おでこが広い人に似合う坊主頭|バランスを整え、魅力を引き出す髪型
おでこの広さを、個性と魅力に変える
ご自身のおでこが広いことを気にされて、これまでは、なるべく前髪を下ろすような髪型を選ばれることが多かった、という方もいらっしゃるかもしれません。そのため、前髪がなくなるすっきりとした坊主頭は、「自分には似合わないのではないか」「おでこの広さが、かえって目立ってしまうのではないか」と、挑戦することを、ためらってしまうお気持ちも、大変よく分かります。
しかし、結論から申し上げますと、それは誤解です。坊主頭は、髪の長さや全体の形のバランスをほんの少し計算してあげるだけで、気になるおでこの広さを、驚くほど自然に見せることができます。そして、隠すことをやめた時、その知的で開放的なおでこは、あなたの素晴らしい個性と魅力として、堂々と輝き始めるのです。
避けるべきは「視線が上に集まる」髪型
まず、おでこが広い方が坊主頭にする際に、避けた方が良いとされる髪型の基本的な考え方についてご説明いたします。それは、髪型全体のシルエットが、顔の上半分、つまり、おでこや頭頂部に、人の視線を集中させてしまうような形です。
具体的には、頭頂部(トップ)の髪だけを高く立たせるような、過度なソフトモヒカンスタイルや、側頭部(サイド)を極端に短くしすぎて、頭頂部との色の対比を強くしすぎるような髪型は、視覚的に頭の上部分を強調してしまい、結果として、おでこの広さが際立って見えてしまうことがあるため、注意が必要です。
似合わせるための、バランス調整の秘訣
では、どのようすれば、おでこの広さを感じさせない、バランスの取れた坊主頭になるのでしょうか。そこには、いくつかの大切な秘訣があります。
秘訣1:全体の長さを少し残す
まず、坊主頭全体の「長さ」です。1mmから3mmといった極端に短い長さにすると、おでこの肌と、頭皮の色との境界線がくっきりと出てしまうため、生え際のラインが強調されがちです。そこでお勧めしたいのが、5mm以上の、少し髪の毛の質感が残る長さに設定することです。これにより、生え際の印象が柔らかくなり、おでこの広さが自然な雰囲気に見えます。
秘訣2:サイドに丸みと幅を持たせる
そして、これが最も重要なポイントです。トップの高さを抑え、側頭部(サイド)に少し長さを残すことで、髪型全体のシルエットを、縦長の印象から、ひし形や横長の印象に近づけ、おでこの面積とのバランスを取る、という考え方です。例えば、トップを6mmにするのであれば、サイドも同じ6mm、あるいはそれよりも少し長めに設定すると、視覚的に横への広がりが生まれ、顔の縦の印象が和らぎます。
髪型以外の要素で、さらにバランスを整える
髪型そのものの工夫に加えて、他の要素を組み合わせることで、全体のバランスはさらに洗練されたものになります。
髭(ひげ)を活用する
顎や口の周りに髭をデザインすることで、人の視線を自然と顔の下半分に集め、全体の重心を下げることができます。これは、おでこの広さを感じさせにくくする上で、非常に有効な手段の一つです。
眼鏡をかける
もし、普段から眼鏡をかける習慣のある方でしたら、少し横に幅のあるデザインのフレームを選んでみてください。顔の横のラインが強調され、おでこの広さとのバランスを、美しく整える助けとなります。
まとめ:専門家は、あなたの最高の相談相手です
おでこが広い方が坊主頭にする場合、最も大切なのは、その特徴を無理に隠そうとすることではなく、髪の長さのバランスや、髭、眼鏡といった他の要素との組み合わせによって、顔全体の美しい「調和」を作り出す、という考え方です。
そして、お客様一人ひとりの顔の形、おでこの広さ、そして生え際の位置を正確に把握し、最も美しく見えるバランスをミリ単位で計算して作り出すことこそが、私達、髪の専門家である理容師の、最も得意とするところです。「自分はおでこが広いから」と、坊主頭を諦めてしまうのは、あまりにもったいないことです。どうぞ一度、そのお悩みを、私達にお聞かせください。