センターパートは「ポイントカラー」で差をつける。さりげなく個性を灯す、一点集中の美学
いつもの髪型に、「自分だけの証」を。
新しいカット、新しいスタイリング剤。センターパートを、もっとお洒落に見せるための方法はたくさんある。しかし、もしあなたが、周囲と一線を画す、もっとパーソナルで、もっと洗練された自己表現を求めているなら。その答えは、髪に「アクセサリー」を纏うという新発想、「ポイントカラー」にあるのかもしれません。この記事では、あなたのセンターパートに、さりげなくも確かな個性を灯す、この一点集中の美学について詳しく解説します。
ポイントカラーとは、髪に纏う「アクセサリー」
ポイントカラーとは、髪全体を染めるのではなく、意図した特定の一部分(ポイント)にだけ、アクセントとして色を加える、非常にデザイン性の高いカラー技術です。それは、洋服にブローチをつけたり、耳にピアスを飾ったりするのと同じように、あなたのスタイルに、あなただけの「証」を刻む行為なのです。
・前髪カラー
顔の印象を最も大きく左右する、前髪や顔周りの毛束にだけ色を入れるデザインです。センターパートの毛流れを強調し、視線を惹きつける、非常に効果的なスタイルです。
・インナーカラー
髪の表面ではなく、内側に色を忍ばせるデザインです。普段はベースの髪色に隠れていますが、髪をかき上げたり、風になびいたりした瞬間に、その秘めたる個性がちらりと覗く。その計算され尽くした奥ゆかしさが、お洒落上級者の雰囲気を醸し出します。
・イヤリングカラー
耳周りの毛束だけを、まるでイヤリングを着けているかのように染めるデザインです。髪を耳にかけた時に、その効果は最大限に発揮され、アクセサリーが禁止されているような場面でも、顔周りを華やかに彩ることができます。
なぜセンターパートにポイントカラーが映えるのか
数あるヘアスタイルの中でも、特にセンターパートとポイントカラーは、最高の相性を発揮します。
・視線を惹きつける「額縁」効果
センターパートは、その分け目と前髪の毛流れで、顔周りに自然な「額縁」を作ります。その額縁の一部にポイントカラーを入れることで、視線が自然と顔の中心に集まり、あなたの表情をより一層魅力的に引き立ててくれるのです。
・さりげないのに、確かな個性
髪全体を染め上げるハイトーンカラーとは違い、ポイントカラーは、あくまで「さりげない」のが魅力です。しかし、その効果は絶大。動くたびに表情を変えるアクセントカラーが、あなたのスタイルはありきたりではない、ということを静かに、しかし確かに物語ります。
・ヘアカラー初心者でも挑戦しやすい
「髪を染めてみたいけれど、全体を染めるのは少し勇気がいる…」。そんな、ヘアカラー初心者の方にとって、ポイントカラーは最初の一歩として最適です。少ない範囲で、ヘアカラーの楽しさと、それがもたらす劇的な変化を、気軽に体験することができます。
美しい発色にはブリーチが鍵
ベースとなる髪色が暗い場合、シルバーやベージュ、あるいはビビッドな青やピンクといった、繊細で鮮やかな色をポイントカラーで表現するためには、その部分だけを「ブリーチ」で明るくする必要があります。しかし、これも髪全体をブリーチするのに比べれば、髪への負担はごく僅かです。プロの理容師は、ダメージを最小限に抑える「ケアブリーチ」などを使用し、あなたの髪の健康を守りながら、理想の色をピンポイントで叶えます。
ポイントカラーを活かすスタイリング術
せっかく施したポイントカラーは、スタイリングでその魅力を最大限に引き出してあげましょう。前髪に色を入れたなら、ヘアアイロンで軽くカールをつけて、色の入った毛束の動きを強調する。インナーカラーやイヤリングカラーを入れたなら、あえて髪を耳にかけて、アクセントカラーを主役にする。スタイリング剤は、ツヤの出るオイルやバーム、グリースなどを使うと、色の鮮やかさがより一層際立ちます。
理容室でのオーダー方法
ポイントカラーは、色を入れる「位置」や「範囲」が、数センチ、数ミリ違うだけで、その印象が全く変わってしまう、非常に繊細な技術です。プロとの綿密なカウンセリングが、成功の鍵となります。
・理想のイメージを「写真」で共有する
あなたの理想とするポイントカラーのスタイル写真を見せながら、「こんな雰囲気にしたい」と相談するのが、最もイメージが伝わりやすく、確実な方法です。
・具体的なデザインを相談する
「センターパートの前髪の部分だけ、ポイントでハイライトを入れたいです」
「髪を耳にかけた時に見えるように、イヤリングカラーで青を入れたいのですが、ブリーチは必要ですか?」
といったように、具体的なデザインについて、プロの意見を求めてみましょう。
まとめ
いつものセンターパートに、ほんの少しだけ、色という名の遊び心を加える。ポイントカラーは、あなたの個性を最も洗練された形で表現するための、戦略的なデザインです。そして、あなたの骨格と毛流れを計算し、最も効果的な場所に、最高の色彩を灯す。その繊細な仕事は、まさに男性の髪を知り尽くした、プロの理容師の腕の見せ所です。あなただけの「髪のアクセサリー」をデザインするために、ぜひ一度、信頼できるサロンで相談してみてはいかがでしょうか。