“ただのツンツン髪”で終わらない。ベリーショートで作る、シャープな束感スタイル
「ベリーショートにしたけど、髪が硬くてツンツン立つだけで、なんだか子供っぽく見えてしまう…」
「もっとシャープで、計算された“ツンツンヘア”にしたいけど、どうすればいいか分からない」
そんな、短髪ならではのスタイリングの悩みを抱えてはいませんか?
「ツンツン」という髪質やスタイルは、一歩間違えると野暮ったく見えてしまいがちです。しかし、プロのカット技術と正しいスタイリング方法があれば、それは男らしくエネルギッシュな、最高にクールなスタイルへと昇華されるのです。
この記事では、あなたの髪を、洗練されたシャープなスタイルへと進化させる秘訣を、プロの視点から詳しく解説します。
「お洒落なツンツン」と「NGなツンツン」の境界線
まず、私たちが目指すべき方向性を明確にしておきましょう。
- NGなツンツン
ただ髪全体が、ウニのように均一に立っているだけ。毛束がなく、まとまりもないため、子供っぽく、あるいは手入れされていないように見えてしまいます。 - お洒落なツンツン
計算された**「束感」**が存在します。毛先はシャープに尖り、根元は力強く立ち上がっている。そして、スタイル全体にメリハリのある美しいシルエットがある。これこそが、大人が目指すべき「洗練されたスパイキースタイル」です。
この決定的な違いを生み出すのが、**「カットによる土台作り」**なのです。
“ツンツン”を格好良く見せる、3つのデザイン要素
プロは、ただ髪を短くするだけではありません。「ツンツン」した質感を、最高の形で表現するために、カットに様々な工夫を凝らしています。
- ① カットで“束感”を作る(レイヤー&セニング)
髪の表面に計算された段差を入れるレイヤーカットを施すことで、髪が自然に立ち上がりやすく、そして動きやすい状態を創ります。さらに、すきバサミ(セニング)で毛量を緻密に調整し、一本一本の毛束がシャープに見えるように、質感を整えていきます。 - ② サイドは“刈り上げ”で、メリハリを効かせる
ツーブロックや、美しいグラデーションを描くフェードカットでサイドをタイトに抑えることで、トップのツンツンとした動きがより一層際立ち、清潔感のある現代的なシルエットが完成します。 - ③ 立ちやすい髪質を“武器”として活かす
多くの人がコンプレックスに感じがちな、硬くて立ちやすい直毛・剛毛。このスパイキーなスタイルにおいては、それこそがスタイルを一日中キープするための、最高の“武器”となるのです。
おすすめの「ツンツン」ベリーショートスタイル
- スパイキーショート
全体的に短くカットし、トップ全体をシャープに立ち上がらせた、王道のスタイル。 - ツーブロック × ソフトモヒカン
サイドをツーブロックですっきりとさせ、トップを中央に集めるように立ち上げる、スポーティーで爽やかなスタイル。 - フェード × クロップ風スパイキー
サイドは潔いフェードカット、前髪は短く下ろしつつ、トップはスパイキーに立ち上げる、非常に現代的でデザイン性の高いスタイルです。
失敗しない!サロンでのオーダー術
- 「なりたいイメージ」を伝える
「髪全体をツンツンと立たせるような、シャープなベリーショートにしたいです」「男らしくて、エネルギッシュな感じの髪型にしてください」 - カットの要望を具体的に伝える
「スタイリングで、シャープな束感が出やすいように、軽くしてください」「サイドはツーブロックですっきりとお願いします」 - 写真を見せるのが最強の手段
あなたの理想とするスパイキースタイルの写真を見せ、「こんな質感にしたいです」と伝えるのが、最も確実です。
自宅で再現!完璧な“ツンツンヘア”のセット術
STEP 1:【ドライヤー】根元を“爆発”させる
これが最も重要です。髪をしっかりと濡らした後、ドライヤーの風をいろんな方向から頭皮に当て、手で髪をわしゃわしゃと擦るようにして、根元をあらゆる方向に立ち上げながら、完璧に乾かします。この時点で、髪がライオンのたてがみのように、四方八方に立っている状態が理想です。
STEP 2:【スタイリング剤を選ぶ】
強いセット力とキープ力が必須です。ハードワックス、クレイワックス、ジェルなどが最適です。
STEP 3:【付ける】根元から、髪を握るように
スタイリング剤を手のひらにしっかりと伸ばし、髪の根元付近から、髪全体を優しく握り込むようにして、まんべんなく馴染ませます。
STEP 4:【仕上げる】“つまんで”“ねじる”で、鋭い束を創る
仕上げに、指先を使って毛束を一本一本**「つまんで」「軽くねじって」**、鋭い束の先端を作っていきます。この一手間が、プロと素人の仕上がりを分ける、決定的な違いを生みます。最後に、ハードスプレーで全体を固めれば完璧です。
なぜ、本物のスタイルは理容室(バーバー)で創られるのか
束感が出やすく、立ち上がりやすいように計算されたレイヤーカットや質感調整。ごまかしの効かないベリーショートだからこそ、プロのカット技術の差が、仕上がりに正直に現れます。男性の硬く、立ちやすい髪質を、最も格好良く見せる方法を、私たちプロの理容師は知り尽くしています。
美しいフェードカットと、トップのシャープな質感。この完璧な融合は、まさに理容室の得意分野です。
まとめ
計算された“ツンツンヘア”は、単なる寝ぐせのような髪型ではありません。それは、男の内に秘めたエネルギー、力強さ、そして遊び心を表現する、究極のスタイルです。
その洗練されたシャープな質感は、プロのカット技術と、正しいスタイリングがあってこそ生まれるもの。
退屈な自分から脱却し、新しい自分を表現するために。ぜひ一度、お気軽にご相談ください。