センターパートは「コテ」で進化する。パーマ風ウェーブの作り方
ストレートな質感の、いつものセンターパート。それもいいけれど、もう少し髪に動きと、柔らかなニュアンスが欲しい。そんな風に感じたことはありませんか。
その願い、実は「コテ(ヘアアイロン)」一本で叶えることができます。いつものセンターパートが、まるでパーマをかけたかのような、立体的で色気のあるスタイルに生まれ変わる。この記事では、あなたのスタイリングをプロレベルへと引き上げる、その秘密の技術を解説します。
なぜ「コテ」を使うのか?その絶大なメリット
コテ(ヘアアイロン)をスタイリングに取り入れることで、ドライヤーだけでは決して表現できない、多彩なデザインが可能になります。
- パーマのような「立体的な動き」を自在に作れる
ストレートアイロンの手首の返し方一つで、毛先に柔らかなCカールをつけたり、髪全体を波打たせる「波ウェーブ」を作ったりと、まるでパーマをかけたかのような、複雑で立体的な動きを表現できます。
- スタイルに「表情」と「ニュアンス」が生まれる
のっぺりとしがちなストレートヘアに、計算されたカールが加わることで、スタイル全体に豊かな表情と、こなれたニュアンスが生まれます。
- 頑固な「直毛」をコントロールできる
動きが出にくい、硬い直毛でも、熱の力で強制的にカールを記憶させ、柔らかな質感に変えることができます。
- その日の気分で「スタイルチェンジ」が可能
今日はストレート、明日はパーマ風、とその日の気分やファッションに合わせて、髪型を自在にアレンジできるのも、コテスタイリングの大きな魅力です。
メンズセンターパートに適したコテ(アイロン)の選び方
これからコテ(ヘアアイロン)を始める方は、以下のポイントを参考に選んでみてください。
- 種類:まずは「ストレートアイロン」が万能
コテというと、筒状のカールアイロンを想像するかもしれませんが、メンズのセンターパートの長さであれば、まずは一台でストレートもカールも作れる「ストレートアイロン」から始めるのが最も万能でおすすめです。
- プレートの幅:15mmから24mm程度の「細め」がベスト
小回りが利き、短い髪でも根元を挟みやすく、繊細なカールを作りやすいため、このくらいの細めのプレート幅がメンズには最適です。
- 温度設定:140℃から180℃くらいで調整できるもの
髪へのダメージを考慮し、細かく温度を調整できる機能があると、より安心して使用できます。
これがプロの技!コテで作る「パーマ風」センターパートの手順
少し練習は必要ですが、手順さえ覚えれば誰でも可能です。ここでは、ストレートアイロンを使った「波ウェーブ」の作り方を解説します。
- STEP1:ベースのドライヤーワークを完璧に
まず髪を濡らして癖をリセットし、ドライヤーで根元をしっかりと立ち上げながら、全体の8割から9割程度を乾かします。これが全てのスタイルの土台となります。
- STEP2:根元の立ち上がりをアイロンで強化する
分け目の根元をアイロンで挟み、軽く持ち上げるようにして熱を通し、ふんわりとした立ち上がりを強固に記憶させます。
- STEP3:中間部分に「波ウェーブ」を作る(最重要工程)
毛束の中間あたりをアイロンで挟み、まず「内側」に手首を返して、髪に「山」を作ります。次に、アイロンを少し下にずらして、今度は「外側」に手首を返し、「谷」を作ります。これを毛先まで繰り返すことで、パーマのような波状の動きが生まれます。
- STEP4:手ぐしでほぐし、スタイリング剤で仕上げる
全体にウェーブをつけ終えたら、いきなりワックスをつけるのではなく、まず手ぐしで軽くほぐし、ラフな動きを出します。その後、ソフトワックスやヘアバームなどを髪全体に馴染ませて、束感とツヤを出したら完成です。
熱ダメージから髪を守る、最低限のルール
コテは強力なツールですが、熱によるダメージは避けられません。美しい髪を保つために、以下のルールを守りましょう。
- 必ず、完全に乾いた髪に使うこと。
- スタイリングの前に、熱から髪を守る効果のある、洗い流さないトリートメントやスタイリング剤をつけること。
- 温度は160℃前後を目安に、上げすぎないこと。
- 同じ場所に、3秒以上アイロンを当て続けないこと。
- そして何よりも、日々のシャンプー後のトリートメントケアを怠らないこと。
なぜ「コテが活きる髪」はプロ、特に「理容師」にしか作れないのか
あなたがどんなにコテの技術をマスターしたとしても、その仕上がりを最終的に決定づけるのは、全ての土台となる「カット」のクオリティです。
プロの理容師は、あなたがコテで巻いた時に、髪が最も美しく、そして立体的に動くように、毛量や毛先の質感をミリ単位で調整してカットします。カールが活きるように、あらかじめ「仕込み」をしておくのです。
そして、コテを使ったデザイン性の高いスタイルは、一歩間違えるとだらしなく見えてしまう危険性も秘めています。理容師は、サイドや襟足をシャープに刈り上げることで、スタイル全体の「清潔感」を担保し、デザインとの完璧なバランスを創り出します。
さらに、「毎朝コテで巻くのは大変」「熱ダメージが気になる」というあなたには、究極の解決策として「パーマ」という選択肢も提案できます。コテで巻いたような質感を、乾かすだけで再現できる「スパイラルパーマ」や「波ウェーブパーマ」は、プロならではの究極の時短技術です。
まとめ:一手間が、あなたを次のステージへ
コテ(ヘアアイロン)は、いつものセンターパートを、ありふれたスタイルから、デザイン性の高いアートの領域へと進化させる、強力なツールです。
その一手間を、最高の形で表現するための「完璧なキャンバス(カット)」と、その手間すらも不要にする「究極の技術(パーマ)」。その両方を手に入れるために、ぜひ一度、メンズヘアの専門家である理容師に相談してみてはいかがでしょうか。