【計算された無造作感】フェード×無造作ヘアで創る、大人のこなれスタイル
ジェルやポマードで、ビシッと隙なくスタイリングされた、クラシカルなフェードカット。その揺るぎない格好良さもさることながら、今、お洒落な男性たちの間では、全く逆のアプローチが注目を集めています。
それは、サイドのシャープなフェードはそのままに、トップはあえて作り込まず、**「無造作」**にくずしてスタイリングする、力の抜けたスタイルです。
「清潔感は絶対に欲しい。でも、キメすぎていると思われるのは、少し気恥ずかしい…」
「どうすれば、“ただのボサボサ”ではなく、お洒落な“無造作”に見せられるんだろう?」
そんな、現代の男性が抱く、絶妙なニュアンスのこだわりに、この「フェード×無造作ヘア」は完璧に応えてくれます。この記事では、その魅力から簡単なスタイリング術、そしてサロンでのオーダー方法まで、プロの理容師が徹底的に解説します。
なぜ「フェード×無造作」は、これほどまでにお洒落なのか?
このスタイルが放つ、特別な「こなれ感」。それは、計算され尽くした「ギャップ」が生み出す、巧みな演出にあります。
- 理由1:究極のギャップが生む「こなれ感」サイドと襟足は、フェードカットによって完璧に、そして徹底的にクリーンな状態。この計算され尽くした「フォーマル」な土台があるからこそ、トップのラフで、力の抜けた「カジュアル」な動きが、ただのだらしなさではなく、**「頑張っていないのに、なぜかお洒落」**という、究極のこなれ感として成立するのです。
- 理由2:親しみやすく、柔らかな印象を与えるビシッと固められたヘアスタイルが、時に「近寄りがたい」「話しかけづらい」といった印象を与えてしまうことがあるのに対し、無造作な質感は、相手に親しみやすく、柔らかな印象を与えます。キリっとしたフェードとの組み合わせることで、男らしさの中に、優しい人柄を感じさせることができます。
- 理由3:スタイリングの“正解”が一つじゃない自由度その日の気分やファッションに合わせて、少しだけ整えたり、大胆に動かしたりと、スタイリングの幅が広いのも魅力です。「こうでなければならない」という完璧な正解がないため、スタイリングそのものを自由に楽しむことができます。
「無造作」を創り出す、2つのアプローチ
理想の無造作ヘアを手に入れるには、主に二つの方法があります。
アプローチ1:カットとスタイリングで作る
最もベーシックな方法です。私たちプロの理容師が、お客様の髪質に合わせて、トップの髪に束感が生まれやすく、そして軽やかな動きが出るように、ハサミで質感調整を施します。ご自宅では、後述するスタイリング術を実践していただくことで、ラフな質感を再現できます。
アプローチ2:パーマで作る(最強の選択肢)
「自分の髪は直毛で、どうしても動きが出ない」「毎朝のセットをもっと楽にしたい」という方には、パーマが最強の解決策となります。
ごく自然なクセ毛のような動きをプラスする**「ニュアンスパーマ」や、より立体的な動きが出る「ツイストスパイラルパーマ」**をゆるめにかけることで、ドライヤーで乾かすだけで、理想の無造作なベースが完成します。
プロが教える!「計算された無造作」スタイリング術
自宅で、お洒落な無造作ヘアを再現するための、簡単なコツをご紹介します。
- ポイント1:ドライヤーで“あえて”ラフに乾かす全てのセットの基本はドライヤーです。髪を濡らした後、一方向から風を当てるのではなく、色々な方向から根元を擦るように乾かしてみてください。こうすることで、髪の根元が自然に立ち上がり、ランダムな動きのベースが生まれます。
- ポイント2:スタイリング剤は「マット系」が鉄則ツヤの出るジェルやグリースは、「きっちり」とした印象になるため、無造作ヘアには不向きです。選ぶべきは、ツヤのない**「マットワックス」や「クレイワックス」**。これを少量(小豆一粒程度)手に取り、しっかりと手のひら全体に伸ばします。
- ポイント3:スタイリングは「握る」「散らす」「つまむ」ワックスを、髪全体に空気を含ませるように、クシャっと「握り込む」ようになじませます。その後、トップの髪を放射状に**「散らし」、最後に、前髪やトップの表面の毛束を、指先で数カ所「つまんで」**束感を作れば、やりすぎていない、自然な無造作ヘアの完成です。
“計算された無造作”は、計算されたカットから生まれる
最後に、最も重要な秘密をお伝えします。
なぜ、プロがセットした無造作ヘアは、ただのボサボサではなく、お洒落に見えるのでしょうか。
それは、スタイリングをする、そのずっと前の**「カット」の段階**で、無造作な動きが出やすいように、そして、ただのボサボサに見えないように、髪の重さや質感を完璧に計算しているからです。
- 髪を握った時に、理想の束感が生まれやすいように、内側の毛量を間引く。
- 毛先が、重力に負けずに軽やかに動くように、繊細な質感調整を施す。
- もしパーマをかけるなら、あなたの髪質で最も自然な動きが出るカールをデザインする。
この**「見えない下準備」**こそが、プロの理容師にしかできない仕事であり、お洒落な無造作ヘアの正体なのです。
まとめ
フェードカットと「無造作」ヘアの組み合わせは、男らしい清潔感と、こなれたお洒落感を完璧に両立できる、現代の男性にとって非常に魅力的なスタイルです。
そして、その「計算された無造作感」は、スタイリングだけでなく、パーマや、何よりもプロの緻密なカット技術によって支えられています。
キメすぎない、でも、誰よりお洒落。
そんな、大人の余裕を感じさせるスタイルを手に入れませんか?あなたの髪質を活かす最高の“無造作”を、私たちがデザインします。