面長の高校生男子に似合う短めの髪型 バランスを整えるカットの秘訣
部活動の規則や、すっきりとした清潔な髪型が好みという理由から、短髪スタイルにしたい。でも、ご自身の顔の形が少し縦に長い「面長」であるために、「短くすると、余計に顔の長さが強調されてしまうのではないだろうか」と、一歩を踏み出せずにいる高校生の男子生徒もいらっしゃるかもしれません。そのご心配は、髪型のバランスを考える上で、非常に的を射たものです。しかし、どうぞご安心ください。専門家によるカットの仕方を少し工夫することで、爽やかな短髪スタイルでありながら、面長の印象を自然に和らげ、理想的なバランスの髪型に整えることは十分に可能なのです。この記事では、面長な顔立ちの方が、自信を持って短髪スタイルを楽しむための、カットの基本的な考え方や、具体的な髪型について詳しくご紹介いたします。
「短め」と「面長カバー」を両立させる考え方
一見すると両立が難しいように思える、「短めの髪型」と「面長のカバー」。この二つのご要望を同時に叶えるために、私たちプロの理容師が最も大切にしているのは、髪型全体のシルエットを、顔の縦の長さを強調しないようにコントロールすることです。
トップ(頭頂部)の高さは作らない
まず、短髪にする際にやりがちな、頭頂部(トップ)の髪を立たせて高さを出すスタイルは、顔の縦のラインをさらに長く見せてしまうため、避けるのが基本です。トップの部分は、むしろ高さを出さずに、自然に収まるようにカットすることが重要になります。
サイド(横)に丸みを持たせる
次に、縦の長さをカバーするために、サイド、つまり横への広がりを意識します。サイドを極端に短く刈り上げてしまうと、顔の横幅が狭く見え、面長の印象が際立ってしまいます。サイドには適度な長さを残して「丸み」や「厚み」を持たせるようにカットすることで、見る人の視線が自然と横方向に広がり、顔の長さが気になりにくくなります。
前髪の存在が重要
短い髪型の中でも、前髪を少し長めに、そして重めに下ろすことで、顔が見える面積そのものを調整し、縦の長さを効果的に短く見せることができます。
面長でも似合うおすすめの短髪スタイル
上記の基本的な考え方を踏まえた上で、面長な顔立ちの方に似合う、爽やかな短髪スタイルをご紹介します。
前髪を下ろした「ナチュラルショート」
最も挑戦しやすく、バランスの取れた髪型です。トップの高さを出さずに、サイドには適度な長さを残します。そして、前髪を眉毛のあたりで自然に下ろすことで、顔の縦幅を効果的にカバーし、優しく落ち着いた印象に仕上げることができます。
サイドに厚みを残した「刈り上げスタイル」
もしサイドを刈り上げてすっきりとさせたい場合でも、極端に短くせず、少し長めのミリ数を設定することで、サイドがタイトになりすぎるのを防ぎます。その上で、上の髪とのつながりを滑らかにし、後頭部にかけて自然な丸みを持たせるようにカットすることが、バランスを良く見せるための大切な点です。
理容室での上手な伝え方
この少し難しい髪型のご要望を、理容師に正確に伝えるためには、ご自身の状況を正直にお話しいただくのが一番です。
悩みと希望をセットで伝える
「顔が面長なのが気になるのですが、部活動の規則で、髪は短くしなければなりません」といったように、ご自身の「お悩み」と「希望(制約)」を、セットで私たちにお伝えください。その情報こそが、私たちがお客様にとっての最適なスタイルを考える上で、最も重要なヒントとなります。
避けてほしいことを伝える
「トップはあまり高くしたくないです」「サイドがぺたっとしすぎないようにしてほしいです」といったように、ご自身が避けたい髪型のイメージを伝えていただくのも、失敗を防ぐためのとても良い方法です。
骨格の悩みこそ、プロの技術で解決を
面長な顔立ちの方が短髪にする、という一見すると両立が難しい組み合わせこそ、お客様一人ひとりの骨格や髪質をミリ単位で計算する、私たちプロのカット技術が最も活かされる場面です。コンプレックスを解消し、自信を持って毎日を過ごせるような髪型は、お客様との丁寧な対話と、それを形にする誠実な技術があって初めて生まれます。どんな難しいご要望でも、諦めてしまう前に、ぜひ一度、私たちにご相談ください。