【メンズカット】髪を「伸ばしたい」を成功させる。挫折しないための髪型とオーダー術
「ショートヘアには少し飽きた。思い切って、髪を伸ばして雰囲気を変えてみたい」
俳優やアーティストの影響で、長めのヘアスタイルに憧れを抱き、髪を伸ばし始めた経験、あるいは、今まさにその途中にいる、という男性は少なくないでしょう。しかし、多くの男性が、理想のスタイルにたどり着く前に、ある大きな壁にぶつかります。
それが、何をしても髪型が決まらない、最も忍耐が試される「中途半端な長さ」の時期です。
この記事では、髪を伸ばす過程で誰もが経験する、この「挫折の時期」を、逆におしゃれを楽しみながら乗り切るための、プロの考え方とオーダー術を徹底的に解説します。
髪を伸ばす上で、多くの男性が陥る「最大の誤解」
まず、髪を伸ばしたいと願う男性が、最も陥りやすい、しかし致命的な誤解についてお話しなければなりません。
誤解:「伸ばす=切らない」ではない
「髪を伸ばすのだから、とにかく切らずに、我慢して放置するしかない」
これは、最大の誤解です。ただやみくもに髪を伸ばし続けると、サイドは不自然に膨らみ、襟足はだらしなく伸び、全体のシルエットは崩壊します。結果、「ただ髪が長い、手入れの行き届いていない人」という、最も避けたい印象になってしまうのです。
真実:定期的な「メンテナンスカット」こそが、成功への近道
実は、髪を美しく、そして挫折することなく伸ばすための、唯一にして絶対的な秘訣は、「定期的に、プロの手で髪を切る」ことにあります。もちろん、全体の長さを短くするのではありません。不要な部分の重さを取り除き、全体のバランスを整える「メンテナンスカット」を挟むこと。それこそが、伸ばしている途中も、常におしゃれなスタイルをキープするための、成功への近道なのです。
「伸ばしかけ」の時期を、おしゃれに乗り切るための髪型
メンテナンスカットでは、具体的にどのようなスタイルを目指せば良いのでしょうか。
襟足をすっきりさせる「ウルフカット風」スタイル
中途半端な長さで、最もだらしなく見えがちなのが「襟足」です。トップや前髪の長さはそのままに、この襟足部分だけをすっきりと短く整えることで、スタイル全体にメリハリが生まれ、清潔感が劇的に向上します。自然なくびれのある、ウルフカットのようなシルエットを目指すのがポイントです。
サイドの膨らみを抑える「ソフトツーブロック」
髪が長くなってくると、サイドの膨らみも気になり始めます。そんな時は、サイドの内側だけを、長めのミリ数で、ごく自然に刈り上げる「ソフトツーブロック」が有効です。見た目にはほとんど分かりませんが、内側のボリュームが解消されることで、驚くほど全体のシルエットがコンパクトに収まります。
前髪の「うざったさ」を解消する「センターパート/パーマ」
多くの男性が髪を伸ばすのを諦めてしまう最大の原因が、目にかかって邪魔になる「うざったい前髪」、通称“うざバング”です。これを解決する最も賢い方法が、前髪を中央で分ける「センターパート」に移行することです。あるいは、ゆるいパーマをかけて、横や後ろに自然に流れるクセをつけてあげるのも、非常に効果的です。
伸ばしている途中の、プロへの正しい「頼み方」
伸ばしている過程でのカットは、通常のオーダーとは少し違う、特殊な伝え方が必要になります。
最終的な「ゴール」の髪型を共有する
これが最も重要です。「最終的には、この写真のような、肩につかないくらいのミディアムヘアにしたいです」というように、あなたが目指している「ゴール」のイメージを、最初に理容師と共有しましょう。それにより、プロは、ゴールから逆算して、「今はどこを切り、どこを伸ばすべきか」を判断することができます。
「長さは変えずに、形を整えてほしい」と伝える
これが、プロに想いを伝える魔法の言葉です。「今、髪を伸ばしている途中なので、全体の長さはできるだけ変えずに、シルエットが綺麗に見えるように、形だけを整えてください」とオーダーしましょう。その一言で、あなたの目的は完璧に伝わります。
今、一番「邪魔」な部分を相談する
「とにかく、目にかかる前髪が一番気になります」
「サイドの、この部分の重さだけを取ってほしいです」
というように、あなたが今、最もストレスに感じている部分を具体的に伝えることで、理容師は、長さを残すという目的を達成しつつ、あなたの今の悩みを解消するための、最適なカットを施してくれます。
まとめ:髪を伸ばす旅は、信頼できる理容師と共に
髪を伸ばすという行為は、数ヶ月、時には一年以上にも及ぶ、長い旅のようなものです。その旅の途中で、道に迷ったり、挫折しそうになったりした時に、あなたを正しい方向へと導いてくれる、経験豊富なガイドの存在が不可欠です。
プロの理容師は、まさにそのガイドの役割を果たします。
当サロンでは、お客様が理想のスタイルにたどり着くまで、その長い道のりを、最高のパートナーとして、伴走したいと考えています。髪を伸ばしたい、その漠然とした想いを、ぜひ一度、私たちにご相談ください。一緒に、最高のゴールを目指すための、具体的な計画を立てることから始めましょう。