ハサミでのもみあげの整え方。自然に仕上げるプロのコツとは
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もみあげの手入れにおいて、最も基本的で、かつ奥が深い道具が「ハサミ」です。バリカンやシェーバーのように一気に刈り上げるのではなく、一本一本の毛を調整しながらカットできるため、非常に自然な仕上がりを目指せるのが魅力です。しかし、その分、使い方にはいくつかのコツが必要です。
この記事では、ハサミを使ったもみあげの基本的な整え方から、失敗しないためのポイント、そして理容室で体験できるプロの技術までを詳しく解説します。
もみあげをハサミで整えるメリット
電動の道具にはない、ハサミならではのメリットをご紹介します。
- 自然な仕上がり
ハサミを使うと、毛量を少しずつ調整しながらカットできるため、バリカンで刈ったような均一なのっぺりとした印象にならず、自然な濃淡や質感を残すことができます。 - 微調整がしやすい
「あと1ミリだけ短くしたい」「この一本だけ切りたい」といった、非常に細かい調整が可能です。そのため、大きな失敗をしにくく、慎重に作業を進めたい方に向いています。 - 手軽に始められる
特別な電動道具を買い揃えなくても、コームと小さなハサミがあれば、気になったときにすぐ手入れを始められる手軽さも魅力の一つです。
ハサミを使ったもみあげの整え方【基本手順】
自宅でハサミを使って、自然なもみあげに仕上げるための基本的な手順です。
準備するもの
- コーム
目の細かい、しっかりとした作りのものを用意しましょう。これがガイドの役割を果たします。 - ハサミ
刃先が細く、小回りの利く眉用ハサミや、散髪用のハサミが適しています。 - スキバサミ(あれば尚良し)
毛の量を減らすための、ギザギザの刃がついたハサミです。これがあると、濃さの調整が格段に楽になり、仕上がりがより自然になります。
整える手順
- 【濃さの調整】
まず、もみあげの濃さを調整します。コームを肌から少し浮かせた状態で、もみあげの毛を下からすくい上げます。そして、コームからはみ出した毛をハサミでカットします。この作業を場所を変えながら繰り返すことで、全体の濃さが均一になります。スキバサミを使えば、数回開閉するだけで自然に毛量を減らすことができます。 - 【長さの調整】
次に長さを整えます。コームで毛を下にとかし、理想の長さを決めます。指で毛束を挟んで、その指の上をカットするか、コームをガイドにしてはみ出た毛先をカットします。 - 【輪郭の調整】
最後に輪郭を整えます。理想のラインからはみ出している不要な毛を、ハサミの先端を使って一本ずつ丁寧にカットしていきます。この後、シェーバーやカミソリで産毛を処理すると、より輪郭がくっきりとします。
ハサミでの整え方で失敗しないためのポイント
ハサミでのカットは、いくつかの点に注意するだけで、仕上がりが格段に良くなります。
- 必ず乾いた状態でカットする
髪は濡れていると長く伸び、乾くと縮みます。濡れた状態でカットすると、乾いたときに思ったより短くなってしまうため、必ず乾いた状態で行いましょう。 - 一度にたくさん切らない
基本中の基本ですが、最も重要なポイントです。「少し物足りないかな?」と感じるくらいで一度止め、全体のバランスを見る余裕を持ちましょう。 - コームを正しく使う
濃さを調整する際、コームを肌に押し付けすぎると短くなりすぎ、浮かせすぎると長さが変わりません。一定の距離を保つことが、均一な濃さに仕上げるコツです。
ハサミ一本に宿る、プロの理容師の神業
セルフケアで使うハサミと、プロの理容師が使うハサミ(シザー)は、切れ味や精度が全く異なります。そして、その道具を使いこなす技術には、さらに大きな差があります。
プロの理容師は、ハサミとコームだけを使い、まるでバリカンを使ったかのような滑らかな刈り上げや、美しいグラデーションを作り出すことができます。これは「刈り込み」と呼ばれる伝統的な技法で、長年の鍛錬によってのみ習得できる、まさに神業です。一人ひとりの骨格や髪の生え癖に合わせて、ハサミの角度や動かし方を変え、その人に最も似合う立体的なデザインを、ハサミ一本で作り上げていきます。
ハサミを使ったセルフケアは、日々のメンテナンスに有効です。しかし、プロがハサミで作り出す、あなたのためだけにデザインされたオーダーメイドの仕上がりは、きっと格別な感動を与えてくれるはずです。ぜひ一度、理容室で本物の技術を体験してみてはいかがでしょうか。
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