フェードカットの整髪料はどれがいい?ポマード・グリース・ジェルの違いと使い方
サイドを潔く刈り上げた、精悍でスタイリッシュな「フェードカット」。その魅力を最大限に引き出すために、カットそのものと同じくらい重要なのが**「整髪料(スタイリング剤)」**の選び方と使い方です。
「フェードにしたけど、どの整髪料を使えばいいかわからない」
「ポマード、グリース、ジェル…何がどう違うの?」
そんな悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。整髪料は、あなたのなりたいスタイルを実現するための最強のパートナーです。
この記事では、代表的な整髪料の種類と特徴、そしてスタイル別の選び方から正しい使い方まで、プロの理容師が徹底的に解説します。
フェードカットの定番!代表的な整髪料の種類と特徴
まずは、フェードスタイルと相性抜群の代表的な整髪料を知ることから始めましょう。それぞれの特徴を理解すれば、あなたの目指すスタイルに最適な一本が見つかります。
整髪料の種類 | セット力 | ツヤ | 特徴・向いているスタイル |
ポマード | ★★★★★ | ★★★★★ | 強いセット力と圧倒的なツヤ感が特徴。七三分けなどのクラシカルなバーバースタイルに必須。髪をビシッと固め、一日中キープします。 |
グリース | ★★★★☆ | ★★★★☆ | ポマードのようなツヤと、ワックスのような操作性を両立。ウェットな質感で束感を出しやすく、固まらないため再セットも可能。パーマスタイルとも好相性。 |
ジェル | ★★★★★ | ★★★☆☆ | 最強のホールド力で、髪をパリッと固めます。速乾性があり、ベリーショートやエッジの効いたスタイルを絶対に崩したくない時に最適です。 |
ワックス | ★★★☆☆ | ★☆☆☆☆ | 束感や動きを出しやすく、マットからツヤ系まで質感が豊富。作り込みすぎないナチュラルなクロップスタイルや、無造作なスタイルに向いています。 |
【なりたいスタイル別】整髪料の選び方ガイド
整髪料の特徴がわかったところで、次はあなたの「なりたいスタイル」から最適なものを選んでみましょう。
Case 1:ビシッと決める「クラシカル・バーバースタイル」
七三分け(サイドパート)やオールバック(スリックバック)など、トラディショナルで紳士的なスタイルを目指すなら、選ぶべきは**「ポマード」**一択です。
ポマード特有の強いホールド力と美しいツヤ感が、フェードカットのシャープさを際立たせ、非の打ち所がないクラシカルな雰囲気を演出します。コームを使って髪を流せば、完璧なシルエットが完成します。
Case 2:濡れたような「ウェット・セクシースタイル」
大人の色気を感じさせる、ウェットな質感のスタイルを作りたい場合におすすめなのが**「グリース」または「ジェル」**です。
- グリース:濡れたようなツヤを出しつつも、髪は固まりません。手ぐしでラフに動かしたり、時間が経ってから手直ししたりできるのが魅力です。パーマをかけたフェードスタイルにも最適です。
- ジェル:グリースよりもさらにウェット感が強く、パリッと固めてスタイルを完全固定します。汗や湿気にも強いため、夏場やスポーツをする日でもスタイルを崩したくない方に適しています。
Case 3:自然で動きのある「カジュアル・無造作スタイル」
作り込みすぎず、ナチュラルな動きや束感を出したい場合は**「ハードワックス」**が活躍します。
特に、トップに長さを残したクロップスタイルや、ラフなショートスタイルとの相性は抜群です。ワックスなら、固めすぎずに髪に表情をつけることができます。ツヤのないマットタイプを選べば、より自然でドライな質感に仕上がります。
プロが教える!整髪料の正しい使い方
どんなに良い整髪料を選んでも、使い方が間違っていては宝の持ち腐れです。以下の基本ステップを覚えれば、仕上がりが格段に変わります。
- STEP 1:適量を手に取るまずは少量(小豆〜指先第一関節くらい)を手に取ります。多すぎるとベタつきの原因になるため、「少し足りないかな?」くらいから始めるのが失敗しないコツです。
- STEP 2:手のひらでしっかり伸ばすこれが最も重要な工程です。整髪料を手のひら、そして指の間まで、透明になるまでしっかりと擦り合わせるように伸ばしてください。ここでダマが残っていると、髪につけた時にムラの原因になります。
- STEP 3:根元から全体になじませる髪の表面だけを撫でるのはNGです。バック→サイド→トップの順で、髪の内側に指を入れ、根元から毛先に向かって空気を含ませるようになじませていきます。
- STEP 4:シルエットを整える全体になじんだら、最後に手ぐしやコームを使って理想の毛流れや束感を作り、全体のシルエットを整えます。
整髪料選びの最終結論:プロに相談するのが一番の近道
ここまで様々な整髪料をご紹介してきましたが、実は「あなたにとっての最適解」は、ご自身の髪質によって大きく変わります。
例えば、同じポマードでも、髪が硬く太い人と、柔らかく細い人では、選ぶべき製品の硬さやセット力が異なります。自己判断で選んだものが、あなたの髪質には合っていなかった、というケースは非常によくあるのです。
私たちプロの理容師は、お客様の髪質や骨格、ライフスタイル、そして目指すスタイルを総合的に判断し、カットの段階から「この髪には、この整髪料がベスト」ということまで計算してデザインしています。
サロンにご来店いただければ、
- あなたの髪質に本当に合う整髪料は何か
- その整髪料を最大限に活かすための使い方
- 日々のスタイリングが楽になる乾かし方のコツ
これらを、あなたの髪で実践しながら、マンツーマンで的確にアドバイスすることができます。
整髪料選びは、理想のフェードスタイルを完成させるための最後のピースです。もう一人で迷うのはやめて、ぜひ一度、髪のプロフェッショナルである私たちにご相談ください。