坊主頭はバリカンで何ミリが良い?|定番の長さと印象の違いを解説
印象を決定づける「バリカンのミリ数」
すっきりとした坊主頭に挑戦しようと決意した時、あるいはご自身で手入れをされる際に、誰もが最初に決めなければならない、そして、最もその印象を大きく左右するのが、バリカンに設定する刃の厚み、すなわち「ミリ数」です。
この、たった数ミリメートルの設定の違いが、仕上がりの印象を、時には精悍に、時には爽やかに、そして時には柔和にと、大きく変化させるほどの力を持っています。ここでは、数ある長さの中でも、特に多くの方に選ばれ、そして好印象を与えやすい、定番のミリ数ごとの特徴について、髪の専門家である私達の視点から、詳しくご説明してまいります。
まず基準としたい、最も標準的な長さ「5mm〜6mm」
もし、あなたが坊主頭の長さをどれくらいにすれば良いか、少しでも迷われているのであれば、私達はまず、この「5mmから6mm」という長さを、一つの基準として考えることをお勧めいたします。
この長さは、地肌が過度に透けて見えることがなく、髪の毛の黒々とした質感が程よく保たれるため、非常に清潔感のある、爽やかな印象になります。昔ながらの呼び方では「五分刈り」にも近い、伝統的でありながらも、決して古さを感じさせない、まさに坊主頭の「王道」とも言える長さです。ビジネスの場面から、休日の普段着まで、どのような状況にも自然に馴染む万能性を持ち合わせているため、坊主頭に初めて挑戦される方が選ぶ長さとしても、最も安心感があります。
より精悍さを求めるなら「3mm」
もう少し短く、より力強い、男性的な雰囲気を表現したいという方には、「3mm」の長さが良いでしょう。この長さにすると、地肌がうっすらと青く透けて見える、いわゆる「青々とした」状態になります。頭の形がよりはっきりと分かり、全体の印象がぐっと引き締まるため、非常にスポーティーで、精悍な印象が際立ちます。スポーツに真剣に打ち込んでいる方や、ご自身の個性を、より潔い形で表現したいという方にも、大変よくお似合いになります。
おしゃれな雰囲気を楽しむなら「9mm以上」
反対に、少し長さを残した「9mm以上」の長さも、また違った魅力を持っています。9mm、12mm、15mmと、長くなるにつれて、髪の毛一本一本の柔らかな質感がはっきりと感じられるようになり、全体のシルエットも、少しふんわりとした丸みを帯びてきます。
これにより、坊主頭が持つ力強い印象が和らぎ、親しみやすく、柔和でおしゃれな雰囲気が生まれます。坊主頭のすっきり感は好きだけれど、あまり厳つい印象にはしたくない、という方や、ほんの少し整髪料を使って、髪の質感を変えて楽しみたい、といった「おしゃれ坊主」を目指す方にとって、最適な選択肢となります。
ミリ数だけでは決まらない、本当の格好良さ
ここまで、ミリ数ごとの代表的な印象についてご説明してまいりました。しかし、忘れてはならない、非常に大切なことがあります。それは、お客様一人ひとりの「頭の形」や「髪質」によって、たとえ同じミリ数で刈り上げたとしても、その仕上がりの見え方は、微妙に、しかし確実に変わってくる、という事実です。
本当に格好いい坊主頭とは、単に人気のミリ数を選ぶことではありません。ご自身の骨格を最も美しく見せる、あなただけの「最高のミリ数」を見つけ出し、それを美しい形で実現することなのです。そして、その答えを、お客様との対話を通じて、そしてプロの目線から見つけ出すことこそが、私達理容師の最も大切な役割です。どうぞお気軽にご相談ください。