スポーツ刈りの「スタイリング」で印象は変わる|プロが教える、基本と応用テクニック
そのスポーツ刈り、「手抜き」に見えていませんか?
「スポーツ刈りの良いところは、何もしなくても良い、その楽さだ」。確かに、それも一つの真実です。しかし、その「何もしない」という選択が、あなたの魅力を、知らず知らずのうちに半減させてしまっているとしたら。実は、ほんの少しの「スタイリング」というひと手間を加えるだけで、あなたのスポーツ刈りは、「ただの短い髪」から、あなたの個性と品格を物語る、洗練された「スタイル」へと、劇的に進化を遂げるのです。この記事では、そのための、プロが実践する基本と応用のテクニックを、詳しく解説します。
スタイリングの前に、まず知るべき「土台」の重要性
まず、覚えておいていただきたいのは、ワックスやジェルといったスタイリング剤は、あくまで、ヘアスタイルの「仕上げ」であり、その土台となる「骨格」は、ドライヤーを使った「ブロー」の段階で創り上げる、ということです。髪を乾かす際に、トップの根元をしっかりと立ち上げ、全体の毛流れを整えておく。この、スタイリング剤を付ける前の、ほんの数分のひと手間が、仕上がりのクオリティと、一日の持続性を、全く違うものにします。
「なりたい印象」で使い分ける。スタイリング剤の選び方
あなたの「なりたい印象」に合わせて、その日のパートナーとなる、スタイリング剤を選びましょう。
・ワックス
特徴:最も万能で、多くのスタイルに対応できます。髪に、動きや束感を与え、ラフで、カジュアルな印象を創り出すのが得意です。セット力の強さや、質感(マット系、ツヤ系)によって、様々な種類があります。
・ジェル/グリース
特徴:強いセット力と、ウェットなツヤ感が特徴です。髪を、パリッと、あるいは、しなやかに固め、一日中、完璧なスタイルをキープします。フォーマルで、清潔感のある、大人っぽい印象を創り出すのが得意です。
・ヘアバーム/オイル
特徴:セット力は非常に弱いですが、髪に自然なまとまりと、潤いのあるツヤを与えてくれます。作り込みすぎない、あくまでナチュラルな質感を求める方に最適です。
プロが実践する、スポーツ刈りの基本スタイリング手順
ここでは、最もベーシックな、ワックスを使ったスタイリングの基本手順をご紹介します。
・STEP1:ごく少量のスタイリング剤を手に取る
スタイリング剤の量は、多すぎると、髪が重くなり、ベタつきの原因になります。まずは、人差し指の第一関節の半分程度(パール一粒大)から始め、足りなければ、後から足す、という考え方が、失敗しないための鉄則です。
・STEP2:透明になるまで、完璧に手のひらで伸ばす
取ったスタイリング剤を、手のひら、そして、指の間まで、完全に透明になるまで、体温で温めるように、しっかりと伸ばします。この工程が、ムラなく仕上げるための、最も重要なポイントです。
・STEP3:後頭部から、髪全体に馴染ませる
いきなり前髪から付けるのは、絶対にNGです。失敗しても目立ちにくい、後頭部や、サイドの部分から、髪の内側に手を入れるようにして、根元から、髪全体に、均一にワックスを馴染ませていきます。
・STEP4:指先で毛束をつまみ、シルエットを整える
全体にワックスが馴染んだら、指先に残ったワックスを使い、トップや前髪の毛束を、優しくつまむようにして、動きと束感を創り出し、全体のシルエットを整えれば、完成です。
応用編:印象をガラリと変える、2つのアレンジ術
基本をマスターすれば、あなたの表現の幅は、さらに広がります。
・アレンジ1:「アップバング」で、快活な印象に
トップ、特に前髪の根元を中心に、下から持ち上げるようにスタイリング剤を馴染ませ、前髪を上げて、おでこを見せるスタイルです。快活で、自信に満ちた、爽やかな印象を、瞬時に演出することができます。
・アレンジ2:「ウェットヘア」で、色気のある印象に
ジェルやグリースを使い、髪全体を、濡れたような質感に仕上げるスタイルです。ウェットなツヤが、あなたの色気を最大限に引き出し、フォーマルなシーンにも最適な、品格のあるスタイルが完成します。
スタイリングを「最高に楽」にする、プロのカットという選択
「色々試しても、自分の髪は、どうしても上手く動いてくれない」。その原因は、あなたの技術ではなく、その土台である「カット」にあるのかもしれません。プロの理容師は、お客様が、自宅で、簡単に、そしてお洒落にスタイリングできるように、あらかじめ、髪の内側の重さを取り除き、毛先に動きが出やすいように、「質感調整」という、緻密な計算を、カットの段階で施しています。この「仕込み」こそが、あなたの毎朝のスタイリングを、最高に楽なものへと変える、プロの仕事なのです。
理容室(バーバー)でのオーダー方法
あなたのライフスタイルを、私たちプロに、ぜひお聞かせください。
・あなたの日常を、伝える
「普段はワックスを使って、少し動きを出す感じで、自分でスタイリングします。セットしやすいように、カットしてください」
「ジェルで、七三分けや、オールバックにもできるようにしたいです」
・プロの知識を、頼る
「僕の髪質だと、どんなスタイリング剤が、一番合いますか?」
その一言で、私たちは、あなたにとって最高の道具と、その使い方まで、責任を持って、アドバイスします。
まとめ
スポーツ刈りは、決して「何もしなくて良い、楽な髪型」ではありません。それは、あなたの工夫次第で、様々な表情を見せてくれる、実は、非常に創造的で、奥深い「キャンバス」なのです。そして、そのキャンバスの質を決定づけ、あなたのスタイリングを、もっと簡単に、もっと楽しくするための答えが、プロの理容師が施す、完璧な「ベースカット」にあります。ぜひ一度、私たちに、あなたの毎日を、もっと輝かせるためのお手伝いを、させてください。