ただ真似するだけじゃ、ダサい。流行りのメンズヘアを“自分流”に着こなす方法
SNSを開けば、日々、目まぐるしく更新される「流行りの髪型」。
センターパート、マッシュウルフ、フェードカット…。次々と現れる新しいスタイルを見て、「とりあえず、これをやっておけば間違いないだろう」と、安易に流行りを追いかけてしまってはいないだろうか。
流行りのスタイルは、確かにおしゃれに見えるための、強力な近道です。
しかし、忘れてはならないのは、ただ流行りを真似するだけでは、その他大勢に埋もれる“量産型”になってしまう危険性も、同時に孕んでいるということです。
本当のおしゃれとは、流行りを“知る”ことではありません。
流行りを深く理解し、それを自分という唯一無二のフィルターを通して、自分だけのスタイルへと昇華させて“着こなす”ことなのです。
この記事では、最新の流行りを押さえつつも、それをあなただけの特別なスタイルへと進化させるための、プロのテクニックと考え方を、徹底的に解説します。
まずは知ることから。最新メンズヘア、流行りのキーワード
個別のスタイルを見る前に、まずは今のメンズヘアシーンを貫く、大きな3つの潮流(キーワード)を理解しましょう。
- キーワード1
「ツヤ感」と「束感」
かつて主流だったドライでマットな質感から、今はオイルやグリース、バームなどで作る、ウェットで艶やかな質感がトレンドの中心。濡れたような束感が、色気と清潔感を演出します。 - キーワード2
「クリーン」と「セクシー」の同居
サイドや襟足は、フェードカットやツーブロックですっきりと刈り上げ、圧倒的な清潔感を出す。その一方で、トップや前髪は長めに残し、パーマなどで柔らかな動きや色気を漂わせる。このコントラストが、現代的なスタイルを創り出します。 - キーワード3
「ジェンダーレス」な美しいシルエット
マッシュやウルフ、センターパートに代表されるように、性別の垣根を越えた、柔らかく、美しい曲線を持つシルエットが、新しい格好よさの基準として、完全に定着しています。
【流行りのスタイル別】“自分流”アレンジのヒント
流行りのスタイルを、そのまま取り入れるのではなく、自分流にアレンジするためのヒントをご紹介します。
「センターパート」を、自分流に着こなす
- 今の流行り
パーマを組み合わせた、動きのあるスタイルが主流。特に、毛流れを整える「カルマパーマ」が人気。 - 自分流アレンジのヒント
- 顔型で遊ぶ
丸顔なら分け目を6:4や7:3に少しずらし、縦のラインを強調する。 - 髪質を活かす
あえてパーマをかけず、直毛の持つシャープさとツヤ感を活かして、クールでモードな雰囲気に。
- 顔型で遊ぶ
「フェードカット」を、自分流に着こなす
- 今の流行り
高い位置まで刈り上げるハイフェードや、0mmから始めるスキンフェードが人気。 - 自分流アレンジのヒント
- TPOで調整する
ビジネスシーンがメインなら、刈り上げの位置を低くした「ローフェード」で、さりげなく上品に。 - 骨格をカバーする
頭の形に自信がない場合は、トップに少し長さを残すことで、気になる部分をカバーできる。
- TPOで調整する
「マッシュ」を、自分流に着こなす
- 今の流行り
襟足に動きのある「マッシュウルフ」や、前髪に透け感を持たせた「シースルーマッシュ」がトレンド。 - 自分流アレンジのヒント
- シルエットを操作する
丸顔なら、トップに高さを出した「ひし形マッシュ」に。面長なら、サイドに丸みを持たせた重めのマッシュでバランスを取る。 - 質感で遊ぶ
黒髪の直毛なら、あえて重めのラインを残したモードなスタイルも格好いい。
- シルエットを操作する
なぜ「流行りの髪型」こそ、プロの“翻訳力”が必要なのか?
ここまで、流行りのスタイルと、そのアレンジのヒントをご紹介してきました。
しかし、この「自分流のアレンジ」を、自分一人で完璧に行うのは、至難の業です。
プロの理容師・美容師の本当の仕事。それは、「翻訳家」であると、私たちは考えています。
あなたがスマホで見せてくれた、流行りのスタイルの写真。あなたの「こんな風になりたい」という、言葉にならない想い。それらを、あなたの骨格や髪質、そしてライフスタイルという、あなただけの“言語”に、正確に“翻訳”し、最高の形に再構築すること。
それが、プロにしかできない、本物の「似合わせ」技術なのです。
流行りのパーマやカラーには、必ず髪へのダメージが伴います。あなたの髪の体力を見極め、最小限の負担で、最大限にお洒落な結果を出す。そのリスク管理もまた、プロの重要な役割です。
まとめ
「流行り」とは、あなたをおしゃれに見せるための、強力な“ヒント”であり、素晴らしい“素材”です。
しかし、その素材を、ただの模倣で終わらせるのか、それとも、あなただけの最高の“一皿”に仕上げるのか。その分かれ道は、信頼できるプロの「シェフ」に、調理を任せるかどうかにかかっているのです。
流行に消費されるのではなく、流行を自分らしく着こなす。
それこそが、本当の意味でのおしゃれの楽しみ方ではないでしょうか。
最新の流行りを、あなただけのスタイルに。
その、最も知的で、最もエキサイティングな体験を、私たちと一緒に始めませんか?