ベリーショートのセットの仕方|1分で変わるプロのスタイリング術
潔く、清潔感あふれるベリーショートスタイル。
サロンで仕上げてもらった時は、完璧に格好良く決まっていたのに、翌朝、自分でセットしようとすると、なぜか同じように決まらない…。
「どうすれば、あのプロが作ったような束感や動きが出るんだろう?」
「そもそも、短い髪の正しいセットの仕方が分からない」
そんな、ベリーショートにした多くの男性が直面する、スタイリングの悩みを抱えてはいませんか?
ご安心ください。難しそうに見えるヘアセットも、実はいくつかの**「簡単なルール」と「正しい手順」**さえ覚えれば、誰でも驚くほど上手に、そして短時間で格好良く決められるようになります。
この記事では、あなたの毎日のセットが見違える、プロの基本的なテクニックを徹底的に解説します。
セットの成否は、始める前に8割決まっている
ワックスなどのスタイリング剤を手に取る前に、何よりも重要な2つの土台について理解しておく必要があります。
① 最高の土台は「ベースカット」
まず大前提として、スタイリングのしやすさ、そして完成度の9割は、あなたの骨格や髪質に合わせて緻密に計算された**「ベースカット」**で決まっています。プロの理容師は、あなたが自宅で簡単にセットできるよう、動きや束感が出やすいようにカットの段階で“仕込み”をしています。
② セットの土台作りは「ドライヤー」
ワックスは、あくまで最後の仕上げ。髪全体のシルエットや毛流れといった**土台を作るのは「ドライヤー」**の役割です。髪は「乾く瞬間に形が決まる」という性質があるため、ドライヤーでベースをしっかりと作っておくことで、スタイリング剤の効果が最大限に発揮され、ごく少量の使用でスタイルが決まるようになります。
なりたい印象で創る。スタイリング剤の選び方
どんな質感に仕上げたいかで、使うべきスタイリング剤は変わってきます。
- 無造作でカジュアルな印象に → マットワックス、クレイワックス
ツヤがなく、乾いた質感が特徴。セット力が高く、無造作な束感スタイルや、ソフトモヒカンに最適です。 - 品格と色気のある印象に → ジェル、グリース、ポマード
濡れたようなツヤ感が出ます。七三分けやオールバックなど、クラシカルでフォーマルなスタイルに、大人の品格と色気をプラスしてくれます。 - 自然な動きとまとまりを → ファイバーワックス、ヘアバーム
程よいセット力と自然なツヤ感が魅力です。作り込みすぎない、素髪のような質感を活かしたスタイルに仕上がります。
これがプロの基本手順!正しいセットの仕方 4ステップ
慣れてしまえば、1分で完了する簡単なステップです。
STEP 1:【量】「米粒〜小豆一粒大」で十分
失敗の最大の原因は「付けすぎ」です。ベリーショートなら、ごく少量で十分。**「足りなければ、後から足す」**を徹底しましょう。
STEP 2:【伸ばす】手のひらで「透明になるまで」
スタイリング剤を、手のひらから指の間まで、体温で温めるように、塊が完全になくなるまで薄くしっかりと伸ばします。これがムラなく付けるための最重要工程です。
STEP 3:【馴染ませる】後頭部から、髪全体に
前髪から付けるのは絶対NGです。一番失敗しにくい**「後頭部」**から付け始め、髪の表面だけでなく、内側にも薄く均一に馴染ませるイメージで、髪全体に揉み込みます。
STEP 4:【形を作る】指先で「つまむ」「散らす」
全体にスタイリング剤が馴染んだら、ここからがデザインの時間です。指先を使って毛束を優しく**「つまんで」束感を出し、毛先を「散らす」**ようにして動きを出します。最後に、全体のシルエットを整えれば完成です。
なぜ、セットの相談は理容室(バーバー)なのか
あなたの髪質、骨格、そしてその日のカットに、本当に最適なスタイリング剤は何か。そして、あなたのための、最も簡単なセットの仕方は何か。
その答えを、私たちプロの理容師は知っています。
サロンでは、カットの後に、あなたの髪を使い、あなたの目の前で、正しいセットの仕方をマンツーマンでレクチャーさせていただきます。最高のカットと、それを100%活かすセット術の両方を手に入れられること。それこそが、サロンで髪を切る大きな価値なのです。
まとめ
ベリーショートは、セット一つで、ビジネスシーンにふさわしいクリーンな表情にも、休日のリラックスしたカジュアルな表情にも、自由自在に変わることができる、可能性に満ちたスタイルです。
その可能性を最大限に引き出すのが、プロによる「最高のカット」と、あなたが身につける「正しいスタイリングの知識」です。
新しい自分を発見し、毎日のスタイリングをもっと楽しむために。ぜひ一度、メンズヘアのプロである私たち理容師にご相談ください。