタイルにしたい場合は、指で毛束をつまむようにして動きを出しましょう。
最後に鏡でサイド、バック、トップの全体のバランスを確認し、理想のシルエットができていれば完成です。
【応用編】なりたいスタイル別!セットのポイント
基本のセット方法を覚えたら、次はなりたいスタイルに合わせた応用テクニックに挑戦してみましょう。
クラシカルな七三分け(サイドパート)
- 使うスタイリング剤:ポマード、グリース
- ポイント:ツヤ感を意識し、コームを使って分け目を一直線に、そしてサイドの髪をビシッと流すのがコツです。ドライヤーの段階で、分け目をしっかりと作りながら乾かすことが重要です。
男らしいオールバック
- 使うスタイリング剤:ジェル、グリース
- ポイント:前髪が落ちてこないように、ドライヤーで根元からしっかりと後ろに向かって乾かし、クセ付けをすることが最も大切です。スタイリング剤をつけた後、コームで後ろにかきあげるように整えると、美しい毛流れが生まれます。
カジュアルなクロップスタイル
- 使うスタイリング剤:マットワックス、ファイバーワックス
- ポイント:トップに長さを残し、前に下ろすスタイル。ドライヤーでトップにボリュームを出しつつ、前に向かって乾かします。スタイリング剤は握るようにして無造作につけ、指先で毛束を作って動きを出すと、こなれた印象に仕上がります。
セットがうまくいかない?その原因と解決策
毎日セットしていても、なぜか決まらない日があるかもしれません。その原因は、いくつか考えられます。
- 原因1:ベースとなるドライが甘いスタイリング剤だけで形を作ろうとしていませんか?前述の通り、仕上がりはドライヤーでのベース作りでほとんど決まります。根元の立ち上げと毛流れの方向付けを、もう一度見直してみましょう。
- 原因2:スタイリング剤の量が合っていない量が少なすぎるとキープ力がなく、多すぎると重さで潰れてしまいます。自分の髪の長さや毛量に合った適量を見つけることが大切です。少量から試して、少しずつ足していくように調整しましょう。
- 原因3:カットが伸びてきているフェードカットは、数ミリ単位の刈り上げでデザインが構成されています。髪が伸びてくると、フェード部分の美しいグラデーションが崩れ、全体のメリハリがなくなってしまいます。これが、セットがしにくくなる最大の原因かもしれません。
最高のスタイルはプロのカットから生まれる
自宅でのセット方法をご紹介してきましたが、理想のフェードスタイルを維持し、毎日のセットを簡単にするためには、定期的なメンテナンスカットが不可欠です。
フェードカットの持ちは短く、2〜3週間に一度のペースでメンテナンスするのが理想とされています。
プロの理容師は、お客様一人ひとりの骨格、髪質、生えグセを見極め、最もセットがしやすく、かつ似合うフェードスタイルを提案します。また、ご自宅でのセット方法や、あなたに合ったスタイリング剤の選び方まで、的確にアドバイスすることができます。
「セットがどうしても上手くいかない」「もっと自分に似合うスタイルを見つけたい」
そう感じたら、ぜひ一度、理容室のプロにご相談ください。あなたの魅力を最大限に引き出す、最高のフェードスタイルを一緒に作り上げましょう。