【接客業】「トップ」に立つということ。それは、技術の先にある「在り方」を問う仕事
どのような業界にも、その道の「トップ」と呼ばれるプロフェッショナルが存在します。
接客業における「トップ」とは、単に売上成績が一番であったり、役職が一番上であったりすることだけを指すのではありません。
それは、お客様からも、そして共に働く仲間からも、深い尊敬と、揺るぎない信頼を集める、その人の「在り方」そのものです。
今回は、全ての接客業のプロが目指すべき、その究極の境地について、お話ししたいと思います。
「トップ」のプロフェッショナルに共通する、3つの「在り方」
トップに立つプロフェッショナルは、日々の業務の中で、特定の技術やテクニックを超えた、共通の「在り方」を体現しています。
1.究極の「聞き手」である
彼らは、ただ話を聞くのが上手い、というレベルではありません。お客様との何気ない会話、その言葉の選び方や声のトーン、沈黙の中にさえ、その方の言葉にならない本質的な願いや、悩みを直感的に感じ取ります。
- お客様が、自分でも気づいていない願望を引き出し、形にすることができる。
- 相手に一切のストレスを感じさせることなく、自然に、心の深い部分を開かせる。
その傾聴力は、もはや技術ではなく、相手への深い愛情と、人間そのものへの尽きない興味から生まれる、一つの「芸術」と言えるでしょう。
2.最高の「舞台役者」である
プロとしてお客様の前に立つ時、彼らは、自分個人の感情を完全にコントロールします。たとえプライベートでどんなに辛いことがあっても、それを微塵も感じさせることなく、常に穏やかで、自信に満ちた、完璧なプロの「役」を演じきります。
- その人がそこにいるだけで、お店全体の空気が引き締まり、お客様が安心する。
- その人の立ち居振る舞いの一つ一つが、お店の品格と、サービスの品質を物語る。
その存在そのものが、お客様にとっての、最高のサービスとなっているのです。
3.敬愛される「師」である
トッププロフェッショナルは、その卓越した技術や、深い人間性によって、自然と周りの人々を導く「師」となります。
- その後ろ姿を見て、後輩たちが自発的に学び、成長していく。
- お客様が、その人との対話を通じて、仕事や人生における、新たな気づきや、ヒントを得る。
彼らは、直接的に何かを教えようとするのではなく、自らの「在り方」そのものを通じて、周りの人々に、ポジティブな影響を与え続けるのです。
【私たちの仕事から】一枚の椅子の上で、求められるもの
私たち理容師の仕事も、まさに、この3つの「在り方」が、一枚の椅子の上で、同時に求められる、非常に奥深い仕事です。
お客様の言葉にならない想いを、究極の「聞き手」として感じ取り、
どんな時も平常心を失わず、最高の技術を提供する「舞台役者」であり続け、
そして、お客様や後輩から、人として信頼される「師」たる人間性を、磨き続ける。
その終わりのない道程こそが、私たちの目指す場所です。
そして、全てを支える、ただ一つの「身だしなみ」
この、プロフェッショナルとしての崇高な「在り方」。その全てを、無言のうちに、そして、最も雄弁に物語るものがあります。
それが、その人の「身だしなみ」です。
完璧に整えられた髪型。一点のシワもない仕事着。磨き上げられた靴。
それらは、その人の内面にある、高いプロ意識、規律、そして、お客様への敬意が、外見となって表れたものです。
最高の身だしなみは、トッププロフェッショナルであることの、静かで、しかし、揺るぎない証明なのです。
最高の「あなた」へ。
トップへの道は、誰かになることではありません。それは、あなた自身が、最高の「あなた」になるための、長い旅路です。
私たち理容師は、プロとして、自らの道を極めようとする、全ての方々を心から尊敬しています。
あなたの「在り方」を、最高に輝かせるための、身だしなみ。
ぜひ、私たちにお手伝いをさせてください。