高校生男子の短めの髪型を格好良く見せる「切り方」の技術
清潔感があり、毎日のお手入れも簡単な「短め」の髪型は、勉強や部活動に励む、忙しい高校生の男子生徒にとって、いつの時代も基本となる人気のスタイルです。しかし、一口に「短め」と言っても、ただ全体を均一に短くするだけの髪型と、細部まで計算されてカットされた髪型とでは、その仕上がりの印象は全く違うものになります。周りと少し差がつく、本当におしゃれで洗練された短髪スタイルには、すべて、それを形にするための緻密な「切り方」の技術が隠されているのです。この記事では、高校生らしい爽やかさを大切にしながら、より一層格好良い「短め」の髪型を作るための、カットの基本的な考え方について詳しくご紹介いたします。
格好良い「短め」スタイルを作る「切り方」の基本
私たちプロの理容師が、お客様に「短めの髪型」をご提案する際に、最も大切にしている考え方があります。それは、「お客様一人ひとりが持つ、骨格を最も美しく見せるシルエット作り」です。例えば、頭の横の部分が張りやすい(ハチが張っている)、あるいは後頭部が平らである(絶壁)といった、ご自身が気にしている骨格の特徴も、髪の長さを部分的に調整する「切り方」によって、全体のシルエットが理想的な美しい形に見えるようにデザインすることができます。この骨格を補正するという考え方こそが、「ただ短いだけの髪」と「デザインされた短髪」とを分ける、決定的な違いなのです。
「切り方」で差がつく三つのポイント
より洗練された、格好良い短髪スタイルに仕上げるためには、特に重要となる三つのカットの要点があります。
清潔感を決定づける「刈り上げ」
短い髪型の基本となり、全体の印象をきりっと引き締めるのが、耳周りや襟足の刈り上げです。この部分を、ただバリカンで短くするのではなく、一番短い部分から、頭頂部(トップ)の長い髪へと、色の濃さが自然に変化していくように滑らかに刈り上げる「ぼかし」という技術があります。この丁寧な仕事こそが、髪型全体に上品で洗練された印象を与えます。
動きと軽さを生み出す「毛量調整」
たとえ短い髪であっても、髪の量を適切に調整することは、おしゃれに見せるために欠かせません。特に、頭頂部(トップ)の部分に、すきばさみなどで軽さを出す「切り方」をすることで、髪が自然に立ち上がりやすくなり、動きのあるスタイルになります。これにより、整髪料を使わなくても、のっぺりとした重い印象にならず、爽やかで軽快な雰囲気を演出することができます。
全体のバランスを整える「トップの長さ設定」
サイドや襟足とのバランスを考え、トップの長さをどのように設定するかが、髪型全体のシルエットを最終的に決定づけます。ソフトモヒカンのように少し高さを出して精悍な印象にしたり、逆にトップも短くして全体に丸みを持たせ、優しい印象にしたりと、トップの「切り方」一つで、様々な印象をデザインすることが可能です。
理容室での上手な頼み方
ご自身のイメージ通りの髪型を実現するためには、理容室で希望を上手に伝えることが大切です。ただ「短くしてください」と伝えるだけでなく、「爽やかな感じにしたいです」や、「スポーツをしているので、邪魔にならないように」といったように、抽象的でも構いませんので、ご自身がなりたい雰囲気や、置かれている状況をお伝えください。また、最もおすすめな方法として、「僕の頭の形に合う、一番格好良い短めの髪型にしてください」と、私たち専門家に提案を求めていただくことが、ご自身に最も似合うスタイルへの、一番の近道となります。
最高の短髪は、計算された「切り方」から生まれる
おしゃれで格好良い短髪スタイルは、決して偶然に生まれるものではありません。お客様一人ひとりの骨格や髪質を深く理解し、考慮した上で、理容師がミリ単位で計算し尽くした「切り方」によって、初めて作り上げられるのです。私たちは、ただ髪を短くするのではなく、お客様の持つ魅力を最大限に引き出すためのデザインを常に考え、ハサミの一振り一振りに心を込めています。あなたの持つ個性を輝かせる最高の「短め」のスタイルを、ぜひ一度、私たちにご相談ください。