高校生男子の髪型セット入門 毎日の髪型で自分を表現しよう
高校生になり、服装や髪型で自分らしさを表現したいという気持ちが、ますます高まってくる時期ではないでしょうか。毎朝、鏡の前でほんの少しだけ髪型を「セット」する。その一手間が、髪型を驚くほど格好良く見せ、気分を引き締め、自信を持って一日をスタートさせるための、大切なスイッチになってくれることがあります。しかしその一方で、どのようにセットすれば良いのか分からなかったり、気合を入れすぎて不自然な髪型になってしまったりと、難しく感じている方も多いかもしれません。この記事では、高校生の皆さんが、学校の規則を守りながら、自然でおしゃれな髪型を楽しむための、セットの基本的な考え方と簡単な手順について、専門家の視点から詳しくご紹介いたします。
髪型セットの成功は「準備」で決まる
おしゃれな髪型セットは、ワックスなどの整髪料をつける前の、丁寧な「準備」の段階で、その仕上がりの大部分が決まります。
寝癖直しがすべての基本
まず、どのようなセットを始める上でも、一番はじめに行うべきなのが、寝癖をきちんと直すことです。髪がはねてしまう主な原因は、寝ている間に髪の根元が枕などで潰されてしまうことにあります。はねている毛先だけを濡らすのではなく、髪の根元からスプレーなどでしっかりと濡らし、指の腹で地肌を優しくこするようにして、根元の癖を取ってあげることが最も重要です。
タオルドライの重要性
髪を濡らした後は、タオルで水分を拭き取ります。このとき、ゴシゴシと強くこするのではなく、タオルで頭皮全体の水分をマッサージするように、そして髪を優しく挟み込むようにして、丁寧に水分を拭き取ることが、髪へのダメージを防ぎ、その後のセットがしやすい、まとまりのある状態を作るための大切な点です。
髪型セットの核となる「ドライヤー」の使い方
学校の規則で整髪料の使用が禁止されている場合でも、心配は無用です。実は、髪型セットの仕上がりの八割は、このドライヤーの使い方で決まると言っても過言ではありません。
ボリュームを出す・抑える
まず、髪は必ず根元から乾かし始め、全体を完全に乾かすのが基本です。頭頂部(トップ)に自然なふんわり感を出したい場合は、髪を軽く持ち上げながら、その根元にドライヤーの風を当てます。逆に、広がりやすいサイドの髪は、上から下に向かって風を当て、手のひらで軽く押さえながら乾かすと、すっきりとまとまります。
自然な毛流れを作る
ご自身の髪を流したい方向に向かって、手ぐしを通しながら風を当てることを繰り返すと、ドライヤーの熱によって、髪に自然な毛流れの癖をつけることができます。これだけで、ワックスを使わなくても、整えられた印象になります。
整髪料(ワックス)の基本的な使い方
もし学校の規則で認められているのであれば、ごく少量のワックスを使うことで、髪型の表現の幅がさらに広がります。大切なのは、何よりも「つけすぎない」ことです。
正しい使い方
まず、小豆一粒くらいの、本当にごく少量のワックスを手に取ります。それを、手のひら全体から指の間まで、完全に透明になるまで、これでもかというくらいしっかりと伸ばします。そして、髪の表面からいきなりつけるのではなく、後ろやトップなど、髪の内側から空気を入れるような感覚で、髪全体に馴染ませていきます。最後に、手に残ったごくわずかなワックスで、前髪の毛先や全体の毛束をつまむようにして形を整えれば完成です。「少し足りないかな」と感じるくらいでやめておくことが、清潔感を損なわないための最も重要な点です.
すべての基本は「セットしやすいカット」にある
ここまで、ご自宅でのセットの仕方についてご説明してきましたが、そもそも毎日のセットを格段に楽にし、そして格好良く見せるための、最も重要な要素は「カット」そのものです。私たち経験豊富な理容師は、お客様一人ひとりが持つ髪の生え癖や頭の形、そして「普段セットをするか、しないか」といった生活習慣までをすべて計算に入れた上でカットを施し、ご自宅でドライヤーで乾かすだけで、自然ときれいなシルエットになるように髪型を作っています。セットが苦手だと感じている方、あるいはもっと上手になりたいと願う方ほど、まずはカットが上手な理容室で「セットしやすい髪型」にしてもらうことが、毎朝のお悩みを解決するための、実は一番の近道なのです。
丁寧なセットで、毎日をより楽しく
毎朝の髪型セットは、面倒な作業ではなく、少しの工夫で自分らしさを表現し、ご自身に自信を与えてくれる、とても楽しい時間になり得ます。そして、その土台となるのが、セットしやすいように計算され尽くした、丁寧なカットです。私たちは、お客様がご自宅に帰られてからも、簡単に格好良い髪型を再現できるよう、カットの際に、ご自身の髪に合った簡単なセットの仕方をアドバイスさせていただくことも、非常に大切な仕事だと考えております。髪のセットの仕方で分からないことがあれば、どうぞ散髪の際に、何でもお気軽にご質問ください。