センターパートで創る「外国人風」ヘアの作り方|日本人でも叶える方法
映画や雑誌で目にする、外国人のようなラフで色気のあるセンターパート。無造作なのに、なぜか格好良く決まっているそのスタイルに、憧れを抱いたことはありませんか。その独特の雰囲気は、単に顔立ちだけでなく、「骨格」「髪質」、そしてそれを活かす「ヘアスタイル」が完璧に融合しているからこそ生まれます。この記事では、私たち日本人が、そんな「外国人風」の雰囲気を手に入れるための具体的な方法を、プロの視点から詳しく解説します。
ここが違う。日本人と外国人の髪と骨格
理想のスタイルに近づくためには、まず、私たち日本人と欧米系の外国人との間にある、髪質や骨格の根本的な違いを理解することが重要です。
・髪質の違い
日本人の髪は、一本一本が太く、ハリ・コシが強い黒髪の直毛が多いとされています。一方、欧米系の外国人の髪は、色が明るく、細くて柔らかい、自然なウェーブを持つことが多いです。この「柔らかさ」と「自然な動き」が、ラフな雰囲気の源泉となっています。
・骨格の違い
骨格においても、日本人はサイド(ハチ)が張りやすく、後頭部が平坦に見えやすい傾向があります。対して、欧米系の外国人は、頭の形が奥行きのある立体的なフォルムをしています。この立体感が、ヘアスタイルに自然な陰影とメリハリを与えます。
これらの違いがあるため、単に外国人の写真を見せて同じようにカットしても、同じ雰囲気にはなりません。日本人には、日本人のための「外国人風に見せるための特別な技術」が必要なのです。
日本人が「外国人風」に近づくための3つの技術
憧れの雰囲気を手に入れるためには、「カット」「パーマ」「カラー」という三つの技術を効果的に組み合わせることが不可欠です。
・技術1:カットで創る「骨格補正」と「動き」
まず、カットによって、日本人の骨格を欧米人のような立体的なフォルムに近づけていきます。ハチ周りのボリュームを抑え、後頭部に丸みを持たせるようにカットすることで、頭の形を美しく見せます。さらに、レイヤーを多めに入れて髪に軽さを出すことで、外国人風の柔らかな動きの基礎を作ります。
・技術2:パーマで加える「柔らかな質感」と「無造作なウェーブ」
日本人の硬い直毛に、外国人のようなくせ毛風の柔らかな質感を与えるためには、パーマが非常に有効です。強くかけすぎず、あくまで自然な動きをプラスする「ニュアンスパーマ」や、ゆるめの「スパイラルパーマ」などを施すことで、スタイリングが格段に楽になり、理想の雰囲気にぐっと近づきます。
・技術3:カラーで演出する「透明感」と「立体感」
黒髪の持つ重たい印象を解消し、髪を柔らかく見せるためには、ヘアカラーが絶大な効果を発揮します。特に、髪の赤みを抑えるアッシュ系、グレージュ、オリーブ系といった寒色系のカラーは、外国人風の持つ透明感を演出するのに最適です。また、細かくハイライトを入れることで、髪に自然な陰影が生まれ、より立体的に見せることができます。
スタイリングで完成させる、外国人風の「ラフな色気」
カット、パーマ、カラーで完璧な土台を作ったら、最後の仕上げは日々のスタイリングです。ここでのキーワードは「ウェットなツヤ感」と「作り込みすぎないラフさ」です。
・スタイリング剤の選び方
パサついたドライな質感ではなく、潤いを感じさせるウェットな質感が外国人風の雰囲気を高めます。ヘアオイルやヘアバーム、ソフトグリースなど、ツヤ感と適度なまとまりを与えてくれるスタイリング剤を選びましょう。
・スタイリング方法
タオルドライ後、まだ髪が少し濡れている状態で、スタイリング剤を髪全体にラフに揉み込みます。その後、ドライヤーの弱い風で乾かすか、自然乾燥させるのがおすすめです。きっちりと形を作るのではなく、手ぐしでざっくりとセンターで分けるくらいの、力の抜けたスタイリングを心がけてください。
理容室でのオーダー方法
抽象的な「外国人風」というイメージを、担当の理容師に的確に伝えるためのコツをご紹介します。
・理想の外国人の写真を見せるのが一番
言葉で説明するよりも、あなたの理想とする雰囲気を持つ俳優やモデルの写真をいくつか見せるのが、イメージを共有する上で最も確実な方法です。
・具体的な要望を伝える
「こんな感じの、くせ毛風のパーマをかけたいです」
「赤みを抑えたアッシュ系のカラーで、透明感を出したいです」
「カットで後頭部に丸みが出るように、立体的にしてください」
といったように、具体的な技術について相談してみましょう。
まとめ
日本人が憧れの「外国人風」センターパートを手に入れるためには、髪質や骨格の違いを深く理解した上で、それを補い、理想に近づけるための「カット」「パーマ」「カラー」といった、プロフェッショナルな技術が不可欠です。それは、自己流のスタイリングだけでは決して到達できない領域です。あなたの骨格と髪質を最大限に活かし、理想の「外国人風」スタイルをデザインしてくれる、信頼できる理容師にぜひ一度相談してみてはいかがでしょうか。