70代の坊主頭|矍鑠(かくしゃく)とした生き様を映す、髪型の終着点
矍鑠(かくしゃく)とは、年をとっても、丈夫で元気のいい様子。
70代。髪型は、その人の在り方そのもの
幾多の年月を慈しむように重ね、そのお顔の皺の一つひとつに、豊かな知恵と、穏やかな風格をまとわれた、70代。その世代の男性にとって、髪型とは、もはや他人の目を気にして飾り立てるものではなく、ご自身の「在り方」そのものを、静かに、そして雄弁に物語るものではないでしょうか。
その中でも、全ての華美や無駄を削ぎ落とした、すっきりとした「坊主頭」は、人生の真理を見つめるかのような、究極にシンプルで、そして気高い美しさを持つ、髪型の終着点の一つと言えるのかもしれません。それは、ご自身のありのままの姿を、何のためらいもなく受け入れるという、成熟した精神の、美しい象徴なのです。
白髪、あるいは、失われた髪さえも、輝きとなる
年齢と共に訪れる髪の変化は、この年代の男性にとっては、もはや悩みではなく、その人の歴史を物語る、尊い個性となります。
真っ白な髪は、気品となる
雪のように真っ白になった髪、いわゆる「総白髪」は、何物にも代えがたい、清らかさと、犯しがたいほどの気品を宿しています。その、どこまでも美しい白さを、短く、そして丁寧に刈りそろえられた坊主頭にすることで、まるで磨き上げられた珠玉のように、その輝きは、より一層、その純度を増すのです。
薄くなった髪は、潔さとなる
髪が薄くなったことを、無理に隠そうとする必要は、もはや全くありません。むしろ、そのありのままの姿を、潔く坊主頭にすることで、その人の飾り気のない、誠実な人柄と、何事にも動じない、心の強さが、自ずと表れます。その潔い姿は、周りの人々に、深い尊敬の念を抱かせることでしょう。
快適さと、品位を両立させるための髪型
70代の男性の坊主頭で、最も大切にしたいのは、日々の生活における「快適さ」と、人として、決して失ってはならない「品位」との、見事な両立です。
長さは、手入れのしやすい短さを基本に
日々のシャンプーや、お手入れの負担を、できる限り少なくするため、長さを残しすぎない、3mmから6mm程度の、潔い短さが、最も快適で、理にかなっています。
大切なのは、輪郭の美しさ
そして、その品位を保つ上で、何よりも大切なのが、清潔感です。どんなに短くとも、襟足や耳周り、もみあげといった髪型の「輪郭」が、手入れされずに、不精に伸びてしまっていると、急に寂しく、老け込んだ印象を与えてしまいます。
月に一度でも結構です。私達プロの手で、理容師だけに許されたカミソリを使い、その輪郭を、きれいに、そしてしゃんと整えてあげること。たったそれだけのことで、背筋が伸びるような、矍鑠とした、若々しい印象を、いつまでも保つことができるのです。
まとめ:人生の大先輩へ、私達ができること
70代の坊主頭は、日々の生活をこの上なく快適にし、そして、その方が歩んでこられた、豊かな人生そのものが滲み出るような、究極に自然体で、美しい髪型です。その、お客様が持つ本来の品位と清潔感を、常に最高の状態で保つためのお手伝いをさせていただくこと。それこそが、お客様より少しだけ長く、髪というものと真摯に向き合ってきた、私達理容師にとっての、何よりの喜びであり、誇りです。
私達は、お客様が重ねてこられた、その尊い時間に、心からの敬意を払います。そして、お客様のこれからの毎日が、より快適で、より心豊かになるためのお手伝いを、最高の技術と、温かい心をもって、誠心誠意、させていただきます。髪に関する、どんな些細なことでも、どうぞお気軽にお申し付けください。