【メンズヘア】カラー剤で仕上がりは変わる。市販品とサロン用の違いをプロが徹底解説
「髪を染めて、イメージチェンジしたい」
そう考えたとき、ドラッグストアで手軽に買える市販のカラー剤を選ぶか、ヘアサロンでプロにお願いするか、多くの人が一度は悩むポイントではないでしょうか。
「どちらで染めても、仕上がりはあまり変わらないのでは?」と思っているとしたら、それは大きな誤解です。実は、市販のカラー剤と、私たちプロがサロンで使用するカラー剤とでは、その性能や役割に、天と地ほどの差があるのです。
この記事では、理想の髪色を叶えるために知っておくべき「カラー剤」の真実について、プロの視点から徹底的に解説します。
知っているようで知らない。市販カラー剤とサロン用カラー剤の決定的違い
なぜプロは、サロン用のカラー剤にこだわるのか。その理由は、仕上がりのクオリティと、あなたの髪を未来まで守るためです。
1. 薬剤のパワー(強さ)が全く違う
- 市販品:どんな髪質の人でも(硬い髪でも、染まりにくい髪でも)一律に染まるように、薬剤のパワーが非常に強く設定されています。これは、必要以上に髪に負担をかけ、深刻なダメージに繋がる大きな原因となります。
- サロン用:プロは、お客様一人ひとりの髪質、現在の髪の明るさ、ダメージレベルを診断した上で、数十種類ある薬剤(2剤のオキシ濃度など)を1%単位で調整します。これにより、髪への負担を最小限に抑えながら、的確に発色させることが可能です。
2. 色のバリエーションと表現力が全く違う
- 市販品:誰でも使いやすいように、基本的なブラウン系などが中心で、色の選択肢は限られています。箱のモデル写真と同じ色に仕上がることは、残念ながらほとんどありません。
- サロン用:数百種類ものカラー剤を、まるで絵の具のようにミリグラム単位で調合します。これにより、絶妙なくすみ感を持つアッシュや、透明感あふれるグレージュ、ビビッドな色味まで、文字通り無限の色を創り出すことができます。あなただけのオリジナルカラーをデザインできるのが、プロの仕事です。
3. ダメージへの配慮が全く違う
- 市販品:ダメージを考慮した薬剤の調整は不可能です。染めるたびに、髪の体力は一方的に失われていきます。
- サロン用:カラー剤にトリートメント成分を配合したり、髪のダメージを補修・保護する処理剤を併用したりと、施術全体を通してダメージを最小限に抑える工夫を凝らしています。特にハイトーンカラーに必要なブリーチでは、「ケアブリーチ」など、ダメージを大幅に軽減する薬剤の選択も可能です。
プロが選ぶ理由がある。代表的なサロン用カラー剤ブランド
サロンでは、それぞれ特徴の異なる、ハイブランドのカラー剤を使い分けています。その一部をご紹介します。
- イルミナカラー:日本人特有の硬く見えがちな髪を、内側から透き通るような柔らかい質感に見せてくれます。圧倒的な「ツヤ」と「透明感」が特徴です。
- アディクシーカラー:日本人特有の赤みを徹底的に打ち消すことに特化しています。これにより、クリアなアッシュ、マット、グレーといった、クールな寒色系の色味を美しく表現できます。
- スロウカラー:こちらも赤み消しに定評があり、くすみ感のある絶妙なニュアンスカラーを表現するのが得意。ファッション性の高い、こなれた雰囲気を演出します。
私たちは、これらの優れたカラー剤の特性を熟知し、あなたの「なりたいイメージ」に合わせて最適なものを選び、調合しています。
ちょっと待って!セルフカラーに潜むリスク
手軽さの裏には、相応のリスクが伴います。
- 深刻な色ムラ: 自分では見えない後頭部や、根元と毛先で、薬剤の塗り方や放置時間が変わってしまい、まだらな仕上がりになりがちです。
- 取り返しのつかないダメージ: 一度深刻なダメージを負った髪は、元には戻りません。ゴワゴワ、パサパサの質感になり、最悪の場合、髪がちぎれてしまうこともあります。
- 希望の色にならない: 特に、黒染め履歴がある髪や、ブリーチが必要な明るいカラーは、市販品で成功させるのはほぼ不可能です。緑色になったり、オレンジ色のままだったりと、想定外の色になってしまうケースが後を絶ちません。
- 次回のサロンカラーへの悪影響: セルフカラーによるムラやダメージがあると、次にサロンで染める際に、その修正作業が必要になり、希望の色を出すのが困難になったり、追加の料金や時間がかかったりすることがあります。
理想の髪色を叶えるために
私たちプロは、カラーリングの前にお客様との「カウンセリング」を最も重要視しています。あなたの現在の髪の状態を正確に診断し、なりたいイメージの写真を共有しながら、最適なカラー剤と施術プランを組み立てていきます。ダメージへの懸念や予算など、どんなことでも気兼ねなくご相談ください。
まとめ
美しいヘアカラーの仕上がりは、どんな「カラー剤」を、どんな「技術」で、どんな「髪の状態」に使うか、という3つの要素で決まります。市販品ではコントロールできないこれら全ての要素を、あなたのためだけに最適化するのが、私たちプロフェッショナルの仕事です。
あなたの髪は、世界に一つだけのオーダーメイド品です。それにふさわしい、最高のカラー剤と最高の技術で、あなたの「なりたい」を叶えます。ぜひ一度、当サロンで本物のヘアカラーをご体験ください。