【接客業】「ありがとうございました」を最高のお見送りに変える、感謝の伝え方
「ありがとうございました」
お客様とのコミュニケーションを締めくくる、感謝の言葉。この最後の数秒間の対応が、お客様の中に残るお店の「最終印象」を決定づけ、次回の来店に繋がるかどうかを左右する、非常に重要な瞬間です。
心がこもった「ありがとうございました」は、お客様の満足度を最高潮に高め、「またここに来たい」と思っていただける魔法の言葉になります。
今回は、接客業のプロとして、お客様の心に響く感謝の伝え方と、最高のお見送りをするためのポイントを解説します。
なぜ最後のお見送りが重要なのでしょうか
人は、物事の「ピーク(最も感情が動いた瞬間)」と、「エンド(終わり)」の記憶が、全体の印象を決定づづけると言われています(ピークエンドの法則)。つまり、お見送りの瞬間は、その日のお客様の体験を、最高の思い出として締めくくるための、最後のチャンスなのです。
- お客様の満足度を決定づける
素晴らしい商品やサービスを提供しても、最後のお見送りが雑であれば、お客様の心には後味の悪さが残ってしまいます。丁寧なお見送りは、満足度を確固たるものにします。
- 次回の来店へと繋がる
「大切にされている」と感じたお客様は、お店へのロイヤリティを高め、リピーターとなってくださる可能性が格段に上がります。
- ポジティブな口コミを生み出す
心に残る体験は、人に話したくなるものです。感動的なお見送りは、「あのお店は、最後まで本当に気持ちが良かった」という、最高の口コミへと繋がります。
心に残る「ありがとうございました」を構成する要素
最高の感謝は、言葉だけでなく、表情や態度など、全身で表現するものです。
- 1.感謝の表情(笑顔)
一日の出会いに感謝する、心からの笑顔を向けます。おもてなしができた喜びを、表情で伝えましょう。
- 2.最後までアイコンタクト
お客様が視界から見えなくなるまで、あるいはドアが閉まるまで、感謝を込めてアイコンタクトを続けます。最後まで、お客様が主役であることを示します。
- 3.心からの声のトーン
機械的な発声ではなく、「本当に、ありがとうございました」という気持ちを乗せた、落ち着いた、誠実な声のトーンを意識します。
- 4.丁寧なお辞儀
挨拶の言葉を言い終えてから、ゆっくりと、そして深くお辞儀をします。感謝の気持ちの深さが、お辞儀の丁寧さに表れます。
+αで差がつく!感謝を伝える言葉のバリエーション
「ありがとうございました」に、ほんの一言付け加えるだけで、お客様の心に残る、よりパーソナルな感謝を伝えることができます。
- 「本日はありがとうございました。またお会いできるのを楽しみにしております。」
再会を願う気持ちを伝える、温かい一言です。
- 「ありがとうございました。お足元にお気をつけてお帰りくださいませ。」
お客様の帰り道まで気遣う、思いやりの心が伝わります。
- (商品やサービスに合わせて)
「〇〇、ぜひお楽しみください。ありがとうございました。」
「〇〇様、本日はありがとうございました。」(お名前を呼ぶ)
【ここが重要】お見送りを完璧にする、プロの「身だしなみ」
お客様が最後に目にするのは、感謝を伝えるあなたの「姿」です。その姿が、お店の最後の記憶となります。
一日の業務の終わりで、疲れが見えていたり、身だしなみが乱れていたりしては、せっかくの感謝の言葉も色褪せてしまいます。
- 清潔感のある髪型
- 整えられた服装
- 疲れていない、明るい表情
プロフェッショナルとして、最後の瞬間まで完璧な身だしなみを維持すること。それが、お客様への最後の誠意です。
最高のサービスは、最高のプロフェッショナルから。
最高の挨拶に始まり、最高の「ありがとうございました」で締めくくる。その一連の流れを完璧にこなすことこそ、接客のプロフェッショナリズムです。そして、そのプロ意識は、必ずや日々の身だしなみに表れます。
私たち理容師も、同じ接客業のプロとして、お客様への敬意を、自らの技術と身だしなみで表現したいと考えています。
接客業に携わる皆様の、そのプロ意識をさらに高めるための、清潔感あふれるヘアスタイル。ぜひ、私たちにお任せください。