坊主頭を剃る方法|ご自宅での手入れと床屋の本格シェービング
より短い坊主頭へ。「剃る」という選択
バリカンで短く刈り上げた、すっきりとした坊主頭。その潔さから、さらに一歩進んで、カミソリで剃り上げた、どこまでも滑らかな頭にしたい、とお考えになる方もいらっしゃるかもしれません。剃り上げた坊主頭は、究極の清潔感と、何物にも代えがたい爽快感を表現できる、非常に魅力的な髪型です。
しかし、この「剃る」という手入れは、ご自身で行うには、いくつかの正しい知識と、細心の注意が必要になります。ここでは、ご自宅で安全に頭を剃るための基本的な手順と、私達プロが行う本格的な頭のシェービングとの違いについて、詳しく解説してまいります。
ご自宅で頭を剃るための準備と手順
ご自身で頭を剃る場合は、焦らず、時間をかけて丁寧に行うことが最も大切です。
準備するもの
まず、切れ味の良いT字カミソリ、たっぷりの量のシェービングフォームやジェル、肌を温めるための蒸しタオル、後頭部を確認するための合わせ鏡、そして、剃り終わった後に肌を保護するための保湿剤を用意しましょう。
手入れの手順
手入れは、入浴中やお風呂上がりなど、頭皮が温まり、毛が柔らかくなっている状態で行うのが理想的です。まず、蒸しタオルで頭全体を包み込み、毛穴を十分に開かせます。次に、シェービング剤をたっぷりと、剃る部分全体に塗り広げます。
いよいよ剃る際には、まずは毛の生えている方向に沿って(順剃り)、カミソリに力を入れずに、優しく滑らせるように剃り進めてください。特に、ご自身では見えにくい後頭部などは、手鏡などを使い、合わせ鏡で確認しながら、慎重に行いましょう。
一通り剃り終えたら、一度ぬるま湯で軽く洗い流し、剃り残しがないかを確認します。もし、より深剃りをしたい場合は、再度シェービング剤をつけ、今度は毛の流れに逆らう方向(逆剃り)で、さらに優しく剃ります。
全て剃り終えたら、シェービング剤を完全に洗い流し、冷たい水で濡らしたタオルなどで肌を優しく押さえ、開いた毛穴を引き締めます。そして、仕上げに必ず、刺激の少ない化粧水や乳液といった保湿剤を塗り、デリケートになった肌を保護してください。
ご自身で剃る際の、重要な注意点
ご自宅で頭を剃る際には、いくつかの注意点があります。頭皮は、ご自身が思う以上に凹凸が多く、皮膚もデリケートです。そのため、少しの油断や焦りが、カミソリ負けによる出血や、肌荒れといった悩みに繋がりやすくなります。
また、どれだけ慎重に行ったとしても、ご自身では完全に見ることのできない後頭部や耳周りなどは、どうしても剃り残しができやすく、仕上がりがまだらな状態になってしまいがちです。
床屋(理容室)で行う、本格的な頭のシェービング
そもそも、お客様のお顔や頭にカミソリを使用する「シェービング」という行為は、理容師の国家資格を持つ者だけに、法律で許可された専門的な技術です。
私達プロは、まずお客様の肌の状態を正確に見極め、最適な温度の蒸しタオルや、肌を保護するための特別なクリームを用いて、肌への負担を最小限に抑えるための万全の準備を整えます。そして、長年の経験で培われた、繊細なカミソリの扱い方で、お客様ご自身では決して見ることのできない後頭部に至るまで、均一で、どこまでも滑らかに、そして安全に剃り上げていきます。
まとめ:究極の清潔感は、プロの技術から
坊主頭を剃り上げることは、究極の清潔感を表現する素晴らしい方法ですが、その美しい仕上がりと、大切な肌の安全を両立させるためには、正しい知識と、それを実践する確かな技術が不可欠です。
ご自身での手入れも一つの方法ですが、その難しさと危険性を考えると、その道の専門家である私達理容師に任せていただくことが、最も賢明で、そして贅沢な選択であると、私達は信じております。ご自宅での手入れでは決して味わうことのできない、完璧に剃り上げられた滑らかな頭皮の感触と、極上の爽快感を、ぜひ一度、ご体験ください。