【その動き、指先で創る】フェード×ピンパーマの、計算された無造作ヘア
作り込みすぎた、完璧なヘアスタイルも良いけれど、本当にお洒落なのは、どこか力の抜けた、まるで**「 EFFORTLESSLY COOL(頑張っていないのに、格好いい)」**なスタイルではないでしょうか。
シャープなフェードカットの土台の上に、まるで生まれつきのクセ毛のように、ランダムで、柔らかな動きを見せるトップの髪。
その、計算され尽くした「無造作感」を創り出す、プロの秘密兵器。それが**「ピンパーマ」**です。
「そもそも、ピンパーマって何?」
「ロッドで巻く、普通のパーマとどう違うの?」
「自分の短い髪にも、動きを出すことはできるんだろうか?」
この記事では、そんなあなたのための「フェード×ピンパーマ」完全ガイドとして、その魅力からオーダー方法まで、理容師の“指先の技術”の秘密を、徹底的に解説します。
「ピンパーマ」とは何か?ロッドのパーマとの決定的な違い
まず、「ピンパーマ」が、私たちが普段目にする、ロッド(髪を巻く筒状の道具)を使ったパーマと、何が根本的に違うのかをご説明します。
ピンパーマとは、その名の通り、ロッドを一切使わず、理容師が自らの指で毛束を丸めたり、ねじったりしながら、その形をピンで固定してクセ付けを行う、極めて繊細で、アナログなパーマ技術です。
- ロッドのパーマ均一な太さのロッドに髪を巻きつけるため、仕上がりは、規則的で、しっかりとしたカールになりやすいのが特徴です。(例えるなら、ヘアアイロンで巻いたようなカール)
- ピンパーマ理容師の指先の感覚で、一本一本のカールの強さや方向を、ミリ単位で調整できます。そのため、仕上がりは、不規則で、ランダムで、まるで生まれつきのクセ毛のような、驚くほど自然な動きになります。(例えるなら、手でくしゃっと握ったような、柔らかなクセ)
なぜ、「フェードカット」に“ピンパーマ”という選択なのか?
この、職人技とも言えるピンパーマが、なぜ特にフェードカットと抜群の相性を見せるのでしょうか。
- 理由1:“ベリーショート”でも、髪に動きを宿せるこれが、ピンパーマ最大の強みです。ロッドを巻くためには、ある程度の髪の長さが必要になります。しかし、ピンパーマは、指でつまめるほどの短い髪にでも、ピンポイントで動きを加えることができます。トップを短くした、シャープなフェードスタイルに、ニュアンスを加えたい場合に、唯一無二の効果を発揮します。
- 理由2:究極の“自然さ”と“無造作感”創り出されるカールが、均一ではないため、「いかにもパーマをかけました」という印象になりません。あくまで、あなた自身が元々持っているクセ毛のように、自然にスタイルに溶け込みます。「やりすぎない、計算された無造作感」を求めるなら、これ以上の選択肢はありません。
- 理由3:狙った場所に、狙った動きを、ピンポイントで「トップ全体ではなく、前髪だけを少し流したい」「サイドの、この部分の髪の浮きを、少しだけ抑えたい」そんな、ミリ単位の、わがままな要望にも、ピンパーマは完璧に応えることができます。必要な場所に、必要なだけの動きを、自在にデザインできるのです。
【スタイル別】ピンパーマで創る、フェードスタイル
- 無造作ショート × フェード最も代表的な組み合わせ。短くカットされたトップの髪に、ピンパーマでランダムな動きと束感をプラス。マットワックスを揉み込むだけで、最高のスタイルが完成します。
- ソフトモヒカン × フェードトップの中央部分に、ピンパーマで立ち上がりと動きを集中させることで、自然でありながら、しっかりと立体感のあるソフトモヒカンスタイルを創り出します。
- サイドパート × フェード直毛で、髪が横に流れにくい、という悩みにも、ピンパーマは有効です。分け目の部分や、流したい方向の髪に、ごく自然な毛流れを生み出すことで、毎朝のスタイリングが驚くほど楽になります。
その“一束”は、職人の指先から生まれる
最後に、これだけは知っておいてください。
このピンパーマという技術は、マニュアル通りに薬剤を塗り、ロッドを巻いていく作業とは、全く次元が異なります。
それは、
お客様一人ひとりの髪の生え方、毛流れを、指先で感じ取り、
その髪が、最も自然に、そして最も美しく動く方向を見つけ出し、
一束、一束、に、最適なカールとニュアンスを、魂を込めてデザインしていく——。
お客様の髪と、理容師の指先とが、対話するかのような、極めてアナログで、そしてアーティスティックな“職人技”なのです。
この技術の完成度は、100%、担当する理容師の経験と、美的センスにかかっています。
オーダーとスタイリング
- オーダー方法あなたの「なりたいイメージ」や「髪の悩み」を、そのままお伝えください。「直毛で動きが出ないので、自然なクセ毛みたいにしたいです」その一言で、私たちプロは、ピンパーマが最適解であると判断します。もちろん、理想のスタイルの写真をお持ちいただくのが、最も確実です。
- スタイリングパーマの自然な質感を活かすため、ツヤの出すぎないマットワックスやクレイワックスを、髪を握り込むように、優しく揉み込むだけでOKです。
まとめ
作り込まれた人工的なスタイルは、もう終わりにしませんか?
ピンパーマは、まるで、それが元々あなた自身の髪質であったかのような、究極に自然で、それでいて計算され尽くした、最高の“無造作感”を、あなたの髪に宿らせます。
その繊細な一束は、私たちの指先から生まれます。
ぜひ一度、本物の職人技を、体験しに来てください。