男のヘアピンは“アリ”か?ベリーショートを格上げする、お洒落な使い方
伸ばしかけで邪魔になって仕方がない、うっとうしい前髪。
あるいは、湿気や汗で、朝に完璧に決めたはずのスタイリングが崩れてしまった時。
そんな、“どうしようもない髪”を前に、「ああ、今この場にヘアピンがあれば、どんなに楽だろうか…」と、密かに思ったことはありませんか?
「でも、男がヘアピンで髪を留めるなんて、周りから“ダサい”とか“女々しい”とか思われないだろうか…」
その、多くの男性が抱えるためらい。ご安心ください。
今やヘアピンは、性別の垣根を越え、非常に機能的で、かつお洒落なツールとして、多くのファッション感度の高い人々に受け入れられています。
この記事では、男性がヘアピンをスマートに使いこなすための活用術と、いずれはヘアピンに頼らなくても済む、より根本的な解決策をプロの視点から解説します。
なぜ今、男性のヘアピンは「お洒落」として成立するのか?
かつては女性のものというイメージが強かったヘアピンですが、今では男性が使っても全く不自然ではありません。その背景には、いくつかの理由があります。
- ① ジェンダーレスな時代の流れ
ファッションやヘアスタイルにおいて、男女の境界線はどんどん曖曖昧になっています。男性がアクセサリーとしてヘアピンを使うことも、自分らしさを表現するお洒落なテクニックの一つとして、広く認知され始めています。 - ② 究極の“機能美”
邪魔な髪を、さっとヘアピンで留めるという行為は、非常に合理的でスマートです。だらしなく髪を何度もかき上げたり、汗で顔に張り付いた髪をそのままにしたりするよりも、よほど清潔感があり、知的な印象を与えます。 - ③ “伸ばしかけ”の期間の、最高の救世主
ヘアスタイルを伸ばしていく上で、誰もが必ず直面するのが、目にかかってうっとうしい“挫折ゾーン”。この最も困難な時期を、快適に、そしてスタイリッシュに乗り切るための最高のツールが、ヘアピンなのです。
“ダサい”と言わせない!メンズヘアピンの選び方と留め方
大切なのは、「どう使うか」です。ポイントさえ押さえれば、誰でもお洒落に見せることができます。
ピンの選び方
- 基本は「髪色に近い、シンプルなアメリカピン」
まずは、ドラッグストアなどで手に入る、黒や茶色の、一切装飾のないシンプルな「アメリカピン」を用意しましょう。これが最も万能で、どんなシーンでも使えます。 - “見せる”なら「ミニマルな金属ピン」
アクセサリーとしてあえて見せるなら、シルバーやゴールドの、ごくごくシンプルなピンがおすすめです。華美な装飾のついたものは避けましょう。
留め方の基本テクニック:【隠す】
これが最も重要で、日常的に使えるテクニックです。
留めたい毛束を取り、その**内側(下側)**から、表面の髪に隠れるようにピンを頭皮に沿わせて差し込みます。こうすることで、外からはピンがほとんど見えず、まるで何もしていないかのように、自然に髪を留めることができます。
こんな時に役立つ!ヘアピン活用シーン
- シーン①:伸ばしかけの前髪が邪魔な時
センターパート風にしたいなら、両サイドの前髪を、それぞれ耳の後ろあたりで「隠す」留め方で固定します。あるいは、前髪全体をオールバックのように後ろに流し、トップの内側で留めるのも有効です。 - シーン②:スタイリングが崩れた時の応急処置
湿気でうねってしまった部分や、ボリュームがなくなってしまった部分を、理想の形に整え、その内側をピンで固定すれば、簡単にスタイルを復活させることができます。 - シーン③:集中したい時(勉強・仕事・スポーツ)
機能性を最優先し、汗で顔に張り付く前髪などを、潔く上げて留めてしまいましょう。
究極の解決策は「ヘアピンに頼らない」ヘアスタイルにある
ここまで、ヘアピンの便利な活用術をご紹介してきましたが、これはあくまで「応急処置」や「アクセント」としての使い方です。
あなたが本当に目指すべきゴールは、ピンなどの道具に頼らなくても、乾かすだけで自然にまとまる、あなたのためだけにデザインされたヘアスタイルを手に入れることではないでしょうか。
あなたの髪が邪魔になる、あるいはスタイルが崩れてしまう本当の理由。それは、髪の長さや量、そして毛流れが、あなたの骨格やライフスタイルに合わせて最適化されていないからかもしれません。
プロができる根本的解決策
- ① 緻密な似合わせカット
邪魔に感じる部分の毛量をピンポイントで調整したり、髪が自然に流れるようにレイヤーを入れたりすることで、ピンを使わなくても驚くほどまとまりやすい髪に変えることができます。 - ② 形状記憶させるパーマ技術
ごくゆるいパーマをかけるだけで、髪は魔法のように、自然と後ろや横に流れるようになります。これが最も効果的で、日々のスタイリングを劇的に楽にしてくれる、究極の解決策です。
なぜ、髪の悩みは理容室(バーバー)に相談すべきなのか
男性の髪質、生えグセ、そして「伸ばしか-け」といった特有の悩みを、私たちプロの理容師は知り尽くしています。カットだけでなく、あなたの悩みを根本から解決するための最適なパーマ技術など、多彩な技術の引き出しを持っています。
まとめ
ヘアピンは、あなたのヘアライフをサポートしてくれる、賢くお洒落なテクニックです。
しかし、本当のゴールは、道具に頼らなくても、自信を持って快適に過ごせる、ストレスフリーなヘアスタイルを手に入れること。
その最高のスタイルを手に入れるために、ぜひ一度、メンズヘアのプロである私たち理容師に、あなたの髪の悩みをお聞かせください。