【メンズヘア】ソフトモヒカンのセットの仕方|プロが教える、一日中崩れない秘訣
理容室で完璧に仕上げてもらった、爽やかで男らしいソフトモヒカンスタイル。鏡の前で満足したのも束の間、翌朝、いざご自身でその格好良さを再現しようとしたら、「なんだか上手くいかない」「お店でやってもらったようにならない」と、苦戦してしまったご経験はありませんか。実は、いくつかの簡単なコツと、正しい手順を知るだけで、ご自宅でも、まるでお店で仕上げたかのような、美しいスタイルを再現することが可能になるのです。今回は、プロの理容師が実践する、ソフトモヒカンの基本的なセットの仕方について、その全工程を詳しく解説してまいります。
最高のセットは、最高の「準備」から始まります
多くの方が、いきなりワックスなどのスタイリング剤を手に取ってしまいがちですが、実はその前の「準備」こそが、スタイリングの成否を分けます。
必ず、一度髪の根元から濡らすこと
寝癖がついたままの髪に、上からスタイリング剤をつけても、決して美しい形にはなりません。朝のスタイリングの前には、まず、髪の根元からシャワーなどでしっかりと濡らし、一度髪をリセットした状態にすること。これが、成功への最も重要な第一歩です。
丁寧なタオルドライで、余分な水分を取る
次に、タオルで髪と頭皮の水分を優しく吸い取ります。この時、ゴシゴシと強くこすってしまうと、髪を傷める原因になりますのでご注意ください。水が滴り落ちてこない程度まで、丁寧に水気を切ることで、この後のドライヤーの時間を短縮することができます。
セットの成否の八割を決める「ドライヤー術」
スタイリング剤をつける前の、ドライヤーで髪を乾かす工程。実は、髪型のシルエットの、実に八割がこの段階で決まると言っても過言ではありません。
トップの「立ち上がり」を創る
まず、ソフトモヒカンの命である、トップの髪の立ち上がりを創ります。ご自身の指で、トップの髪を根元から軽く持ち上げたり、握ったりしながら、下からドライヤーの温風を当てて、しっかりと立ち上がりの癖をつけていきましょう。
サイドの「収まり」を創る
逆に、横に広がりやすいサイドの髪は、上から下に風を当てるようにしながら、手のひらで軽く押さえつけるようにして乾かすと、自然な収まりが生まれます。
最後に「冷風」で、形を記憶させる
髪全体が乾いたら、最後にドライヤーを冷風モードに切り替えて、創り上げたシルエット全体に風を当てます。これにより、髪の形がしっかりと固定され、一日中スタイルが崩れにくくなります。
印象を決定づける「スタイリング剤」の使い方
完璧な土台が出来上がったら、いよいよスタイリング剤で、髪に表情と束感を与えていきます。
ワックスは、ごく少量から
まず、最初は、米粒一つ分から小豆一粒分程度の、ごく少量を指先に取ります。量が多すぎると、髪が重くなり、せっかく立ち上げたトップが潰れてしまう原因になります。
手のひらで、透明になるまでしっかりと伸ばす
スタイリング剤が、髪の一部だけに固まってついてしまうのを防ぐため、手のひら、そして指と指の間まで、ワックスが透明になるまで、体温で温めながら、しっかりと伸ばします。
根元から、空気を含ませるように
毛先だけにつけるのではなく、トップの髪の内側、根元に近い部分から、髪全体に空気を含ませるように、下から上へと、優しくもみ込むようになじませます。
「つまんで」シルエットを整える
最後に、指先に残ったワックスで、トップの毛束を少しずつつまみ、全体のシルエットを整えていけば、プロのような仕上がりの完成です。
なぜ、プロのセットは崩れないのか
ここまで、ご自宅でできるセットの仕方をご説明してまいりましたが、実は、この一連の工程が、驚くほど簡単に、そしてスムーズにできるのは、その大前提として、あなたの骨格や髪質に合わせて、完璧に計算された「カット」が施されているからに他なりません。
誠実な理容師は、ただ髪を切るだけでなく、お客様がご自宅に帰られてから、ご自身で簡単に、そして格好良くスタイリングできるように、毛量や毛流れをミリ単位で調整しています。「スタイリングのしやすさ」までをデザインすることこそが、プロの仕事なのです。ご自身の髪質に最適なスタイリング剤の選び方から、ドライヤーの当て方の癖まで、最も的確なアドバイスをくれるのは、あなたの髪を誰よりも深く知っている、担当の理容師です。ぜひ一度、信頼できる理容室で、カットからスタイリングまで、トータルでのアドバイスを受けてみてはいかがでしょうか。