そのワックスの付け方、間違ってるかも?髪型を120%活かす、スタイリングの真実。
メンズのヘアスタイリングにおける、王様にして、永遠の相棒。
それが「ヘアワックス」です。
おそらく、この記事を読んでいるあなたも、毎朝のように鏡の前で、そのワックスを手に取っていることでしょう。
しかし、その一方で、こんな、尽きない悩みを抱えてはいませんか?
「なぜか、ベタつくだけで、髪が思うように動いてくれない…」
「サロンでやってもらうような、あの“お洒落な束感”が、自分ではどうしても作れない…」
「そもそも、たくさん種類がありすぎて、どのワックスを選べばいいのか、さっぱり分からない…」
もし、あなたが一つでも当てはまるなら。
その悩み、あなたが使っているワックスの性能や、あなたのスタイリング技術だけのせいでは、ないのかもしれません。
本当の答えは、あなたがワックスを手に取る、もっと前の“段階”に、隠されているのです。
この記事では、あなたのワックススタイリングを、根本から、そして劇的に変える、プロの思考と技術の全てを、徹底的に解説していきます。
あなたはどれを選ぶ?ヘアワックスの種類と、その選び方
まず、あなたの髪質と、なりたいスタイルに合わせた、最適な「相棒」を見つけましょう。
- ファイバーワックス
繊維(ファイバー)入りで、伸びが良く、束感を出しやすいのが最大の特徴。マッシュやミディアムヘアなど、動きとまとまりの両方が欲しいスタイルに最適です。 - ドライワックス / マットワックス
ツヤがなく、乾いた(ドライ/マット)な質感に仕上がります。作り込みすぎない、無造作で、ラフな動きを出すのに、最も適しています。 - クレイワックス
クレイ(泥)成分配合で、マットな質感と、非常に高いセット力が特徴。ベリーショートや、髪を力強く立ち上げたい時に、絶大な効果を発揮します。 - クリームワックス
水分を多く含み、柔らかく、自然なまとまりと、程よいツヤ感を出してくれます。ナチュラルなスタイルや、パーマヘアの柔らかな質感を活かすのにぴったりです。
【プロの技】ワックスの効果を120%引き出す、正しい使い方
ここからが本題です。どんなに高価なワックスも、使い方を間違えれば、その効果は半減してしまいます。
- STEP 0:【最重要】ドライヤーで、髪型の“骨格”を創る
衝撃的な事実ですが、スタイリングの成否はワックスをつける前のドライヤーの段階で、8割が決まっています。「乾かす」のではなく「形を作る」という意識で、トップは根元からふんわりと立ち上げ、サイドはタイトに抑え、毛流れのベースを、この時点で完璧に創り上げておきましょう。 - STEP 1:ワックスの量は「小豆一粒」から始める
最大の失敗原因は「つけすぎ」です。足りなければ足せば良いのです。まずは、人差し指の第一関節の、半分にも満たないくらいの量から、始めてみてください。 - STEP 2:手のひらで“透明になるまで”完璧に伸ばす
これを怠ると、髪にワックスが白い塊(ダマ)として付着し、ムラの原因になります。手のひらだけでなく、指の間まで、ワックスが見えなくなるくらい、体温で温めながら、完璧に伸ばしきってください。 - STEP3:つける順番は「後ろ」から。絶対に「前髪」からつけない
最もやってはいけないのが、前髪からつけること。ベタっとした、重たい前髪になってしまいます。正解の順番は、後頭部 → サイド → トップ の順。髪の内側から、根元を避けて、空気を含ませるように、無造作に、そして全体に、均一に馴染ませていきます。 - STEP4:「前髪」は、手に残った“残り香”で、触れるだけ
全体に馴染ませ終わった後、あなたの手に残っている、ほんのわずかな、目には見えないくらいのワックス。それで、前髪の毛先を、そっとつまむようにして整える。それだけで、十分なのです。 - STEP5:指先で「つまんで」「散らす」、仕上げの“彫刻”
最後に、指先を使い、毛束を少しずつつまんで、理想の束感を創り出します。そして、トップの毛先を、ランダムな方向に散らして、動きを出す。全体のシルエットを、鏡を見ながら微調整すれば、完成です。
なぜ、最高の「ワックススタイル」は、最高の「カット」からしか生まれないのか?
ここまで、ワックスのテクニックをご紹介してきました。
しかし、どんなに完璧なテクニックを駆使しても、なぜか、サロンのような仕上がりにならない。
その、根本的な原因。それは、あなたの髪が、ワックスでスタイリングしやすいように、カットされていないからです。
プロの理容師・美容師は、あなたが自宅で、ワックスをつけた時に、
- 理想の束感が、自然に生まれるように
- トップの髪が、簡単に立ち上がるように
- 全体のシルエットが、美しく決まるように
その全てを、あらかじめ計算し、髪の質感や、毛量を、見えない部分で、緻密に調整しているのです。
ワックスは、あくまで、そのカットデザインの魅力を、最大限に引き出すための、最高の“補助”ツールに過ぎません。
また、直毛で、どうしても動きが出ない、という方には、ごく緩い「ニュアンスパーマ」をかけることで、ワックスを軽くつけるだけで、プロのようなスタイルが再現できる、「最強の下地」を手に入れる、という選択肢もあります。
まとめ
あなたが、毎朝使っている、そのヘアワックス。
それは、あなたの個性を表現し、その日一日の気分を上げてくれる、最高のパートナーです。
しかし、そのパートナーの能力を、120%引き出すことができるかどうかは、あなたの髪質と、なりたいスタイルを、誰よりも深く理解した、プロの理容師・美容師による、完璧な“ベースカット”に、その全てがかかっているのです。
あなたの持っているワックス、まだ本当の“実力”を発揮できていないのかもしれません。
最高のカットで、最高のスタイリング体験を、あなたに。
その、感動を、ぜひここで。