もう迷わない!フェードカットの正しいセット方法|基本から応用までをステップ解説
シャープで清潔感あふれるスタイルとして、メンズヘアの定番となった「フェードカット」。しかし、その魅力を最大限に引き出すためには、日々の正しいセットが欠かせません。
「サロン帰りのような仕上がりが、自分では再現できない」
「自己流でセットしているけど、いまいち決まらない」
そんな悩みを抱えていませんか?実は、フェードカットのセットにはいくつかの重要なコツがあります。
この記事では、プロの理容師が実践しているフェードカットの基本的なセット方法を、誰にでも分かりやすくステップごとに徹底解説します。正しい手順をマスターして、毎日のスタイリングを楽しみましょう。
セットの前に知っておきたい大前提:仕上がりは「ドライヤー」で8割決まる
多くの方が、スタイリング剤をつける工程が最も重要だと考えがちです。しかし、プロの視点から見ると、ヘアスタイルの完成度は「ドライヤーでの乾かし方」で8割が決まります。
なぜなら、髪は濡れている状態から乾く瞬間に形が記憶されるからです。この性質を利用して、ドライヤーで髪の根元のクセを取り、ボリューム感や毛流れといったスタイルの「骨格」をあらかじめ作っておくことが、美しい仕上がりへの一番の近道なのです。
スタイリング剤は、あくまでドライヤーで作った土台をキープし、質感を与えるための仕上げと考えましょう。
フェードカットのセットに必要な道具
まずは、スタイリングを始める前に必要な道具を揃えましょう。これらがあるだけで、セットの効率とクオリティが格段に向上します。
- 必須の道具
- ドライヤー:スタイルの土台を作る最重要アイテムです。風量が強く、温風と冷風の切り替えができるものが理想です。
- スタイリング剤:作りたいスタイルに合わせて選びます。ツヤとホールド力が高いポマードやグリース、ジェル。ナチュラルな質感のワックスなどがあります。
- あると便利な道具
- コーム(櫛):きっちりとした毛流れを作ったり、スタイリング剤を均一になじませるのに役立ちます。
- プレスタイリング剤:ドライヤーの熱から髪を守り、スタイリングしやすくするミストやオイルです。
- ヘアスプレー:完成したスタイルを長時間キープしたい場合に使用します。
【プロ直伝】フェードカットの基本的なセット方法・全4ステップ
ここからは、セットの具体的な手順を4つのステップに分けて詳しく解説します。この基本さえ押さえれば、どんなフェードスタイルにも応用できます。
ステップ1:髪を濡らし、ベースを整える
まず、髪の根元から全体をしっかりと濡らします。寝癖がついたままでは、どんなに良いスタイリング剤を使っても綺麗にまとまりません。時間がない場合でも、スプレイヤーなどで根元を中心に湿らせ、一度リセットしましょう。
その後、タオルでゴシゴシと擦るのではなく、頭皮の水分を吸い取るように優しく拭いていきます。髪から水が滴らない程度(半乾き)の状態がベストです。
ステップ2:ドライヤーで髪の骨格を作る
ここが最も重要な工程です。作りたいスタイルをイメージしながら、髪の土台を丁寧に作っていきましょう。
- ボリュームを出す部分(トップ)トップにボリュームが欲しい場合は、髪を流したい方向とは逆側に手ぐしでとかしながら、根元にドライヤーの温風を当てます。下から持ち上げるように乾かすことで、根元が立ち上がり、ふんわりとした立体感が生まれます。
- 毛流れを作る部分(前髪〜トップ)根元が乾いたら、次は実際に流したい方向へ向かって風を当て、全体の毛流れを整えます。手ぐしやコームを使いながら、理想のシルエットをイメージして方向付けをしてください。
- 抑える部分(サイド・バック)フェードとの境目になるサイドやハチ周りの髪は、ボリュームが出ると頭が大きく見えてしまいます。ここは手のひらで髪を軽く押さえつけながら、ドライヤーの風を上から当てることで、タイトに収めることができます。
ステップ3:スタイリング剤を正しくつける
ドライヤーで完璧な土台ができたら、スタイリング剤で質感を加えていきます。
まず、適量(製品によりますが、最初は少量から)を手に取り、手のひら、指の間まで透明になるまでしっかりと伸ばします。このひと手間を惜しまないことが、付けムラを防ぐ最大のコツです。
そして、髪の表面にだけつけるのではなく、バック→サイド→トップの順で、髪の内側から根元付近にしっかりと揉み込むようになじませていきます。
ステップ4:シルエットを微調整して完成
最後に、全体の形を整えます。コームを使って分け目をきっちり作ったり、指先で毛束をつまんで動きを出したりと、理想のディテールを作り込みます。
正面だけでなく、横、後ろからも鏡でチェックし、360度どこから見ても美しいシルエットができていれば完成です。
よくある失敗例と、その解決方法
「手順通りにやってもうまくいかない…」そんな時のために、よくある失敗とその解決策をご紹介します。
- 失敗例1:「トップがぺたんこになる」原因:ドライヤーでの根元の立ち上げが不十分です。解決策:ステップ2の「ボリュームを出す」工程で、根元にしっかりと温風を当て、数秒キープした後に冷風で冷やして形を記憶させましょう。
- 失敗例2:「サイドが膨らんでキノコのような形になる」原因:サイドを抑えながら乾かす工程が不足しています。解決策:ドライヤーの風を必ず上から当て、手のひらでタイトに抑えながら乾かすことを徹底してください。
- 失敗例3:「スタイリング剤がムラになり、ベタついて見える」原因:スタイリング剤の量と付け方に問題があります。解決策:一度につける量を減らし、足りなければ足すようにしましょう。そして、必ず手のひらでよく伸ばしてから、髪の内側からつけることを意識してください。
セット方法を楽にするのは「完璧なカット」です
ここまで様々なセット方法のテクニックをご紹介しましたが、大前提として知っておいていただきたいことがあります。それは、日々のセットのしやすさは、ベースとなるカットのクオリティに大きく左右されるということです。
プロの理容師は、お客様一人ひとりの骨格や髪質、生えグセを正確に見極め、「自宅で乾かすだけで形になる」ように、緻密に計算してカットしています。
もし、あなたが「どんなに頑張ってもセットがうまくいかない」と感じているなら、それはカットがあなたの髪質や骨格に合っていない、あるいは前回のカットから時間が経ち、スタイルが崩れてきているのかもしれません。特にフェードカットは、ミリ単位の刈り上げが命。2〜3週間に一度のメンテナンスが、美しいスタイルを保つ秘訣です。
自分の髪に合った正しいセット方法が知りたい、もっと簡単にスタイリングを決めたい。そう思われたら、ぜひ一度、私たちプロの理容師にご相談ください。あなたの魅力を最大限に引き出すカットと、最適なセット方法を責任を持ってご提案します。